トップ
>
諏訪
>
すわ
ふりがな文庫
“
諏訪
(
すわ
)” の例文
「——たッた一つある手がかりは、その
児
(
こ
)
の
背
(
せ
)
なかに、お
諏訪
(
すわ
)
さまの
禁厭
(
まじない
)
というてすえた、大きな虫の
灸
(
きゅう
)
のあとがあることだけです」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
早朝から道楽の紙屑拾いに出て行った藤吉部屋の二の乾児の
葬式
(
とむらい
)
彦兵衛が、愛用の竹籠を背に
諏訪
(
すわ
)
因幡守様の屋敷前を馬場へかかると
釘抜藤吉捕物覚書:09 怨霊首人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私の知るかぎりでは
諏訪
(
すわ
)
にも松本にも、また静岡にもそれぞれの記録があるが、
上越後
(
かみえちご
)
では高田を中心としたものが有力であった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
三郎らに次いでは、村社
諏訪
(
すわ
)
分社の
禰宜
(
ねぎ
)
松下千里の子息にあたる千春が荒町から通って来る。和助と同年の千春もすでに十五歳だ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
美しい
俳優
(
わざおぎ
)
は、そうした行人の、無遠慮な
囁
(
ささや
)
きを、迷惑そうに、いつか、
諏訪
(
すわ
)
町も通り抜けて、ふと、右手の鳥居を眺めると
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
連句でもたとえば、「入りごみに
諏訪
(
すわ
)
の
涌湯
(
わきゆ
)
の夕まぐれ」「中にもせいの高い山ぶし」は全くこの手法によったものである。
映画芸術
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「なるべくならば神尾主膳と名乗りたくない、尋ねたならば、
諏訪
(
すわ
)
の家中で江戸へ下るとでも申しておいたがよろしかろう」
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
金眸が
髭
(
ひげ
)
の
塵
(
ちり
)
をはらひ、
阿諛
(
あゆ
)
を
逞
(
たく
)
ましうして、その威を仮り、
数多
(
あまた
)
の
獣類
(
けもの
)
を害せしこと、その罪
諏訪
(
すわ
)
の湖よりも深く、また
那須野
(
なすの
)
が
原
(
はら
)
よりも
大
(
おおい
)
なり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
右手に半ば
諏訪
(
すわ
)
山にかくれて
兀鷹
(
はげたか
)
の頭のように見えるまっ黒な丘をさしてこうつぶやくと、うつむきながらそこへ寄ってきた
野良犬
(
のらいぬ
)
の背をなでていた。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
(おお、
諏訪
(
すわ
)
の湖の
辺
(
あたり
)
まで馬市へ出しやすのじゃ、これから
明朝
(
あした
)
お坊様が
歩行
(
ある
)
かっしゃる山路を越えて行きやす。)
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私には
諏訪
(
すわ
)
稲荷が乗り移りおれば、私がいうとおりを守るときは、いかなる望みといえどもかなわざることなし。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
首と衣を手に入れた山賊は、暫くその
二品
(
ふたしな
)
を
資手
(
もとで
)
に、木曾街道の旅人を
劫
(
おど
)
していたが、間もなく
諏訪
(
すわ
)
の近くへ
往
(
い
)
って首の由来を聞いた。山賊は青くなった。
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それを追つて信濃の國の
諏訪
(
すわ
)
の
湖
(
みずうみ
)
に追い攻めて、殺そうとなさつた時に、タケミナカタの神の申されますには
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
あの
穴八幡
(
あなはちまん
)
の坂をのぼってずっと行くと、
源兵衛村
(
げんべえむら
)
のほうへ通う
分岐道
(
わかれみち
)
があるだろう。あすこをもっと行くと
諏訪
(
すわ
)
の森の近くに
越後様
(
えちごさま
)
という殿様のお
邸
(
やしき
)
があった。
僕の昔
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
伯次さんは
諏訪
(
すわ
)
様の裏の寮に、昼過ぎまでおりましたが、こんな時は雑魚を相手の方が宜いとか何んとか浮世離れのしたことを言って、
瓢箪
(
ひょうたん
)
をブラさげて、釣竿を
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「……
三菱
(
みつびし
)
ドックにお
諏訪
(
すわ
)
の月見、花はカルルス桜に菊人形、夜は丸山、寺もないのに大徳寺……」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
遍路をそこに呼止め、いろいろ話していると、この年老いた遍路は
信濃
(
しなの
)
の国
諏訪
(
すわ
)
郡のものであった。T君はあの辺の地理に
精
(
くわ
)
しいので、
直
(
す
)
ぐ遍路の村を知ることが出来た。
遍路
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
諏訪
(
すわ
)
の台の雪見寺、道灌山の月と虫、六あみだ四番の興楽寺、また尾久から荒川堤への枯野など、四季それぞれの眺めに富むため、市中から遊山に来る人が絶えなかった。
野分
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
歳
(
とし
)
の
初
(
はじめ
)
の
発会式
(
ほっかいしき
)
も、他家に
較
(
くら
)
ぶれば華やかであった。しほの母は
素
(
もと
)
京都
諏訪
(
すわ
)
神社の
禰宜
(
ねぎ
)
飯田氏の
女
(
じょ
)
で、
典薬頭
(
てんやくのかみ
)
某の家に仕えているうちに、その嗣子と
私
(
わたくし
)
してしほを生んだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
眼の下
遥
(
はる
)
かの下界に当たって、
碧々
(
あおあお
)
と
湛
(
たた
)
えられた大湖水、すなわち
諏訪
(
すわ
)
の湖水であって、
彼方
(
かなた
)
の岸に壁白く石垣高く
聳
(
そび
)
えているのは三万石は諏訪
因幡守
(
いなばのかみ
)
の高島城の天主である。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
先ず
香取
(
かとり
)
鹿島
(
かしま
)
及び
息栖
(
いきす
)
の三社、それに
流山
(
ながれやま
)
在の
諏訪
(
すわ
)
の宮、常陸は阿波村の大杉明神、
立木村
(
たつきむら
)
の
蛟𧍑
(
みずち
)
神社、それ等の神々に詣で、身も心も二つながら清めて、霊剣一通り振り納め
死剣と生縄
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
諏訪
(
すわ
)
神社の
祭礼
(
まつり
)
ももう直ぐだなと云うと、住職の全達が笑いながら、諏訪の祭りが見たければ直ぐ出て行け、十月までには間に合うだろうと云って、みんなが大きい声で笑っていました
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
レコードが鳴っている。私は
田端
(
たばた
)
の自笑軒の前を通って、石材屋の前のおどけた
狸
(
たぬき
)
のおきものを眺めたり、お
諏訪
(
すわ
)
様の横のレンガ坂を
当
(
あて
)
もなく登ってみたりした。小学生が沢山降りて来る。
貸家探し
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
嫡子
清水冠者
(
しみずのかんじゃ
)
義重という当年十一歳の息子に、
海野
(
うみの
)
、
望月
(
もちづき
)
、
諏訪
(
すわ
)
などといった一騎当千の侍達を付けて、人質にさし出したので、頼朝も始めて義仲の本意を覚り、まだ子のないところから
現代語訳 平家物語:07 第七巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
転じて山の手方面では
谷中
(
やなか
)
の
諏訪
(
すわ
)
の台、諏訪明神社前の崖上、ここにも掛茶屋があって、入谷、
日暮里
(
にっぽり
)
の
田圃
(
たんぼ
)
越しに遠く隅田川、紫がかった筑波の姿まで眼界
広濶
(
こうかつ
)
、一碗の渋茶も嬉しい味
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
よしや此恋
諏訪
(
すわ
)
の
湖
(
うみ
)
の氷より堅くとも春風のぼや/\と説きやわらげ、凝りたる
思
(
おもい
)
を水に流さし、後々の故障なき様にせではと田原は
笑顔
(
えがお
)
あやしく作り
上唇
(
うわくちびる
)
屡
(
しば
)
甞
(
なめ
)
ながら、それは一々至極の御道理
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
貴方
(
あなた
)
がいやなら
諏訪
(
すわ
)
あたりで待っててもいいわ。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「山梨県東山梨郡
諏訪
(
すわ
)
村です」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
入込
(
いりこみ
)
に
諏訪
(
すわ
)
の
涌湯
(
いでゆ
)
の
夕
(
ゆう
)
ま
暮
(
ぐれ
)
水
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
名月や兎のわたる
諏訪
(
すわ
)
の湖
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
諏訪
(
すわ
)
の
湖
(
うみ
)
には魚多し
県歌 信濃の国
(新字新仮名)
/
浅井洌
(著)
天明四年の正月は信州の
諏訪
(
すわ
)
近くで迎えたらしい。「諏訪の海」という一巻の紀行があったというが、これはまだどこからも出てこない。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
たとえば、甲州打入りの際、
諏訪
(
すわ
)
の陣所で、主人光秀に飲めない酒をむりに
強
(
し
)
いて、酒興のうえとはいえ、廻廊の板敷へ
面
(
おもて
)
を
捻
(
ね
)
じ伏せて
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さらに勅使
左衛門督
(
さえもんのかみ
)
大原
重徳
(
しげのり
)
を奉じて東下して来たほどの薩摩人の活躍を想像しながら、その年の六月中旬には
諏訪
(
すわ
)
にはいった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
信州
諏訪
(
すわ
)
の温泉、孫次郎の宿についた晩、お雪は久助と外のお湯へ行き、竜之助は、ひとり
剃刀
(
かみそり
)
で
面
(
おもて
)
を撫でておりますと
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ひとりそのむれを離れた
諏訪
(
すわ
)
栄三郎、腰の
武蔵太郎安国
(
むさしたろうやすくに
)
に大反りを打たせて、星屑をうかべた池のほとりにたった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
私には
諏訪
(
すわ
)
稲荷が乗り移りおれば、私がいうとおりを守るときは、いかなる望みといえどもかなわざることなし。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
諏訪
(
すわ
)
神社の縁日に虎の見世物が出て、非常な人気を博したことはついその十日ほど前のことであった。孫四郎の絵ではその虎の
檻
(
おり
)
が街頭に引き出されている。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
怪量は首を袖へつけたままで山をおり、それから信州の
諏訪
(
すわ
)
へ出て平気で村から村を托鉢してまわった。
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
友達は
甲州線
(
こうしゅうせん
)
で
諏訪
(
すわ
)
まで行って、それから引返して
木曾
(
きそ
)
を通った
後
(
あと
)
、大阪へ出る計画であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「……お前がこの世に産まれた時——もう十四年の昔になる——お前のお父様とお母様とはこのお城からお出ましになり
諏訪
(
すわ
)
の湖水の波を分け
行衛
(
ゆくえ
)
知れずにおなりなされたのだよ」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
いずれ夕方は
白鬚
(
しらひげ
)
あたりに着けて、
諏訪
(
すわ
)
明神様裏の寮で一と騒ぎするでしょうが、その日だけは、主人の平左衛門が、小僧の伊佐松とたった二人で駒形の店に留守番をするんだそうで
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
あくる朝、はやく宿を出立したかれは、道を東にとって、
諏訪
(
すわ
)
郷から海へと出た。
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
奥州会津
諏訪
(
すわ
)
の宮に朱の盤という恐しき化物ありける。
或暮
(
あるひぐれ
)
年の頃廿五六なる若侍一
人
(
にん
)
、諏訪の前を通りけるに常々化物あるよし聞及び、心すごく思いけるおり、又廿五六なる若侍
来
(
きた
)
る。
遠野の奇聞
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引き返してお
諏訪
(
すわ
)
さんへ向う途中
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
秤を腰に差して麻袋を
負
(
しょ
)
ったような人達は、
諏訪
(
すわ
)
、松本あたりからこの町へ入込んで来る。
旅舎
(
やどや
)
は一時
繭買
(
まゆかい
)
の群で満たされる。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
上州の
桐生
(
きりゅう
)
附近ではオキャクサンヤッコ、信州
諏訪
(
すわ
)
地方でオキャクボッコ、またはオキャナンコというのが東京などの御客遊びに該当する。
こども風土記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
軍団は、三縦隊にわかれ、
諏訪
(
すわ
)
ヶ
原
(
はら
)
、
平子山
(
ひらこやま
)
のふもと、
印場
(
いんば
)
とすすんで、矢田川をこえ、さらに、
香流川
(
かなれがわ
)
を渡って、
長久手
(
ながくて
)
の原へかかった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「明日は
諏訪
(
すわ
)
が勝ち抜いて、この乾雲丸をさすにきまっておる。ついでだが、そち、栄三郎をどう思う?」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
信州
諏訪
(
すわ
)
神社の境内には杉の古木が茂っておる。そのうち、最も古き大木が神木として
崇
(
あが
)
めてある。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
諏
漢検準1級
部首:⾔
15画
訪
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“諏訪”で始まる語句
諏訪湖
諏訪町
諏訪法性
諏訪明神
諏訪神社
諏訪社
諏訪右門
諏訪越中
諏訪飛騨守
諏訪様