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おんなじ
ふりがな文庫
“
同一
(
おんなじ
)” の例文
何しろ、まるでもって赤十字なるものの組織を解さないで、自分等を何がなし、戦闘員と
同一
(
おんなじ
)
に心得てるです。仕方がありませんな。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いや、なぜということもない。辛いのは誰しも
同一
(
おんなじ
)
だ。お前さんと平田の
苦衷
(
こころ
)
を察しると、私一人どうして来られるものか」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
古い
錦絵
(
にしきえ
)
の滝夜叉姫と踊り屋台に立ったお鶴とは全く
同一
(
おんなじ
)
だったように思われて
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
それに不思議にもその娘は
常時
(
いつも
)
同一
(
おんなじ
)
節ばかりを弾いていたのでございます。
沙漠の歌:スタンレー探検日記
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
馬士
(
まご
)
が
戻
(
もど
)
るのか
小荷駄
(
こにだ
)
が通るか、今朝一人の百姓に別れてから時の経ったは
僅
(
わずか
)
じゃが、三年も五年も
同一
(
おんなじ
)
ものをいう人間とは中を
隔
(
へだ
)
てた。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
それにしても何と二人の女は、その顔立から肉付から、年恰好から
同一
(
おんなじ
)
なのであろう! そうして何とこの二人は、経歴から目的から同一なのであろう! 二人の女の関係はどうなのであろう?
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
馬士
(
まご
)
が
戻
(
もど
)
るのか
小荷駄
(
こにだ
)
が
通
(
とほ
)
るか、
今朝
(
けさ
)
一人
(
ひとり
)
の
百姓
(
ひやくしやう
)
に
別
(
わか
)
れてから
時
(
とき
)
の
経
(
た
)
つたは
僅
(
わづか
)
ぢやが、三
年
(
ねん
)
も五
年
(
ねん
)
も
同一
(
おんなじ
)
ものをいふ
人間
(
にんげん
)
とは
中
(
なか
)
を
隔
(
へだ
)
てた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「おお
吃驚
(
びっくり
)
した……慌てるわねえ、お前さんは。いいえ、自殺じゃないけれども、私の考えだと、やっぱり
同一
(
おんなじ
)
だわ、自殺をしたのも。」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ふむ、豪勢なことを言わあ。平民も平民、
汝
(
きさま
)
の内ゃ
芸妓
(
げいしゃ
)
屋じゃあないか。芸妓も乞食も
同一
(
おんなじ
)
だい。だから乞食の蒲団になんか坐るんだ。」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おいら何もこれを盗って、儲けようというんじゃあなし、ただ遊んで
楽
(
たのし
)
むんだあな。犬猫を殺すのも狩をするのも
同一
(
おんなじ
)
こッた。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また全く
左様
(
そう
)
でしやう、
袖
(
そで
)
に赤十字の着いたものを、戦闘員と
同一
(
おんなじ
)
取扱をしやうとは、自分はじめ、恐らく
貴下方
(
あなたがた
)
にしても
思懸
(
おもいがけ
)
はしないでせう。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
厭
(
いや
)
な事でござります。黒門へ着かしって、産所へ据えよう、としますとの、それ、出養生の嬢様の、お産の床と
同一
(
おんなじ
)
じゃ。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
勿論、白状はしなかったさ。白状はしなかったに違無いが、自分で、知ってれば謂おうというのが、既に我が
同胞
(
どうぼう
)
の心でない、敵に内通も
同一
(
おんなじ
)
だ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また全くそうでしょう、袖に赤十字の着いたものを、戦闘員と
同一
(
おんなじ
)
取扱をしようとは、自分はじめ、恐らく
貴下方
(
あなたがた
)
にしても
思懸
(
おもいがけ
)
はしないでしょう。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「いいえ、
貴下
(
あなた
)
、この花を
引張
(
ひっぱ
)
るのは、私を口説くのと
同一
(
おんなじ
)
訳よ。主があるんですもの。さあ、引張って御覧なさい。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
白状はしなかつたに
違
(
ちがい
)
ないが、自分で、知つてればいはうといふのが、既に我が
同胞
(
どうぼう
)
の心でない、敵に内通も
同一
(
おんなじ
)
だ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
何
(
なん
)
のお
前様
(
まへさま
)
、
見
(
み
)
たばかりぢや、
訳
(
わけ
)
はござりませぬ、
水
(
みづ
)
になつたのは
向
(
むか
)
ふの
那
(
あ
)
の
藪
(
やぶ
)
までゞ、
後
(
あと
)
は
矢張
(
やツぱり
)
これと
同一
(
おんなじ
)
道筋
(
みちすぢ
)
で
山
(
やま
)
までは
荷車
(
にぐるま
)
が
並
(
なら
)
んで
通
(
とほ
)
るでがす。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
支那
(
チャン
)
の
探偵
(
いぬ
)
になるやうな奴は
大和魂
(
やまとだましい
)
を知らねえ奴だ、大和魂を知らねえ奴あ日本人のなかまじやあねえぞ、日本人のなかまでなけりや
支那人
(
チャン
)
も
同一
(
おんなじ
)
だ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どの道、妙に惚れてる奴だから、その真実愛しているものの云うことは、娘に取っては、
神仏
(
かみほとけ
)
の
御託宣
(
おつげ
)
と
同一
(
おんなじ
)
です。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ちょいと、
溢
(
こぼ
)
したの。やっぱり
悪戯
(
いたずら
)
な小僧さん? 犬にばっかり
弄
(
からか
)
っているんでしょう、私ン
許
(
とこ
)
のも
同一
(
おんなじ
)
よ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(いいえ、もう御覧の通り、土間も
同一
(
おんなじ
)
でございますもの、そんな事なぞ、ちっともお
厭
(
いと
)
いには及びませんの。)
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三味線の
間
(
あい
)
も
同一
(
おんなじ
)
だ。どうです、意気なお方に釣合わぬ……ン、と一ツ
刎
(
は
)
ねないと、野暮な矢の字が、とうふにかすがい、
糠
(
ぬか
)
に釘でぐしゃりとならあね。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ト来た日にゃ夢もまた
同一
(
おんなじ
)
だろう。目が覚めるから、夢だけれど、いつまでも覚めなけりゃ、夢じゃあるまい。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先生
御串戯
(
ごじょうだん
)
を、勿論あれです、お夏さんは華族てえと
大嫌
(
だいきらい
)
です。
私
(
わっし
)
が心も
同一
(
おんなじ
)
だ、癬は汚えに違いません、ですが、それがどうということはありませんよ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
若衆は、一支えもせず、腰を抜いたが、手を
支
(
つ
)
く間もない、
仰向
(
あおの
)
けに
引
(
ひっ
)
くりかえる。独りでに手足が動く、ばたばたはじまる。はッあァ、鼬の形と
同一
(
おんなじ
)
じゃ。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分がこの人を介抱しようとするのは、眠った花を、さあ、咲け、と人間の
呼吸
(
いき
)
を吹掛けるも
同一
(
おんなじ
)
だと。……
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
大苦
(
おおくるし
)
みなわけでござりまして、貴女方と
同一
(
おんなじ
)
と申すと口幅ったい、その数でもござりませんが、……稲葉家さんに、お世話になっておりますので、はい。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも今時分、よしんば落して行った処にしろ、お前何だ、拾って店へ並べておきゃ札をつけて軒下へぶら下げておくと
同一
(
おんなじ
)
で、たちまち
鳶
(
とんび
)
トーローローだい。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なんでも思い込んだらどうしても忘れることのできない
質
(
たち
)
で、やっぱりおまえと
同一
(
おんなじ
)
ように、自殺でもしたいというふうだ。ここでおもしろいて、はははははは
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも降続きました
五月雨
(
さみだれ
)
のことで、
攫
(
さら
)
われて参りましたと
同一
(
おんなじ
)
夜だと申しますが、
皺枯
(
しわが
)
れた声をして
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
天人に雲の上から投落されたも、お前ん、勿体ないだが、乙姫様に海の底から突出されたも
同一
(
おんなじ
)
ですだ。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
月こそ違うが、日は
同一
(
おんなじ
)
、ちょうど昨日の話で今日、
更
(
あらた
)
めてその甥御様に送る間にあった、ということで、
研賃
(
とぎちん
)
には多かろうが、一杯飲んでくれと、こういうのじゃ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お米は舌を食い切っても爺の膝を抱くのは、
厭
(
いや
)
と
冠
(
かぶり
)
をふり廻すと申すこと。それは私も
同一
(
おんなじ
)
だけれども、罪のないものが何を
恐
(
こわ
)
がって、煩うということがあるものか。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
理窟を言えば
同一
(
おんなじ
)
で、垣根にあるだけの雪ならば、無理に推せば
開
(
あ
)
くけれど、ずッとむこうの畠から一面に降りつづいて、その力が
同一
(
ひとつ
)
になって、表からおすのだもの。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「熱はお前さんを見て帰ったって
同一
(
おんなじ
)
だ、何暗いたッて
日中
(
ひなか
)
よ、構やしない。きっとそこらにうろついているに違いない、ちょっと僕は。おい、姉さん帰りに寄ろう。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
家へ顔を出しますのはやっぱり
破風
(
はふ
)
から毎年その月のその日の夜中、ちょうど
入梅
(
つゆ
)
の
真中
(
まんなか
)
だと申します、入梅から勘定して隠居が来たあとをちょうど
同一
(
おんなじ
)
ように指を折ると
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
牡丹の花の影を、きれいな水から、すっと出て、斑蝥の前へ
行
(
ゆ
)
くと思うと、約束通り、
前途
(
むこう
)
へ
退
(
さが
)
った。人間に対すると、その挙動は
同一
(
おんなじ
)
らしい。……白鷺が再び、すっと進む。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女
(
あま
)
の
心中立
(
しんじゅうだて
)
を物珍らしそうに、世の中にゃあ出ねえの、おいらこれッきりだのと、だらしのねえ、もう、
情婦
(
いろ
)
を拵えるのと、坊主になるのとは
同一
(
おんなじ
)
ものじゃあございませんぜ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これが
風説
(
うわさ
)
の心中
仕損
(
しそこない
)
。言訳をして、世間が信ずるくらいなら、黙っていても
自然
(
おのず
)
から明りは立つ。面と向って
汝
(
きさま
)
が、と云うものがないのは、君が何にも言わないと
同一
(
おんなじ
)
なんだ。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やはり
同一
(
おんなじ
)
ような
平
(
たいら
)
な土で、客人のござる丘と、向うの丘との中に
箕
(
み
)
の形になった場所。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ねえ、親方、どうですお婆さん、寸分違わねえ、
同一
(
おんなじ
)
こッたい、こいつあ面白えや。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
以来心に
懸
(
かか
)
って、蝶吉を
落籍
(
ひか
)
そうと思うたびに、さることはあらじと知りながら、幼い時からの感情で、羽織の
同一
(
おんなじ
)
のが兆をなして、恐らく、我が手に彼を救うてこれを掌中の玉とせんか
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浪の
畝
(
うね
)
ると
同一
(
おんなじ
)
に声が浮いたり沈んだり、遠くなったりな、近くなったり。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
娘は
幸福
(
しあわせ
)
ではないのですか。火も水も、火は虹となり、水は滝となって、彼の生命を飾ったのです。
抜身
(
ぬきみ
)
の槍の刑罰が馬の左右に、その
誉
(
ほまれ
)
を輝かすと
同一
(
おんなじ
)
に。——博士いかがですか、僧都。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
奴
(
やっこ
)
は絵に在る支那兵の、腰を抜いたと
同一
(
おんなじ
)
形で、肩のあたりで両手を開いて、
一縮
(
ひとすく
)
みになった仕事着の
裾
(
すそ
)
に曰くあり。
戸外
(
おもて
)
から愛吉が、足の
𧿹指
(
おやゆび
)
の股へ挟んで、ぐッとそっちへ引くのであった。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と入ったまま長火鉢に軽く膝を
支
(
つ
)
いて、向うへ廻った女房に話しかけたが、この時門口を見返ると、火の玉はまだ入らず、一件の繻子張を
引提
(
ひっさ
)
げながら、横町の土六尺、
同一
(
おんなじ
)
処をのそりのそり。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もともと人間がそういうことを
拵
(
こしら
)
えたのなら、誰だって
同一
(
おんなじ
)
人間だもの、何
密夫
(
まおとこ
)
をしても可い、
駈落
(
かけおち
)
をしても可いと、言出した処で、それが通って、世間がみんなそうなれば、かえって貞女だの
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そうだろう、人情は誰も
同一
(
おんなじ
)
だから言うことも違わないんだよ。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
このあたりこそ
気勢
(
けはい
)
もせぬが、広場一ツ越して川端へ出れば、船の
行交
(
ゆきか
)
い、人通り、
烟突
(
えんとつ
)
の煙、木場の景色、遠くは永代、新大橋、隅田川の模様なども、
同一
(
おんなじ
)
時刻の同一頃が、
親仁
(
おやじ
)
の胸に描かれた。
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
念
(
おもい
)
が段々
嵩
(
こう
)
じて、朝から晩まで、寝てからも
同一
(
おんなじ
)
ことを考えてて、どうしてもその
了簡
(
りょうけん
)
がなおらないで、後暗いことはないけれど、
何
(
なん
)
に着け、
彼
(
か
)
に着け、ちょっとの間もその
念
(
おもい
)
が離れやしない。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
“同一”で始まる語句
同一年
同一系統
同一人
同一側
同一処
同一刻
同一所
同一棟
同一状
同一組