りょう)” の例文
旧字:
二人の青年紳士しんしりょうに出てみちまよい、「注文ちゅうもんの多い料理店りょうりてん」にはいり、その途方とほうもない経営者けいえいしゃからかえって注文されていたはなし。
しかしただ心配なのは食料の欠乏である、雪が吹きすさんでりょうに出ることもできないので、用意の食料は日に日にへる一方である。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
と、おもいました。そしてまだじっとしていますと、りょうはなおもそのあたまうえではげしくつづいて、じゅうおと水草みずくさとおしてひびきわたるのでした。
一時りょうをする場合に仮に設けるのですが、今度インド皇帝陛下の戴冠式たいかんしきの祝いを兼ねてやりますから非常に盛んなもので
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
くじに当たった男は新平しんぺいというわかい力持ちの男だった。りょうに行って穴熊あなぐまりにしたことのある男で、村でも指りの度胸のいい男であった。
鬼退治 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「それで一日いちんちいくら出すと置いてくれるんです」と小六が聞いた。「鉄砲でもかついで行って、りょうでもしたら面白かろう」
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
気の毒だが、どうしても知れねえのう。これから野婦之池までゆく途中、もう一軒、あの丘の雑木林のうしろに、りょう
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
またこのくまのいは、自分じぶんふゆりょうったもので、けっして、ほかからけてきたものでありません。だから、このくすりんできかないことはない。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
○鉄砲は嫌ひであるが、りょうはすきである。魚釣りなどは子供の時からすきで、今でもどうかして釣りに行くことが出来たら、どんなに愉快であらうかと思ふ。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
皇子たちは、その野原でためしにりょうをして、その獲物えものによって、さいさきをうらなってみようとなさいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
家長が野に出でてりょうし、海を越えて戦いまた交易した時世を考えると、是は女の耕作よりもなお一層自然であり、またその力が昔にさかのぼるほど強かったことも想像せられるが
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「鯉なり鯉なり、好きりょうなり」と、口々に賞讃するにぞ、却つて得意に之を振り廻したれば、哀れ罪なき鯉は、予の名誉心の犠牲に供せられて、さぞ眩暈めんけんしたらんと思ひたりし。
釣好隠居の懺悔 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
私たちは葉巻の煙の中に、しばらくはりょうの話だの競馬の話だのをしていましたが、その内に一人の友人が、吸いさしの葉巻を暖炉だんろの中に抛りこんで、私の方へ振り向きながら
魔術 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
リゼットが始めて彼にとらえられてサン・ラザールのシャトウ——すなわ牢屋ろうやへ送り込まれるときには生鳥いけどりうずらのように大事にされた。真にりょうを愛する猟人かりうどものを残酷ざんこくに扱うものではない。
売春婦リゼット (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それに、セーサルの話では、いまごろはだれもりょうにでかけないということでした。
七郎は自分の家へ帰って蓄えてある虎の皮を見たが、もらった金をつぐなえるだけの皮がなさそうであるから、再び猟をして後にそれを送ろうと思って、二日の間山へいったがりょうがなかった。
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
いつものように、ルピック氏は、テーブルの上で、りょう獲物えものを始末し、腸を抜くのである。獲物は、二羽の鷓鴣しゃこだ。兄貴のフェリックスは、壁にぶらさげてある石板せきばんに、そいつを書きつける。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
猟夫仲間ではこれをえてものと云ふ。現にの猟夫も七八年ぜん二三人の同業者と連れ立つて、木曾の山奥へりょうに行つた。かかる深山へ登る時には、四五にちぶんの米の他になべかまをもたずさへて行くのが慣例ならい
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
丹治ももうりょうをする気はなかった。
怪人の眼 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その山小屋の巣も焼き払われてしまったので、手足にしていた手下も散ってしまい、今では、藤次は冬場だけりょうを稼ぎ、彼女は、お犬茶屋の内儀かみさんだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大じかけのりょうが、はじまったのです。かりゅうどたちは、沼のまわりを、ぐるりと取りまいていました。
ゴルドンは火薬を倹約けんやくしてりょうはおもにおとし穴、かけなわ、あみなどを使用せしめたから、大きなえものはなかったが、小鳥や野うさぎの類を多くとることができた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
一体釣やりょうをする連中はみんな不人情な人間ばかりだ。不人情でなくって、殺生せっしょうをして喜ぶ訳がない。魚だって、鳥だって殺されるより生きてる方が楽にまってる。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「これを手放てばなしてしまえば、明日あしたから、自分じぶんは、りょうにゆくことができない。」と、おもいましたが、つま病気びょうきなら、そんなことをいっていられませんので、あるあさ鉄砲てっぽうって
猟師と薬屋の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「いいえ、汽車を追ってるんじゃないんですよ。りょうをするかおどるかしてるんですよ。」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
またあるとき天皇は、大和やまと阿岐豆野あきつのという野へごりょうにおいでになりました。そして猟場りょうばでおいすにおかけになっておりますと、一ぴきのあぶがんで来て、おうでにくいつきました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そのときりょうのつの笛が山のなかできこえました。エリーザはおびえてしまいました。そのうちつの笛の音はずんずん近くなって。猟犬のほえる声もきこえました。
正午ひるごろにモコウは、幼年組をつれて、たくさんの貝を拾って帰ってきた、モコウの話によると、岩壁がんぺきのところに、数千のはとが遊んでいるというので、りょうじまんのドノバンは
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
「いいえ、汽車をってるんじゃないんですよ。りょうをするかおどるかしてるんですよ」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
いぬは、このあいだ、主人しゅじんのおともをして、りょうかけて、主人しゅじんそこなったうさぎをいつめて、もうすこしでらえるところをがしてしまったので、残念ざんねんおもっていたさいですから
からすとうさぎ (新字新仮名) / 小川未明(著)
りょうは好ですから。もっとも近来は神経痛で少し休んでいますが。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
また、ふえを、くとおどりだす、しろいへびのすんでいるところや、人間にんげん言葉ことばをまねするとりのありかなどを、かれらはもうしあげたので、おうは、それらをりょうをされにおかけになったのであります……。
珍しい酒もり (新字新仮名) / 小川未明(著)