貧乏人びんぼうにん)” の例文
「まったく、おじいさんの、おっしゃるとおりです。かねが、あるために、貧乏人びんぼうにんをつくり、また、貧乏びんぼうが、人間にんげん卑屈ひくつにするのです。」
かたい大きな手 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なに面白おもしろくねえことがあるもんか。二十五りょうといやァ、おいらのような貧乏人びんぼうにんは、まごまごすると、生涯しょうがいにゃぶらがれない大金たいきんだぜ。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「うちのような貧乏人びんぼうにんにゃ、三十えんといやたいしたかねがまうが、利助りすけさんとこのような成金なりきんにとっちゃ、三十えんばかりはなんでもあるまい。」
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
かほをあげしときほうなみだあとはみゆれどもさびしげのみをさへせて、わたし其樣そのやう貧乏人びんぼうにんむすめ氣違きちがひはおやゆづりでおりふしおこるのでござります
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わが同胞どうほうはだいたいにおいて貧乏びんぼうであるから、富貴ふうき誘惑ゆうわくなるものを知らない。貧乏人びんぼうにんが金持を批評することは、とかく見当が違うことが多い。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
けれども、うまくずのばんをやりとおせば、そのたからものも手にはいって、貧乏人びんぼうにんでもたちまち大金持おおがねもちになれるのです。
何故世の中には情死しんぢう殺人ひとごろし強盗がうとう姦通かんつう自殺じさつ放火はうくわ詐欺さぎ喧嘩けんくわ脅迫けふはく謀殺ぼうさつの騒が斷えぬのであらうか、何故また狂人きちがひ行倒ゆきだふれ乞食こじき貧乏人びんぼうにんが出來るのであらうか。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その使者ししゃたちが旅館りょかんとまっている様子ようすようとおおもいになって、太子たいしはわざと貧乏人びんぼうにん子供こどものようなぼろぼろなお姿すがたで、まち子供こどもたちの中に交じってお行きになりました。
夢殿 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
宿やどなしや、貧乏人びんぼうにんの集まる場所ばしょなのだ。少年のはくいきが、まっ白な湯気ゆげになって見える。
「悪いやつをなぐるのはあたりまえだ、おれの家の小僧こぞうをおどかして毎朝豆腐とうふ強奪ごうだつしやがる、おれは貧乏人びんぼうにんだ、貧乏人のものをぬすんでも助役の息子むすこならかまわないというのか」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
してみると権力と金力とは自分の個性を貧乏人びんぼうにんより余計に、他人の上に押しかぶせるとか、または他人をその方面におびき寄せるとかいう点において、大変便宜べんぎな道具だと云わなければなりません。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
つながれているかわいそうな囚人しゅうじんたちにむかっていって、苦しめたり、死人のにくをたべたり、貧乏人びんぼうにんの地下室からカブラをぬすんできたり、眠っているガチョウの足をかみきったり、メンドリから
「なぜ、娑婆しゃばにいるうちから、こうして、おともだちにならなかったものか……。」と、貧乏人びんぼうにん霊魂れいこんは、いぶかしくかんじました。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「このうちのひとつは貧乏人びんぼうにんに、もうひとつは王さまにあげますが、あとのひとつはあなたのものです。」
總領そうりようのるたまがころがるとはらぬか、やがてきあげて貴樣きさまたちに正月しやうぐわつをさせるぞと、伊皿子いさらごあたりの貧乏人びんぼうにんよろこばして、大晦日おほみそかてに大呑おほのみの塲處ばしよもさだめぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「金持ちはいいなあ」と豊公は嗟嘆さたんした。「いい着物を着ておいしいものを食べて学校へ遊びにゆく、貧乏人びんぼうにんは朝から晩まで働いて息もつけねえ、本を読みかけると昼のつかれで眠ってしまうしな」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
けれど、このひとはけちんぼうで、金持かねもちでなければ、機嫌きげんよくてくれぬというふうでありましたから、貧乏人びんぼうにんは、めったにかかることができませんでした。
一粒の真珠 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うすぐもった、かぜさむ午後ごごのこと、この貧乏人びんぼうにん霊魂れいこんは、棺屋かんやまえをうろついていました。
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)
例外れいがいがあるさ。貧乏人びんぼうにんのほうが、金持かねもちより、病気びょうきでたくさんぬんだというよ。」
草原の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そこには、金持かねもちもなく、貧乏人びんぼうにんもなく、ただ、うつくしい世界せかいがあるばかりでした。
船でついた町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いま二人ふたりは、こうしておなじように貧乏びんぼうをしているが、これから、あちらのまちいて、あの曲玉まがたまが、宝石商ほうせきしょうられたら、そのときから、このおとこは、もう貧乏人びんぼうにんでなく、大金持おおがねもちになれるのだ。
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
大人おとなや、子供こどもや、金持かねもちや、貧乏人びんぼうにん……。」
一銭銅貨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
貧乏人びんぼうにん
町の真理 (新字新仮名) / 小川未明(著)