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細
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ほつそ
ふりがな文庫
“
細
(
ほつそ
)” の例文
雨夜
(
あまよ
)
の
橘
(
たちばな
)
の
其
(
それ
)
には
似
(
に
)
ないが、
弱
(
よわ
)
い、
細
(
ほつそ
)
りした、
花
(
はな
)
か、
空燻
(
そらだき
)
か、
何
(
なに
)
やら
薫
(
かをり
)
が、たよりなげに
屋根
(
やね
)
に
漾
(
たゞよ
)
うて、
何
(
ど
)
うやら
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
は
女性
(
によしやう
)
らしい。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女の指先の紅らみの中に浮き出てゐた
細
(
ほつそ
)
りとした
指半月
(
つめのね
)
、豊な彼女の唇を縁づける
擽
(
くすぐ
)
るやうな繊細な彎曲、房々と垂れた彼女の髪の
微
(
かすか
)
な動揺と光沢
静物
(新字旧仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
デント大佐夫人はそれほど
華美
(
はで
)
ではなかつたが、ずつと貴婦人らしいと私は思つた。彼女は
細
(
ほつそ
)
りした身體つきと、蒼白い、温和な顏と、美しい髮とを持つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
麦酒
(
ビエエル
)
を飲んで居ると約束の午後四時に
其
(
その
)
お嬢さんが遣つて来た。
併
(
しか
)
し
今日
(
けふ
)
は
俄
(
にはか
)
に
差支
(
さしつかへ
)
が起つて
行
(
ゆ
)
かれない、只
其
(
その
)
断りに来たのだと言ふ。目附の
憂鬱
(
メランコリツク
)
な、首筋の
細
(
ほつそ
)
りとした、小柄な女である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「なかなかえゝ
女
(
をなご
)
だつせ。
細
(
ほつそ
)
りした姿で、あれが柳腰いひまんねやろ。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
▼ もっと見る
……
婦
(
をんな
)
は、
薄色縮緬
(
うすいろちりめん
)
の
紋着
(
もんつき
)
の
單羽織
(
ひとへばおり
)
を、
細
(
ほつそ
)
り、
痩
(
やせ
)
ぎすな
撫肩
(
なでがた
)
にすらりと
着
(
き
)
た、
肱
(
ひぢ
)
に
掛
(
か
)
けて、
濃
(
こ
)
い
桔梗色
(
ききやういろ
)
の
風呂敷包
(
ふろしきづつみ
)
を
一
(
ひと
)
ツ
持
(
も
)
つた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
メァリーは彼女の
丈
(
せい
)
の割合には
細
(
ほつそ
)
りし過ぎてゐたが、ブランシュはまるでディアナ(月の女神)のやうに出來てゐた。勿論、私は、特別の興味を以て彼女を觀察した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
お
母
(
つか
)
さんと娘とで踊つてる組もある。一人
紫紺
(
しこん
)
の
薄手
(
うすで
)
な
盛衣
(
ロオヴ
)
を着て白い
胸飾
(
むねかざり
)
をした、
細
(
ほつそ
)
りと
瀟洒
(
せうしや
)
なひどく姿の
好
(
い
)
い女が
折折
(
をりをり
)
踊場
(
をどりば
)
に出ては相手を求めずに単独で踊の
群
(
むれ
)
を縫ひながら縦横に
駈
(
か
)
け廻る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
空
(
そら
)
に一
輪
(
りん
)
、
蕾
(
つぼみ
)
を
添
(
そ
)
へて、
咲
(
さ
)
いたやうに、
其
(
そ
)
の
常夏
(
とこなつ
)
の
花
(
はな
)
を
手
(
て
)
にした、
細
(
ほつそ
)
りと
白
(
しろ
)
い
手
(
て
)
と、
桜
(
さくら
)
ぢらしの
紫紺
(
しこん
)
のコート。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分は劇場や
画
(
ゑ
)
の展覧会の中、森を散歩する自動車や馬車の上に、睡蓮の精とも云ひたい様な、
細
(
ほつそ
)
りとした
肉附
(
にくづき
)
の豊かな、肌に光があつて、物ごしの
生生
(
いきいき
)
とした、気韻の高い美人を
沢山
(
たくさん
)
見る度に
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
黒繻子
(
くろじゆす
)
の
襟
(
えり
)
のかゝつた
縞
(
しま
)
の
小袖
(
こそで
)
に、
些
(
ちつ
)
とすき
切
(
ぎ
)
れのあるばかり、
空色
(
そらいろ
)
の
絹
(
きぬ
)
のおなじ
襟
(
えり
)
のかゝつた
筒袖
(
こひぐち
)
を、
帶
(
おび
)
も
見
(
み
)
えないくらゐ
引合
(
ひきあは
)
せて、
細
(
ほつそ
)
りと
着
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
ました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
お
婿
(
むこ
)
さんが
葡萄酒
(
ぶだうしゆ
)
をお
計
(
はか
)
んなさる
間
(
あひだ
)
に、
細
(
ほつそ
)
りした
手
(
て
)
を、
恁
(
か
)
うね、
頬
(
ほゝ
)
へつけて、うつくしい
目
(
め
)
で
撓
(
た
)
めて
爪
(
つめ
)
を
見
(
み
)
なすつたんでせう、のびてるか
何
(
ど
)
うだかつて——
凝
(
じつ
)
と
御覧
(
ごらん
)
なすつたんですがね
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
少
(
すこ
)
しお
歩行
(
ある
)
きなさい、
白鷺
(
しらさぎ
)
は、
白金
(
しろかね
)
(
本家
(
ほんけ
)
、
芝
(
しば
)
)の
庭
(
には
)
へも
來
(
き
)
ますよ。」つい
小岩
(
こいは
)
から
市川
(
いちかは
)
の
間
(
あひだ
)
、
左
(
ひだり
)
の
水田
(
すゐでん
)
に、すら/\と
三羽
(
さんば
)
、
白
(
しろ
)
い
褄
(
つま
)
を
取
(
と
)
つて、
雪
(
ゆき
)
のうなじを
細
(
ほつそ
)
りとたゝずんで
居
(
ゐ
)
たではないか。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
隱
(
かく
)
れましたが、
細
(
ほつそ
)
りした
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
の
透
(
す
)
いた
下
(
した
)
に、ちらりと
結
(
むす
)
び
目
(
め
)
が
見
(
み
)
えました……
扱帶
(
しごき
)
の
端
(
はし
)
ではござりません……
確
(
たし
)
かに
帶
(
おび
)
でござりますね、
月
(
つき
)
も
最
(
も
)
う
餘程
(
よほど
)
らしうござります……
成程
(
なるほど
)
人目
(
ひとめ
)
に
立
(
た
)
ちませう。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
“細”を含む語句
仔細
細君
詳細
繊細
細々
心細
細流
委細
細作
細部
細螺
目細
細語
細工
細面
巨細
細目
細胞
細腰
細竹
...