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愛想
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あいそう
ふりがな文庫
“
愛想
(
あいそう
)” の例文
坂を下り切つて、油屋の前から右へ
曲
(
まが
)
つたところで、小學校でちよつと教はつたことのある山下といふ
愛想
(
あいそう
)
のよい先生にゆきあつた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
『まあ、
御
(
ご
)
ゆつくりなさいまし。表はお寒うございますから。』と、女房は
愛想
(
あいそう
)
よく云つて、わたしの火鉢に炭を継いでくれたりした。
赤い杭
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ただ無言のうちに
愛想
(
あいそう
)
を尽かした。そうして親身の兄や姉に対して愛想を尽かす事が、彼らに取って一番
非道
(
ひど
)
い刑罰に違なかろうと判断した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「美枝子にですか。いや、会いません。こんなあさましい
窶
(
やつ
)
れ
方
(
かた
)
で会えば、
愛想
(
あいそう
)
をつかされるだけのことですからねえ」
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「はは、それでは親方は俺らには
愛想
(
あいそう
)
を尽かしたけれども、お前の方にはまだ見込みがあるんだな。お前またあすこへ行ってみる気があるのかい」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
そうして、つい
鶏
(
にわとり
)
の
愛想
(
あいそう
)
のいいのに
引
(
ひ
)
き
込
(
こ
)
まれて、いっしょに
日
(
ひ
)
の
上
(
のぼ
)
らない
朝
(
あさ
)
の
間
(
あいだ
)
を
楽
(
たの
)
しく
送
(
おく
)
るのでありました。
ものぐさなきつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
縹緻
(
きりょう
)
がよくって
孝行
(
こうこう
)
で、その
上
(
うえ
)
愛想
(
あいそう
)
ならとりなしなら、どなたの
眼
(
め
)
にも
笠森
(
かさもり
)
一、お
腹
(
なか
)
を
痛
(
いた
)
めた
娘
(
むすめ
)
を
賞
(
ほ
)
める
訳
(
わけ
)
じゃないが、あたしゃどんなに
鼻
(
はな
)
が
高
(
たか
)
いか。……
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
という
愛想
(
あいそう
)
もコソもない返事だ。ナアニ、分析中でも何でもない。放ったらかしていたらしいんだ。「馬鹿にしてやがる。
虎列剌
(
コレラ
)
でも何でもないものを……」
無系統虎列剌
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そこでも
彼
(
かれ
)
は
宿
(
やど
)
から
出
(
で
)
ずに、
終日
(
しゅうじつ
)
相変
(
あいかわ
)
らず
長椅子
(
ながいす
)
の
上
(
うえ
)
に
転
(
ころ
)
がり、
相変
(
あいかわ
)
らず
友
(
とも
)
の
挙動
(
きょどう
)
に
愛想
(
あいそう
)
を
尽
(
つ
)
かしている。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
此家の
主人
(
あるじ
)
は彼小笠原に剣を
抛
(
なげう
)
つ可く
熱心
(
ねっしん
)
勧告
(
かんこく
)
したが、一年後の今日、彼は陸軍部内の
依怙
(
えこ
)
情実に
愛想
(
あいそう
)
をつかし
疳癪
(
かんしゃく
)
を起して休職願を出し、北海道から出て来たので
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
愛想
(
あいそう
)
のないことをするのはしかたがないがね、物思いをさせられたり、
嫉妬
(
しっと
)
を覚えさせられたりすることもなく、よく双方で
口喧嘩
(
くちげんか
)
はしても、しかたのないと思うことは
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
仕様が
無
(
ね
)
えな、己が悪かった、堪忍してくれ、そんなら是迄お
前
(
めえ
)
と一緒になってはいたが、おれに
愛想
(
あいそう
)
が尽きたなら此の
宅
(
うち
)
はすっかりとお前にやってしまわア、と云うと
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
裾
(
すそ
)
曳摺
(
ひきず
)
りて
奥様
(
おくさま
)
といへど、女は
竟
(
つい
)
に女
也
(
なり
)
当世
(
たうせい
)
の
臍繰
(
へそくり
)
要訣
(
えうけつ
)
に
曰
(
いわ
)
く出るに
酒入
(
さけい
)
つても
酒
(
さけ
)
、つく/\
良人
(
やど
)
が
酒浸
(
さけびた
)
して
愛想
(
あいそう
)
の
尽
(
つ
)
きる事もございますれど、
其代
(
そのかは
)
りの一
徳
(
とく
)
には
月々
(
つき/\
)
の
遣払
(
つかひはら
)
ひに
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
その
日
(
ひ
)
も
暮
(
くれ
)
れ
近
(
ちか
)
く
旦那
(
だんな
)
つりより
惠比須
(
ゑびす
)
がほして
歸
(
かへ
)
らるれば、
御新造
(
ごしんぞ
)
も
續
(
つゞ
)
いて、
安産
(
あんざん
)
の
喜
(
よろこ
)
びに
送
(
おく
)
りの
車夫
(
もの
)
にまで
愛想
(
あいそう
)
よく、
今宵
(
こよひ
)
を
仕舞
(
しま
)
へば
又
(
また
)
見舞
(
みま
)
ひまする、
明日
(
あす
)
は
早
(
はや
)
くに
妹共
(
いもとゞも
)
の
誰
(
た
)
れなりとも
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そのうちのひとりに、ちょっと話したい用があるというと、それは
伊之吉
(
いのきち
)
という大番頭であった。伊之吉は一空さまをじろじろ見たのち、急に
愛想
(
あいそう
)
よく招じ上げて、店の裏の小座敷へ案内して行った。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
とホームズは彼独特の気安い
愛想
(
あいそう
)
のよい調子で云った。
黄色な顔
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
そして今別れた
愛想
(
あいそう
)
のよい山下先生が、金太郎の入學を
喜
(
よろこ
)
んでくれた時、この町で一番
偉
(
えら
)
くなつてゐるのは××大學の教
授
(
じゆ
)
をしてゐられる林信助さん
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
とにかく、みんなは、たがいに
欲深
(
よくぶか
)
であったり、
嫉妬
(
しっと
)
しあったり、
争
(
あらそ
)
い
合
(
あ
)
ったりする
生活
(
せいかつ
)
に
愛想
(
あいそう
)
をつかしました。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
初めのうちは、刑務所ほど平和な、そして気楽な
棲家
(
すみか
)
はないと思って
悦
(
よろこ
)
んでいた。しかし何から何まで単調な所内の生活に、
遂
(
つい
)
に
愛想
(
あいそう
)
をつかしてしまった。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
孝「いえ、それと申しまするのも親父の
不身持
(
ふみもち
)
に
愛想
(
あいそう
)
を尽かしての事でございます」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
渋茶
(
しぶちゃ
)
の
味
(
あじ
)
はどうであろうと、おせんが
愛想
(
あいそう
)
の
靨
(
えくぼ
)
を
拝
(
おが
)
んで、
桜貝
(
さくらがい
)
をちりばめたような
白魚
(
しらうお
)
の
手
(
て
)
から、お
茶
(
ちゃ
)
一
服
(
ぷく
)
を
差
(
さ
)
し
出
(
だ
)
されれば、ぞっと
色気
(
いろけ
)
が
身
(
み
)
にしみて、
帰
(
かえ
)
りの
茶代
(
ちゃだい
)
は
倍
(
ばい
)
になろうという。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
お
愛想
(
あいそう
)
を言って、つと七兵衛を通り抜いてしまう。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
腰
(
こし
)
が
低
(
ひく
)
くて、
愛想
(
あいそう
)
がよく、ここへ
住
(
す
)
むまでには、いろいろの
経験
(
けいけん
)
を
有
(
ゆう
)
したであろうと
思
(
おも
)
われる
主人
(
しゅじん
)
は、
笑
(
わら
)
って
らんの花
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
斯
(
こ
)
んな貧乏世帯を張ってるから、使いに出す
度
(
たび
)
一緒に附いては往かれませんよ、だが浮気をして
情夫
(
おとこ
)
を連れて逃げるような
娘
(
こ
)
じゃアありません、親に
愛想
(
あいそう
)
が尽きて仕舞ったに違いないんだよ
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それからお
粥
(
かゆ
)
を二膳半食べました、それから今日はナ娘がずっと気分が
癒
(
なお
)
って、お父様こんなに見苦しい
形
(
なり
)
でいては、孝助さまに
愛想
(
あいそう
)
を尽かされるといけませんからというので、化粧をする
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
愛想
(
あいそう
)
がよかったのです。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“愛想”の意味
《名詞》
愛 想(あいそ, あいそう)
かわいいこと。人をもてなすのに情愛があること。
(一般的には「おあいそ」の形で)勘定、支払い。
(出典:Wiktionary)
“愛想”の解説
愛想
(出典:Wikipedia)
愛
常用漢字
小4
部首:⼼
13画
想
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
“愛想”で始まる語句
愛想尽
愛想気
愛想盡
愛想笑
愛想好
愛想氣