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弱々
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よわよわ
ふりがな文庫
“
弱々
(
よわよわ
)” の例文
冬
(
ふゆ
)
が
過
(
す
)
ぎて、
春
(
はる
)
になったとき、二
本
(
ほん
)
のばらの
枝
(
えだ
)
には
小
(
ちい
)
さな
弱々
(
よわよわ
)
しい
葉
(
は
)
がでました。そして、それは、
夏
(
なつ
)
になっても
枯
(
か
)
れはしませんでした。
花と少女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
顔を上げた私と、枕に
凭
(
もた
)
れながら、
熟
(
じっ
)
と眺めた母と、顔が合うと、坊や、もう
復
(
なお
)
るよと言って、涙をはらはら、
差俯向
(
さしうつむ
)
いて
弱々
(
よわよわ
)
となったでしょう。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「どこへいくの?」と、その中のひとりが、ほとんど聞きとれないくらいの、
弱々
(
よわよわ
)
しい声でたずねました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
糸を抜かれた
蛾
(
が
)
よりも
婆娑
(
ばさ
)
とした姿に変って、大言壮語も吐かず
弱々
(
よわよわ
)
と佐賀の城下へ
曳
(
ひ
)
かれて行った。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貫一は猛獣などを撃ちたるやうに、彼の身動も
得為
(
えせ
)
ず
弱々
(
よわよわ
)
と
僵
(
たふ
)
れたるを、なほ憎さげに
見遣
(
みや
)
りつつ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
真のフェミニストは質的のものだ。女性から言えば、
弱々
(
よわよわ
)
しくフェミニストたらざるを得ない男性より
昂然
(
こうぜん
)
としていても、女性に理解力ある男性の方が見込みがある。
女性崇拝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
火鉢にはカンカン火がおこっていたし、鉄瓶の湯は
沸々
(
ふつふつ
)
と
沸
(
たぎ
)
っていたのだが、何とはなく、私はこの、僅か二三カ月見なかった友の様子から、一種違った、妙な
弱々
(
よわよわ
)
しさと云ったものを感じた。
自殺を買う話
(新字新仮名)
/
橋本五郎
(著)
しかし
弱々
(
よわよわ
)
しく晴れて
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
いかにもその
少年
(
しょうねん
)
は、
弱々
(
よわよわ
)
しそうであり、さびしそうでもありましたから、「ああ、お
入
(
はい
)
りよ。」と、
正
(
しょう
)
ちゃんがいいました。
友だちどうし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
はじめのうちしばらくは、くちばしをカチカチやっていましたが、それから、しゃがれた
弱々
(
よわよわ
)
しい声で話しだしました。すると、たちまち不平ばかりならべたてます。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
……柱かけの
花活
(
はないけ
)
にしをらしく咲いた
姫百合
(
ひめゆり
)
は、羽の生えた
蛆
(
うじ
)
が来て、こびりつく
毎
(
ごと
)
に、
懈
(
た
)
ゆげにも、あはれ、
花片
(
はなびら
)
ををのゝかして、
毛
(
け
)
一筋
(
ひとすじ
)
動かす
風
(
かぜ
)
もないのに、
弱々
(
よわよわ
)
と
頭
(
かぶり
)
を
掉
(
ふ
)
つた。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
かかる
間
(
ま
)
も彼は
自
(
おのづ
)
と思に沈みて、その動す手も
怠
(
たゆ
)
く、裂きては一々読むかとも目を
凝
(
こら
)
しつつ。やや有りて
裂了
(
さきをは
)
りし後は、あだかも
劇
(
はげし
)
き力作に
労
(
つか
)
れたらんやうに、
弱々
(
よわよわ
)
と身を支へて、長き
頂
(
うなじ
)
を垂れたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
弱々
(
よわよわ
)
と見える
痩身白皙
(
そうしんはくせき
)
の、武者らしからぬ武者振りの一将と。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
子供
(
こども
)
は、これに
対
(
たい
)
して、すげなく
頭
(
あたま
)
をふりました。そして、うつろに
開
(
ひら
)
いた
目
(
め
)
で、
電燈
(
でんとう
)
の
光
(
ひかり
)
が、
薄
(
うす
)
く
弱々
(
よわよわ
)
しく
漂
(
ただよ
)
う、四
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
まわしました。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
というのは、みんながみんな、冬のあいだの
弱々
(
よわよわ
)
しさは
消
(
き
)
えてしまって、からだじゅうに力があふれ、元気いっぱいになったことを、見せたくてたまらなくなったからです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
銃をも、引上げて身に立てかけてよこしたのを、
弱々
(
よわよわ
)
と取つて
提
(
ひっさ
)
げて、胸を抱いて見返ると、
縞
(
しま
)
の膝を
此方
(
こなた
)
にずらして、
紅
(
くれない
)
の
衣
(
きぬ
)
の裏、ほのかに男を見送つて、
分
(
わかれ
)
を
惜
(
おし
)
むやうであつた。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
けれど、すべての
美
(
うつく
)
しい
婦人
(
ふじん
)
は、
弱々
(
よわよわ
)
しかったように、
妃
(
きさき
)
は
首
(
くび
)
のまわりに
懸
(
か
)
けられた、
青
(
あお
)
い
石
(
いし
)
の
首飾
(
くびかざ
)
りの
重
(
おも
)
みを
支
(
ささ
)
えるに
耐
(
た
)
えられないほどでした。
ひすいを愛された妃
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これが
角屋敷
(
かどやしき
)
で、
折曲
(
おれまが
)
ると灰色をした道が
一筋
(
ひとすじ
)
、電柱の
著
(
いちじる
)
しく傾いたのが、
前
(
まえ
)
と
後
(
うしろ
)
へ、別々に
頭
(
かしら
)
を
掉
(
ふ
)
って
奥深
(
おくぶこ
)
う立って居る、
鋼線
(
はりがね
)
が又
半
(
なか
)
だるみをして、廂よりも低い
処
(
ところ
)
を、
弱々
(
よわよわ
)
と、斜めに
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ほかの
少年
(
しょうねん
)
たちが
元気
(
げんき
)
でいるのに、その
少年
(
しょうねん
)
は、
青白
(
あおじろ
)
い
顔
(
かお
)
をして、
弱々
(
よわよわ
)
しそうでした。そのうちに、ベルが
鳴
(
な
)
って、
試験場
(
しけんじょう
)
へ
入
(
はい
)
るときがきました。
中学へ上がった日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
浅黄
(
あさぎ
)
の
角絞
(
つのしぼり
)
の
手絡
(
てがら
)
を
弛
(
ゆる
)
う大きくかけたが、病気であろう、
弱々
(
よわよわ
)
とした
後姿
(
うしろすがた
)
。
三尺角
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
するとそれは、
十
(
とお
)
ばかりの
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
で、しかもその
子供
(
こども
)
は、
弱々
(
よわよわ
)
しく
見
(
み
)
えたうえに、
盲目
(
めくら
)
であったのであります。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
貸
(
か
)
してくれる? ありがとう。」と、
弱々
(
よわよわ
)
しい、
青
(
あお
)
い
顔
(
かお
)
の
少年
(
しょうねん
)
は、
急
(
きゅう
)
に
目
(
め
)
を
輝
(
かがや
)
かして、お
礼
(
れい
)
をいいました。
友だちどうし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「ねえ、おねえちゃん、なにを
考
(
かんが
)
えているの。なにかおもしろいお
話
(
はなし
)
を
聞
(
き
)
かしてくれない。」と、そばにねている
少年
(
しょうねん
)
は
弱々
(
よわよわ
)
しい
声
(
こえ
)
で、
人
(
ひと
)
なつこくいいました。
だまされた娘とちょうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
この
広
(
ひろ
)
い
世界
(
せかい
)
に、
二人
(
ふたり
)
は
両親
(
りょうしん
)
に
残
(
のこ
)
されて、こうしていろいろとつらいめをみなければならなかったが、
中
(
なか
)
にも
弱々
(
よわよわ
)
しい、
盲目
(
めくら
)
の
弟
(
おとうと
)
は、ただ
姉
(
あね
)
を
命
(
いのち
)
とも、
綱
(
つな
)
とも、
頼
(
たよ
)
らなければならなかったのです。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そうね。」と、
弱々
(
よわよわ
)
しそうなみつ
子
(
こ
)
は、
考
(
かんが
)
えていましたが
銀河の下の町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
弱
常用漢字
小2
部首:⼸
10画
々
3画
“弱”で始まる語句
弱
弱音
弱虫
弱冠
弱法師
弱点
弱火
弱気
弱腰
弱蟲