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淺黄
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あさぎ
ふりがな文庫
“
淺黄
(
あさぎ
)” の例文
新字:
浅黄
白衣
(
びやくえ
)
に
淺黄
(
あさぎ
)
の袴の平服になつて、
居室
(
ゐま
)
の爐の前に坐つた道臣は、ポン/\と快い音のする手を二つ鳴らしてお駒を呼んだ。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「お袋は取つて六十七だが、白地の手拭は汚れつぽいからと言つて、
淺黄
(
あさぎ
)
の手拭でなきや、どうしても使はねえ」
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
淺黄
(
あさぎ
)
の
手絡
(
てがら
)
が
解
(
と
)
けかゝつて、
透通
(
すきとほ
)
るやうに
眞白
(
まつしろ
)
で
細
(
ほそ
)
い
頸
(
うなじ
)
を、
膝
(
ひざ
)
の
上
(
うへ
)
に
抱
(
だ
)
いて、
抱占
(
かゝへし
)
めながら、
頬摺
(
ほゝずり
)
していつた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あれも
矢
(
や
)
つ
張
(
ぱり
)
いたづら
者
(
もの
)
と
烟管
(
きせる
)
を
置
(
お
)
いて
立
(
たち
)
あがる、
女猫
(
めねこ
)
よびにと
雪灯
(
ぼんぼり
)
に
火
(
ひ
)
を
移
(
うつ
)
し
平常着
(
ふだんぎ
)
の八
丈
(
ぢよう
)
の
書生羽織
(
しよせいばをり
)
しどけなく
引
(
ひき
)
かけて、
腰引
(
こしひき
)
ゆへる
縮緬
(
ちりめん
)
の、
淺黄
(
あさぎ
)
はことに
美
(
うつ
)
くしく
見
(
み
)
えぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
落
(
おと
)
すは
淺黄
(
あさぎ
)
瑠璃
(
るり
)
の
河
(
かは
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
▼ もっと見る
切る心算りかも知れないよ。俺にはそんな氣がしてならねえ、——お茶屋へ始めて來たやうな
淺黄
(
あさぎ
)
裏が、女中に一分の祝儀は出來過ぎて居るぜ。ね、番頭さん
銭形平次捕物控:035 傀儡名臣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
途
(
みち
)
すがらも、
此
(
こ
)
の
神祕
(
しんぴ
)
な
幽玄
(
いうげん
)
な
花
(
はな
)
は、
尾花
(
をばな
)
の
根
(
ね
)
、
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
、
山
(
やま
)
の
裂
(
さ
)
けた
巖角
(
いはかど
)
に、
輕
(
かろ
)
く
藍
(
あゐ
)
に
成
(
な
)
つたり、
重
(
おも
)
く
青
(
あを
)
く
成
(
な
)
つたり、
故
(
わざ
)
と
淺黄
(
あさぎ
)
だつたり、
色
(
いろ
)
が
動
(
うご
)
きつつある
風情
(
ふぜい
)
に
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ちよいと樣子を見ただけでも、お銀は圓三郎の
袷
(
あはせ
)
のほころびを縫つてゐた樣子だ——お銀の部屋に、田舍
縞
(
じま
)
の袷と、
淺黄
(
あさぎ
)
の
股引
(
もゝひき
)
のあつたのを、お前も見たらう
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
空
(
そら
)
の
色
(
いろ
)
が
潭
(
ふち
)
のやうです、
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つたら
可
(
い
)
いでせう。……
碧
(
あを
)
とも
淺黄
(
あさぎ
)
とも
薄
(
うす
)
い
納戸
(
なんど
)
とも、……」
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
平次は氣のない顏をして、自分の膝つ小僧を抱いたまゝ、縁側から初秋の
淺黄
(
あさぎ
)
色の朝空を眺めて居ります。
銭形平次捕物控:221 晒し場は招く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
トタンに
框
(
かまち
)
の
取着
(
とツつき
)
の
柱
(
はしら
)
に
凭
(
もた
)
れた
淺黄
(
あさぎ
)
の
手絡
(
てがら
)
が
此方
(
こつち
)
を
見向
(
みむ
)
く、うら
少
(
わかい
)
のと
面
(
おもて
)
を
合
(
あ
)
はせた。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
眞新しい看板に「さざなみ」と書き、
淺黄
(
あさぎ
)
の暖簾に
鎌輪奴
(
かまわぬ
)
と染め出した入口、ヒヨイと見ると、頭の上の
大輪飾
(
おほわかざり
)
が、どう間違へたか裏返しに掛けてあるではありませんか。
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お
柳
(
りう
)
、」と
思
(
おも
)
はず
抱占
(
だきし
)
めた
時
(
とき
)
は、
淺黄
(
あさぎ
)
の
手絡
(
てがら
)
と、
雪
(
ゆき
)
なす
頸
(
うなじ
)
が、
鮮
(
あざ
)
やかに、
狹霧
(
さぎり
)
の
中
(
なか
)
に
描
(
ゑが
)
かれたが、
見
(
み
)
る/\、
色
(
いろ
)
があせて、
薄
(
うす
)
くなつて、ぼんやりして、
一體
(
いつたい
)
に
墨
(
すみ
)
のやうになつて、やがて
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
尻切
袢纒
(
ばんてん
)
に
淺黄
(
あさぎ
)
の
股引
(
もゝひき
)
、見得も色氣もない男で、案外こんなのが飛んだ色男かもわかりません。
銭形平次捕物控:205 権三は泣く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
淺黄
(
あさぎ
)
の
角絞
(
つのしぼり
)
の
手絡
(
てがら
)
を
弛
(
ゆる
)
う
大
(
おほ
)
きくかけたが、
病氣
(
びやうき
)
であらう、
弱々
(
よわ/\
)
とした
後姿
(
うしろすがた
)
。
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「金ですよ、親分、小判が何んと五、六百兩、いや、千兩ばかり、
淺黄
(
あさぎ
)
のボロ
片
(
きれ
)
を包んで——」
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
裳
(
もすそ
)
をすらりと
駒下駄
(
こまげた
)
を
踏代
(
ふみか
)
へて
向直
(
むきなほ
)
ると、
半
(
なか
)
ば
向
(
むか
)
うむきに、すつとした
襟足
(
えりあし
)
で、
毛筋
(
けすぢ
)
の
通
(
とほ
)
つた
水髮
(
みづがみ
)
の
鬢
(
びん
)
の
艶
(
つや
)
。と
拔
(
ぬ
)
けさうな
細
(
ほそ
)
い
黄金脚
(
きんあし
)
の、
淺黄
(
あさぎ
)
の
翡翠
(
ひすゐ
)
に
照映
(
てりは
)
えて
尚
(
な
)
ほ
白
(
しろ
)
い……
横顏
(
よこがほ
)
で
見返
(
みかへ
)
つた。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
五十前後の鬼が
霍亂
(
くわくらん
)
を患つたやうな惡相の武家、眼も鼻も口も大きい上に、
澁紙
(
しぶがみ
)
色の皮膚、山のやうな兩肩、
身扮
(
みなり
)
も、腰の物も、
代表型
(
テイピカル
)
な
淺黄
(
あさぎ
)
裏のくせに、聲だけは妙に物優しく
銭形平次捕物控:062 城の絵図面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一寸
(
ちよつと
)
言添
(
いひそ
)
へる
事
(
こと
)
がある、
此
(
こ
)
の
頃
(
ごろ
)
から
元二
(
げんじ
)
は
柔
(
やはら
)
かな
下帶
(
したおび
)
などを
心掛
(
こゝろが
)
け、
淺黄
(
あさぎ
)
の
襦袢
(
じゆばん
)
をたしなんで
薄化粧
(
うすげしやう
)
などをする、
尤
(
もつと
)
も
今
(
いま
)
でこそあれ、
其
(
そ
)
の
時分
(
じぶん
)
仲間
(
ちうげん
)
が
顏
(
かほ
)
に
仙女香
(
せんぢよかう
)
を
塗
(
ぬ
)
らうとは
誰
(
たれ
)
も
思
(
おも
)
ひがけないから
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
あの男の恰好ですよ。
芯
(
しん
)
の出た帶を猫じやらしに結んで、
淺黄
(
あさぎ
)
の手拭の申分なく汚れたのがブラ下り、着物の
裾
(
すそ
)
が十二單衣になつて、
踵
(
かゝと
)
に去年からのでつかいあかぎれが四つ五つ口を
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
尻切
袢纒
(
ばんてん
)
に
淺黄
(
あさぎ
)
の股引で、あれでも甥には違ひないのですから、縁側の隅つこに小さくなつて居ましたが、その遺言を讀み聽かせると、唯もう聲を揚げて男泣きに泣き出したのです。
銭形平次捕物控:205 権三は泣く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「白と
淺黄
(
あさぎ
)
の染分けで、眞ん中に
橘
(
たちばな
)
の模樣があります」
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
淺
部首:⽔
11画
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
“淺黄”で始まる語句
淺黄裏
淺黄色
淺黄空
淺黄綾
淺黄木綿
淺黄無垢
淺黄縮緬