山地の稜さんちのりょう
高橋吉郎が今朝は殊に小さくて青じろく少しけげんさうにこっちを見てゐる。清原も見てゐる。たった二人でぬれた運動場の朝のテニスもさびしいだらう。そのいぶかしさうな眼はどこかへ行くならおれたちも行きたいなと云ふのか。それとも私が温床へ水でも灌ぐと …