かれが自分の卓越について、どの瞬間にも悠然として確信をもっていること——すくなくともこれは、かれの年齢からくる利得だった。
ヴェニスに死す (新字新仮名) / パウル・トーマス・マン(著)
少し遅れて、大歓呼大拍手のうちに、悠然と『ヘルキュレス』が現われて来た。いかにも大きな牛である。機関車ぐらいたしかにある。
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻―― (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
被告はそれをよく理解しかつ答うべきことを知ってるかのように、悠然と頭を振った。彼は口を開き、裁判長の方を向き、そして言った。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ (新字新仮名) / ヴィクトル・ユゴー(著)
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉―― (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
Liber Studiorum (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記― (新字新仮名) / 中島敦(著)
願わくは、心源最も深き所より理性の霊気を開発して、その無限の風光、無限の快楽中に一身を処し、世海の狂風激浪の間に立ち、悠然として閑歳月を楽しまんことを。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ある夕べ、主膳は、このたのもしい旧友の頭を五つばかり揃えて、悠然としてうそぶきました
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と憎々しげにせせら笑って悠然と引き上げ、朝昼晩、牛馬羊の生肉を食って力をつけ、顔は鬼の如く赤く大きく、路傍で遊んでいる子はそれを見て、きゃっと叫んで病気になり
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし (新字新仮名) / 高村光雲(著)
と、越前守忠相、はいって来たお艶へは眼もくれずに、すでに悠然と泰軒へ向きなおって、他意なくほほえんでいる。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ノンシャラン道中記:04 南風吹かば ――モンテ・カルロの巻―― (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉―― (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
そのなまずが、まったく、一メートルほどもある大きさで、おどろいたことには、ぴかぴか光る金のながい髭をうちふり、小さな目を光らし、いばりくさって悠然と泳いでいったのです……。