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しらゆり
ふりがな文庫
“
白百合
(
しらゆり
)” の例文
顔のまわりの白いレースがちょうど
白百合
(
しらゆり
)
の花びらのようでした。それを見るとおかあさんは天国を
胸
(
むね
)
に抱いてるように思いました。
真夏の夢
(新字新仮名)
/
アウグスト・ストリンドベリ
(著)
白百合
(
しらゆり
)
、
紅百合
(
べにゆり
)
、
鳶尾草
(
いちはつ
)
の花、
信頼心
(
しんらいしん
)
の足りない若いものたちよりも、おまへたちの
方
(
はう
)
がわたしは
好
(
すき
)
だ、
滅
(
ほろ
)
んだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
彼女は、もうすっかり覚悟を決めてしまったか、ほつれ髪もおののかせず、
白百合
(
しらゆり
)
の花そのままな顔をしずかにうつむけている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白ばら、
白百合
(
しらゆり
)
、白壁、白鳥。紅いものには紅百合、紅ばら、
紅珊瑚
(
べにさんご
)
、紅焔、紅茸、紅
生姜
(
しょうが
)
——青い青葉、青い虫、黄いろい菜の花、山吹の花。
明暗
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
けれども窓の外では、いっぱいに咲いた
白百合
(
しらゆり
)
が、十本ばかり息もつけない
嵐
(
あらし
)
の中に、その
稲妻
(
いなずま
)
の
八分一秒
(
びょう
)
を、まるでかがやいてじっと立っていたのです。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
レターペーパーは丈七寸幅四寸五分ほどの大きさの中に八寸ぐらいの
白百合
(
しらゆり
)
の茎のたわめられたのが左へ寄せて描いてあり、その
周
(
まわ
)
りがうす桃色にぼかしてある。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と
言
(
い
)
ふ。
其處
(
そこ
)
へ
花籠
(
はなかご
)
から、
一本
(
ひともと
)
白百合
(
しらゆり
)
がはらりと
仰向
(
あをむ
)
けに
溢
(
こぼ
)
れて
落
(
お
)
ちた……ちよろ/\
流
(
なが
)
れに
影
(
かげ
)
も
宿
(
やど
)
る……
百合
(
ゆり
)
はまた
鹿
(
か
)
の
子
(
こ
)
も、
姫
(
ひめ
)
も、ばら/\と
續
(
つゞ
)
いて
溢
(
こぼ
)
れた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
僕のテーブルの上の
花瓶
(
かびん
)
に
活
(
い
)
けられている
白百合
(
しらゆり
)
の花。僕のまわりの世界は剥ぎとられてはいない。
鎮魂歌
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
灯の影もみえない藪影や、夜風にそよいでゐる
崖際
(
がけぎは
)
の
白百合
(
しらゆり
)
の花などが、
殊
(
こと
)
にも彼女の心を
悸
(
おび
)
えさせた。でも、彼の家を車夫までが知つてゐるのでいくらか心強かつた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
米国
(
アメリカ
)
の女詩人が、
白百合
(
しらゆり
)
に
譬
(
たと
)
えた詩をつくってあげたこともあるし、そうした概念から、わたしは
緋
(
ひ
)
ざくらのかたまりのように輝かしく、憂いのない人だとばかり信じていた。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
美奈子は裏の庭園で、切って来た美しい
白百合
(
しらゆり
)
の花を、
右手
(
めて
)
に持ちながら、
懐
(
なつか
)
しい人にでも会うような心持で、墓地の中の小道を幾度も折れながら、父母の墓の方へ近づいて行った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
あはれ
白百合
(
しらゆり
)
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ブドリたちは、
天幕
(
てんと
)
の外に出て、サンムトリの中腹を見つめました。野原には、
白百合
(
しらゆり
)
がいちめんに咲き、その向こうにサンムトリが青くひっそり立っていました。
グスコーブドリの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
あゝ、
下
(
した
)
じめよ、
帶
(
おび
)
よ、
消
(
き
)
えて
又
(
また
)
光
(
ひか
)
る
影
(
かげ
)
、
乳
(
ち
)
に
沁
(
し
)
むなり。
此
(
こ
)
の
君
(
きみ
)
、
其
(
そ
)
の
肌
(
はだ
)
、
確
(
たしか
)
に
雪
(
ゆき
)
。ソロモンと
榮華
(
えいぐわ
)
を
競
(
きそ
)
へりとか、
白百合
(
しらゆり
)
の
花
(
はな
)
も
恥
(
は
)
づべき
哉
(
かな
)
。
否
(
いな
)
、
恥
(
はぢ
)
らへるは
夫人
(
ふじん
)
なり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
庸三の子供が葉子を形容したように彼女は
鳥海山
(
ちょうかいさん
)
の
谿間
(
たにま
)
に生えた一もとの
白百合
(
しらゆり
)
が、どうかしたはずみに、材木か何かのなかに紛れこんで、都会へ持って来られたように
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
京子の若い日の癖の無い長身、ミルク色にくくれた
頤
(
おとがい
)
。
白百合
(
しらゆり
)
のような頬、額。星ばかり映して居る深山の湖のような眼。夏など
茶絣
(
ちゃがすり
)
の白上布に、クリーム地に麻の葉の
単衣帯
(
ひとえおび
)
。
春:――二つの連作――
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
女中が、水を汲んで来ると、美奈子は、その花筒の古い汚れた水を、
浚乾
(
かえほ
)
してから、新しい水を、なみなみと注ぎ入れて、
剪
(
き
)
り取ったまゝに、まだ香の高い
白百合
(
しらゆり
)
の花を、挿入れた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
白百合
(
しらゆり
)
、
處女
(
むすめ
)
で死んだ者の、さまよふ
魂
(
たましひ
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
其
(
そ
)
の
四
(
よつ
)
ツの
端
(
はし
)
を
柔
(
やはら
)
かに
結
(
むす
)
んだ
中
(
なか
)
から、
大輪
(
おほりん
)
の
杜若
(
かきつばた
)
の
花
(
はな
)
の
覗
(
のぞ
)
くも
風情
(
ふぜい
)
で、
緋牡丹
(
ひぼたん
)
も、
白百合
(
しらゆり
)
も、
透
(
す
)
きつる
色
(
いろ
)
を
競
(
きそ
)
うて
映
(
うつ
)
る。……
盛花
(
もりばな
)
の
籠
(
かご
)
らしい。いづれ
病院
(
びやうゐん
)
へ
見舞
(
みまひ
)
の
品
(
しな
)
であらう。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
緑
(
みどり
)
いよ/\
濃
(
こまや
)
かにして、
夏木立
(
なつこだち
)
深
(
ふか
)
き
處
(
ところ
)
、
山
(
やま
)
幽
(
いう
)
に
里
(
さと
)
靜
(
しづか
)
に、
然
(
しか
)
も
今
(
いま
)
を
盛
(
さかり
)
の
女
(
をんな
)
、
白百合
(
しらゆり
)
の
花
(
はな
)
、
其
(
そ
)
の
膚
(
はだへ
)
の
蜜
(
みつ
)
を
洗
(
あら
)
へば、
清水
(
しみづ
)
に
髮
(
かみ
)
の
丈
(
たけ
)
長
(
なが
)
く、
眞珠
(
しんじゆ
)
の
流
(
ながれ
)
雫
(
しづく
)
して、
小鮎
(
こあゆ
)
の
簪
(
かんざし
)
、
宵月
(
よひづき
)
の
影
(
かげ
)
を
走
(
はし
)
る。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“白百合”の解説
白百合(しらゆり)は、神奈川県横浜市泉区の地名。現行行政地名は白百合一丁目から白百合三丁目。住居表示実施区域。
(出典:Wikipedia)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
百
常用漢字
小1
部首:⽩
6画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
“白”で始まる語句
白
白粉
白髪
白痴
白洲
白眼
白衣
白刃
白銀
白々