和歌わか)” の例文
和歌わかうらしほがさしてると、遠淺とほあさうみ干潟ひがたがなくなるために、ずっと海岸かいがんちかくにあしえてゐるところをめがけて、つるいてわたつてる。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
なるほど評判ひょうばんとおり、頼政よりまさ武芸ぶげい達人たつじんであるばかりでなく、和歌わかみちにもたっしている、りっぱな武士ぶしだと、天子てんしさまはますます感心かんしんあそばしました。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
前川虎造氏の誘引ゆういんにより和歌わかうらを見物し、翌日は田辺たなべという所にて、またも演説会の催しあり、有志者の歓迎と厚き待遇とを受けて大いに面目をほどこしたりき。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
その学問がくもんというのは、ただむずかしい文字もじをおぼえたり、わかりにくいふるくさい文章ぶんしょうをよんだり、和歌わかをよんだり、をつくったりするようなことではなく
わたしより二級上に山田武太郎やまだたけたらうなる少年がつたのですが、この少年は級中きふちう年少者ねんせうしやりながら、漢文かんぶんでも、国文こくぶんでも、和歌わかでも、でも、戯作げさくでも、字もく書いたし
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
私の家に鈴木重胤の『和歌わか初学ういまなび』というのがあり、四季四冊のほかに恋、雑の上・下など七冊になっていたが、この歌は雑の下に「枕」という題で収められていたものである。
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
初名和歌わか鶴彦、後改めて和歌の屋となった先代大倉男は人も知る狂歌の先達、江戸時代から斯道で苦労した本町側の大先輩、その後援もあって大正五年に出来たのが面白会
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
有馬行ありまゆきは犬のせいでもなかったろうけれども、とうとう立消たちぎえになった。そうして意外にも和歌わかうら見物が兄の口から発議ほつぎされた。これは自分もかねてから見たいと思っていた名所であった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とふらふこそ誠の安樂あんらく成んとて幡隨院ばんずゐゐんの弟子となり剃髮ていはつ染衣ぜんいに状を變名を自貞じていと改め淺草あさくさ今戸にいほりを結び再法庵さいほふあんと號し母諸共におこなひ濟し安く浮世をすごせしとかやいほりの壁に種々いろ/\和歌わかありけるが其中に
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『とても和歌わか祭にはかなひまへん。』
住吉祭 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
涼しさや蚊帳かやの中より和歌わかうら
涼味数題 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
けれどもこれは、和歌わかではまづ出來できない相談そうだんで、おそらくこのひとが、かういふふうな思想しそうあらはかたをする俳句はいくにも、興味きようみつてゐたから出來できたものなのでせう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
元々もともと武芸ぶげい家柄いえがらである上に、まれ弓矢ゆみや名人めいじんで、その上和歌わかみちにも心得こころえがあって、礼儀作法れいぎさほうのいやしくない、いわば文武ぶんぶ達人たつじんという評判ひょうばんたかい人だったのです。
(新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そこの雑誌とふのは、半紙はんし両截ふたつぎり廿枚にぢうまい卅枚さんぢうまい綴合とぢあはせて、これ我楽多文庫がらくたぶんこなづけ、右の社員中から和歌わか狂歌きやうか発句ほつく端唄はうた漢詩かんし狂詩きやうし漢文かんぶん国文こくぶん俳文はいぶん戯文げぶん新躰詩しんたいし
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
流し斯るいやししづ腰折こしをれも和歌のとくとて恐多おそれおほくも關白殿下くわんぱくでんかへ聽えしも有難さ云ん方なきに況てや十ぜんじようの君より御宸筆しんぴつとはと云つゝ前へがツくり平伏へいふく致すと思ひしに早晩いつしか死果しにはてたりしとぞ依て遺骸なきがら洛外らくぐわい壬生みぶ法輪寺ほふりんじはうむり今におかち女のはか同寺どうじにありて此和歌わかのこりけるとかや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
このひと明治めいじ以後いご新派しんぱ和歌わかといふものに、非常ひじよう影響えいきようあたへたひとですが、それまではあまりひとからさわがれなかつたのです。江戸えどすゑから明治めいじはじめにかけてきてゐたひとです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
和歌わかしもをうたいかけました。すると貞任さだとうげながらいて
八幡太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
はちかつぎが子供こどもとき、おかあさんからならったことは、むかし御本ごほんんだり、和歌わかんだり、こと琵琶びわをひいたりすることばかりでした。でもそんなことは女中じょちゅうのしごとにはなんやくにもちません。
鉢かつぎ (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
という和歌わかをおみになりました。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)