活溌くわつぱつ)” の例文
騙詐かたり世渡よわた上手じやうず正直しやうぢき無気力漢いくぢなし無法むはう活溌くわつぱつ謹直きんちよく愚図ぐづ泥亀すつぽんてんとんびふちをどる、さりとは不思議ふしぎづくめのなかぞかし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
頬白ほゝじろなにかゞ菜種なたねはな枯蓬かれよもぎかげあさゆきみじかすねてゝたいのかくはえだをしなやかにつて活溌くわつぱつびおりた。さうしてまたえだうつつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
事が、昨夜の話となると、お糸の調子は活溌くわつぱつになつて、父親の事を問はれた時とは、まるで違つた受け應へです。
『そればかりか、少年せうねん活溌くわつぱつことツたらはなしになりませんよ。獅子狩しゝがりもやります、相撲すまふります。よわ水兵すいへいなんかはかされます。』とかれ至極しごく眞面目まじめ
主人しゆじんとし送迎そうげいわづらはしいやうことつたが、その態度たいどには何處どこしてくさ/\したところみとめられなかつた。言葉遣ことばづかひ活溌くわつぱつであつた。かほはつや/\してゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
けれどもご存じのとほり、あの百人一首の絵にかいてあるやうな、長い、だぶ/\の着物を男も女も着てをりますから、なか/\思ふやうに活溌くわつぱつな働きが出来ません。
拾うた冠 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
今度露西亜ロシヤと戦争すれば、ぐ少将におなりなさるんですと——ほんたうに軍人はいわ、活溌くわつぱつで、其れに陸軍よりも海軍の方が好くてよ、第一奇麗きれいですものネ、其れでネ、姉さん
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
欣一君は「気をつけエ」の姿勢をして、活溌くわつぱつに答へました。
原つぱの子供会 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
あのおれが一番活溌くわつぱつだ。おれはなにしても一番だぞ……
愚助大和尚 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
活溌くわつぱつ緋目高ひめだか
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
勘次かんじあさのまだすゞしい、しめりのあるあひだかまどはひつてつてけてだけ手數てすうつくしたのである。それでいくらでも活溌くわつぱつ運動うんどうする瓜葉蟲うりはむしふせがれた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
宗助そうすけ出來できだけまはして、こと眞疑しんぎさぐつた。さうして、關係くわんけいから、安井やすゐがたしかに奉天ほうてんにゐることたしかた。同時どうじかれ健康けんかうで、活溌くわつぱつで、多忙たばうであることたしかた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
もつとも、ニナール姫の方だけでは、ジウラ王子がゐやうがゐまいが、そんなことはどうでもいゝので、以前とかはりなく、朗らかで、活溌くわつぱつで、勇ましい男もかなはないほど大胆で、馬に乗り
ラマ塔の秘密 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
れい屏風岩べうぶいはうへからたゞちに運轉うんてんこゝろみてると最良さいりよう結果けつくわで、號鈴がうれいリン/\とりひゞき、不思議ふしぎなる機關きくわん活溌くわつぱつなる運轉うんてんしたがつて十二外車輪ぐわいしやりんが、いはみ、どろつて疾走しつさうする有樣ありさま
十一になる欣一君は、すぐさま活溌くわつぱつに答へました。
原つぱの子供会 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
本當ほんたうに、こはいもんですね。もとはあんな寐入ねいつたぢやなかつたが——どうも燥急はしやぎるくらゐ活溌くわつぱつでしたからね。それが二三ねんないうちに、まるべつひとやうけちまつて。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
多忙たばうかつ活溌くわつぱつなつ自然しぜんさきゑられたから漸次ぜんじふかみどりめてく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)