所在しよざい)” の例文
所在しよざいしるすのに、日本にほんでは、くに府縣ふけんちやう番地ばんちだいよりせうるに、歐米おうべいでは、番地ばんちちやう府縣ふけんくにと、ぎやくせうよりだいる。
誤まれる姓名の逆列 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
何時いつ危險きけん遭遇さうぐうしてげてても、一見いつけんしてその所在しよざいわかるやうに、其處そこにはわたくししろシヤツをいて目標めじるして、いきほひめて少年せうねんとも發足ほつそくした。
大使館たいしかん所在しよざいを、かれ明白めいはくにはらなかつた。勿論もちろん招待せうたい意味いみについても、明確めいかくなことはわからなかつた。しかし大凡おゝよその見当けんたうはわかつてゐた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
何処どこか近くの家で百萬遍ひやくまんべん念仏ねんぶつとなへ始める声が、ふと物哀ものあはれに耳についた。蘿月らげつたつた一人で所在しよざいがない。退屈たいくつでもある。薄淋うすさびしい心持こゝろもちもする。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しらけて、しばらく言葉ことば途絶とだえたうちに所在しよざいがないので、うたうたひの太夫たいふ退屈たいくつをしたとえてかほまへ行燈あんどう吸込すひこむやうな大欠伸おほあくびをしたから。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つひにはそれが一つにつて山々やま/\所在しよざいくらまして、末端まつたん油煙ゆえんごとそらむかつて消散せうさんしつゝあるやうにはじめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
見るともなく見入つて立つてゐると、おかみさんが所在しよざいなさ相な顔をして出てらつして、椅子を片寄せながらかう言つて、眠さうな欠伸あくびをなさる。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
此地山中なれば村夫等そんふら昏愚こんぐにして夜光の玉なる事をしらず、あへてたづねもとむる者もなかりしに、其秋の洪水こうずゐに夜光の玉ふたゝびながれて所在しよざいうしなひしとぞ。
却々なか/\そんな機會きくわいさうにもありませんでした、あいちやんは所在しよざいなさに四邊あたりながはじめました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
覆面ふくめんを着けたる形と見ゆる土偶五六個有り。覆面はみなかほ全部ぜんぶを覆ふ假面形のものにして、粗布そふを以てつくられたるが如し。製作の精なる方よりはじめて是等土偶の出所及び所在しよざい列記れつきすれば次の如し。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
此地山中なれば村夫等そんふら昏愚こんぐにして夜光の玉なる事をしらず、あへてたづねもとむる者もなかりしに、其秋の洪水こうずゐに夜光の玉ふたゝびながれて所在しよざいうしなひしとぞ。
卯平うへい圍爐裏ゐろりそばはなれずにむつゝりとしてさかづきをとらぬばあさんにあたりながら、煙管きせるたぬ所在しよざいなさに麁朶そださきつてそのくせしたらしつゝ齒齦はぐきをつゝいてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あいちやんは、ねえさんとどてうへにもすわつかれ、そのうへることはなし、所在しよざいなさにれず、再三さいさんねえさんのんでる書物ほんのぞいてましたが、もなければ會話はなしもありませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
それからS、Hうち所在しよざいなどをおしへて
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
くだるわ、/\、/\。所在しよざいなさに、あいちやんはまたはなはじめました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)