“しよざい”の漢字の書き方と例文
語句割合
所在100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何処どこか近くの家で百萬遍ひやくまんべん念仏ねんぶつとなへ始める声が、ふと物哀ものあはれに耳についた。蘿月らげつたつた一人で所在しよざいがない。退屈たいくつでもある。薄淋うすさびしい心持こゝろもちもする。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しらけて、しばらく言葉ことば途絶とだえたうちに所在しよざいがないので、うたうたひの太夫たいふ退屈たいくつをしたとえてかほまへ行燈あんどう吸込すひこむやうな大欠伸おほあくびをしたから。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つひにはそれが一つにつて山々やま/\所在しよざいくらまして、末端まつたん油煙ゆえんごとそらむかつて消散せうさんしつゝあるやうにはじめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)