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めい/\
ふりがな文庫
“
各自
(
めい/\
)” の例文
彼等は默然として、恰も
各自
(
めい/\
)
の記憶を一心に辿つてゐる樣子であつた。チエスタ孃は頬杖をついて、遠くを見据ゑながら腰かけてゐた。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
谷底の石の間から湧く温泉の中へ吾儕は肩まで沈んで、
各自
(
めい/\
)
放肆
(
ほしいまゝ
)
に手足を伸ばした。そして互に顏を見合せて、寒かつた途中のことを思つて見た。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
讓渡
(
ゆづりわた
)
しの證書が作られて、セント・ジョン、ダイアナ、メァリー、私の四人は
各自
(
めい/\
)
相當の資産を所有することになつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
例へば我々が、我々の從事してゐる新聞の紙面を如何に改良すべきか、又は社會部の組織を如何に改造すべきかに就て、
各自
(
めい/\
)
意見を言ひ合ふとする。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
殿様と家老と連歌師と、
各自
(
めい/\
)
の境遇が思はれるやうな三人三様の
咏
(
よ
)
み
風
(
ふう
)
は面白かつたが、それよりも面白いのは、その日少しも時鳥が啼かなかつた事だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
下宿人は大勢居るのだが、大抵
各自
(
めい/\
)
の部屋で自炊するか、さもなくば現在のおれのやうに
外
(
そと
)
へ出て食ふのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
彼等
(
かれら
)
の
各自
(
めい/\
)
が
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
る
種々
(
いろ/\
)
な
隱
(
かく
)
れた
性情
(
せいじやう
)
が
薄闇
(
うすぐら
)
い
室
(
しつ
)
の
内
(
うち
)
にこつそりと
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つて
表現
(
へうげん
)
されて
居
(
ゐ
)
た。
女房
(
はようばう
)
の
言辭
(
ことば
)
は
悉皆
(
みんな
)
の
顏
(
かほ
)
を
唯
(
たゞ
)
驚愕
(
おどろき
)
の
表情
(
へうじやう
)
を
以
(
もつ
)
て
掩
(
おほ
)
はしめた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それで
各自
(
めい/\
)
の持場が定まると、漁のすむまで他の場處へ釣糸を据ゑる事は出來ねえ、場處を變へることは出來ねえんだ。で、今度の俺の場處は船尾の方にあるんだ。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
無邪氣
(
むじやき
)
なる
水兵等
(
すいへいら
)
の
想像
(
さうぞう
)
するが
如
(
ごと
)
く、
其時
(
そのとき
)
の
光景
(
くわうけい
)
はまあどんなであらう。
電光艇
(
でんくわうてい
)
の
評判
(
ひやうばん
)
、
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
榮譽
(
ほまれ
)
、
各自
(
めい/\
)
の
胸
(
むね
)
にある
種々
(
しゆ/″\
)
の
樂
(
たのし
)
み、それ
等
(
ら
)
は
管々
(
くだ/\
)
しく
言
(
い
)
ふに
及
(
およ
)
ばぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
あれはまた、あれなりに露悪家だから面白い。昔しは殿様と
親父
(
おやぢ
)
丈が露悪家で済んでゐたが、
今日
(
こんにち
)
では
各自
(
めい/\
)
同等の権利で露悪家になりたがる。尤も
悪
(
わる
)
い事でも何でもない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
汝ほどの
學識
(
ものしり
)
は廣き
東京
(
みやこ
)
に
掃
(
は
)
くほどにて、塵塚の隅にもごろごろと有るべし、いづれも立身出世の望みを持たぬはなく、
各自
(
めい/\
)
ことは
易
(
かは
)
りて、出世の向きも
種々
(
さま/″\
)
なるべけれど
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其處
(
そこ
)
で
各自
(
めい/\
)
が、かの
親不知
(
おやしらず
)
、
子不知
(
こしらず
)
の
浪
(
なみ
)
を、
巖穴
(
いはあな
)
へ
逃
(
に
)
げる
状
(
さま
)
で、
衝
(
つ
)
と
入
(
はひ
)
つては
颯
(
さつ
)
と
出
(
で
)
つゝ、
勝手許
(
かつてもと
)
、
居室
(
ゐま
)
などの
火
(
ひ
)
を
消
(
け
)
して、
用心
(
ようじん
)
して、それに
第一
(
だいいち
)
たしなんだのは、
足袋
(
たび
)
と
穿
(
はき
)
もので、
驚破
(
すは
)
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さうしてこれを持つて、私たちは森に行き、そこで
各自
(
めい/\
)
一番好きな處を選んで、お
腹
(
なか
)
一ぱい
晝食
(
ひる
)
を濟ますのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『どうも
済
(
す
)
みません。
各自
(
めい/\
)
勝手にやることにしようぢや有ませんか。まあ、
斯
(
か
)
うして膳に向つて見ると、あの師範校の食堂を思出さずには居られないねえ。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
芝居好の金持の若旦那とか——
各自
(
めい/\
)
新しい時代の空氣を人先に吸つてゐると思ふ
種々
(
いろ/\
)
の人が、時々日を期して寄つて、勝手な話をする會の事を書いたのがある。
無名会の一夕
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今日
(
こんにち
)
世界
(
せかい
)
の
海上
(
かいじやう
)
に
於
(
おい
)
ては、
晝間
(
ちゆうかん
)
の
萬國信號
(
ばんこくしんがう
)
はあるが、
夜間信號
(
やかんしんがう
)
は、
各國
(
かくこく
)
の
海軍
(
かいぐん
)
に
於
(
おい
)
て、
各自
(
めい/\
)
に
秘密
(
ひみつ
)
なる
信號
(
しんがう
)
を
有
(
いう
)
する
他
(
ほか
)
、
難破信號
(
なんぱしんがう
)
とか、
今
(
いま
)
海蛇丸
(
かいだまる
)
の
揚
(
あ
)
げた
爆發信號
(
ばくはつしんがう
)
のやうな
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それから又競走があつて、
長飛
(
ながとび
)
があつて、其次には
槌
(
つち
)
抛げが始まつた。三四郎は此
槌抛
(
つちなげ
)
に至つて、とう/\辛抱が
仕切
(
しき
)
れなくなつた。運動会は
各自
(
めい/\
)
勝手に
開
(
ひら
)
くべきものである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
十二時頃になるとキキイを除いた三人の女は、
派手
(
はで
)
な
身装
(
みなり
)
をして大きな帽の蔭に
白粉
(
おしろい
)
を濃く
刷
(
は
)
いた顔を
面紗
(
ヹエル
)
に包み、見違へるやうな美しい女になつて
各自
(
めい/\
)
何処
(
どこ
)
へか散歩に出て
行
(
ゆ
)
く。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
それに就いて一応聴いておかなければならぬのは
各自
(
めい/\
)
の志望で、女の
家
(
うち
)
へ
往
(
ゆ
)
きたいものを、お医者へやつても気の毒なやうに、英吉利好きの男を亜米利加へやつてもつまらなかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
趣向は何なりと
各自
(
めい/\
)
に工夫して大勢の好い事が好いでは無いか、
幾金
(
いくら
)
でもいゝ私が出すからとて例の通り勘定なしの引受けに、子供中間の
女王
(
によわう
)
樣又とあるまじき惠みは大人よりも利きが早く
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『此奴は隨分皮肉に出來てる男さね。——つまり君のいふのは平凡主義さ。それはさうだよ。人間なんて、君、そんなに
各自
(
めい/\
)
違つてるもんぢやないからねえ。』
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
無数の
人間
(
にんげん
)
に
付着
(
ふちやく
)
した色が、広い
空間
(
くうかん
)
で、絶えず
各自
(
めい/\
)
に、且つ勝手に、
動
(
うご
)
くからである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
巨額
(
きよがく
)
の金を失つて、現在は、彼等に財産を分つ程に豐かではなかつたので、彼等は
各自
(
めい/\
)
、自分で働いて行かなければならなかつたと、彼等はハナァに云つて聞かしたことがある。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『猫』の作者は、胃の悪い黒猫のやうに、座蒲団の上に円く
胡坐
(
あぐら
)
を掻いて唯にやにや笑つてばかしで、別に
艴
(
むく
)
れてゐる
容子
(
ようす
)
もなかつた。芸妓達は
各自
(
めい/\
)
色々な事を訊いたり、
喋舌
(
しやべ
)
つたりした。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
二十日はお
祭
(
まつ
)
りなれば
心
(
こゝろ
)
一ぱい
面白
(
おもしろ
)
い
事
(
こと
)
をしてと
友達
(
ともだち
)
のせがむに、
趣向
(
しゆこう
)
は
何
(
なに
)
なりと
各自
(
めい/\
)
に
工夫
(
くふう
)
して
大勢
(
おほぜい
)
の
好
(
い
)
い
事
(
こと
)
が
好
(
い
)
いでは
無
(
な
)
いか、
幾金
(
いくら
)
でもいゝ
私
(
わたし
)
が
出
(
だ
)
すからとて
例
(
れい
)
の
通
(
とほ
)
り
勘定
(
かんでう
)
なしの
引受
(
ひきう
)
けに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
あちらの隅に書物、こちらの隅に風呂敷包、すべて斯の部屋の内に在る道具といへば、
各自
(
めい/\
)
勝手に乗出して踊つたり跳ねたりした後のやうで、其乱雑な
光景
(
ありさま
)
は部屋の主人の心の
内部
(
なか
)
を
克
(
よ
)
く想像させる。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
各
常用漢字
小4
部首:⼝
6画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
“各自”で始まる語句
各自方
各自区々