御亭主ごていしゆ)” の例文
けれども、屋根の上の露台で宴会を開いたり、日本の武士の女房が、御亭主ごていしゆに接吻したりするのは、いかにも西洋人らしくて面白い。
日本の女 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
取ても卅二歳少々ちと婆々ばゝすぎますけれども其代りしうと厄介やくかいも子供もなくうちは其女獨りにて若御内儀おかみさんに成ならば其こそ/\貞女ていぢよ御亭主ごていしゆ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けふもけふとて、ぐでんぐでんに御亭主ごていしゆ醉拂よつぱらへてかへつてると、おかみさんが山狼やまいぬのやうなつらをしててました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「いゝえ、炭問屋すみどんやうにつぶれて、お厩橋うまやばした時わたくし縁付えんづいたのです」「おまへ御亭主ごていしゆは」「ひでらうつて五代目でございます」「早く死んだのかえ」
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
第一貴女あなたが御ゆるいのどすえなー、れつきとした女房で居やはつてなー、そんな何処どこの馬の骨だか牛の骨たやうなあまに、何程なんぼ御亭主ごていしゆ御好おすきぢやふたつて
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
つぼみかたくツてもお天氣てんきとほり、また小田原をだはらには、あつたかいこと日本一につぽんいちだ、なあ御亭主ごていしゆ
城の石垣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へさきの高い五大力の上には鉢巻をした船頭せんどう一人ひとり一丈余りのを押してゐた。それからおかみさんらしい女が一人御亭主ごていしゆに負けずに竿を差してゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おどろいたのは御亭主ごていしゆでした。大變たいへんなことになつたものです。天地てんちが、ひつくりかえつたやうです。そんながそれ以來いらい幾日いくにち幾日いくにちつゞきました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
はー、わたし彼奴あいつが取りにた時びつくりしましたよ、だけれども莨入たばこいれを忘れてつたよ。主「だからよ、不思議ふしぎぢやねえか。客「おい御亭主ごていしゆ。主「おやおかへりなさい。 ...
(和)茗荷 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
……まはりを𢌞まはつてふとつたばうさんは、たしかに、御亭主ごていしゆか、旦那だんなちがひないのでございますよ。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
歩行あるくくらゐなれば四郎右衞門倩々つく/″\かんがふるにかく爲事なすこともなく茂兵衞方に居れどもかれ貧窮ひんきうの身ゆゑ何卒なにとぞ少しにても茂兵衞の資本もとでを助け遣りたくと或時駿河屋三郎兵衞方へ到り御亭主ごていしゆへ御目にかゝたしと云を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其時戦死した仏蘭西の男の兵隊が、——女の兵隊の御亭主ごていしゆ達の幽霊が、霧のやうに殺到さつたうして独逸ドイツの兵隊をひ散らしてしまふ、と云つた筋の話もある。
近頃の幽霊 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
あまりのおどろきに御亭主ごていしゆは、自分じぶん酒慾しゆよくなにもすつかり、どこへかわすれました。そして眞面目まじめはたらきだしました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
ハイ/\これ猪口ちよくかい、大分だいぶ大きな物だね、アヽ工合ぐあひについたね。グーツと一くちむかまんうち旅僧たびそうしぶい顔して、僧「アツ……御亭主ごていしゆついで愚僧ぐそうしばつておれ。 ...
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
なにつてさつしやい御亭主ごていしゆ無事ぶじぢや、いやなかなかわしには口説落くどきおとされなんだ、はゝゝゝはゝ。)と意味いみもないことを大笑たいせうして、親仁おやぢうまやかたへてく/\とつた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
紀念かたみ同樣どうやうと云しも謂れあるすぢなりと思ひしかば忠八は膝を進め御亭主ごていしゆ只今の物語り拙者少し心當こゝろあたり有苦しからずば其印籠を鳥渡ちよつと拜見はいけんは成間敷哉と云に亭主は其は何よりやすき事なりとて下女をよびて其印籠を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
だが一体どう云ふものだらう、自分にも譃をつきたい気のするのは。今度は小鳥屋。どこもかしこも鳥籠だらけだなあ。おや、御亭主ごていしゆも気楽さうに山雀やまがらの籠の中に坐つてゐる!
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
まア富貴楼ふつきらうのおくらさんかね、福分ふくぶんもあり、若い時には弁天べんてんはれたくらゐ別嬪べつぴんであつたとさ、たく横浜よこはま尾上町をのへちやうです、弁天通べんてんどほりと羽衣町はごろもちやうちかいから、それに故人こじん御亭主ごていしゆかめさんとふからさ。
七福神詣 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
御亭主ごていしゆ戸外おもてつきあかりに、のつそりとつて
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
御亭主ごていしゆ/\。亭
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
御亭主ごていしゆや。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)