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恙
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つゝが
ふりがな文庫
“
恙
(
つゝが
)” の例文
於茲
(
こゝにおいて
)
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りて
泣
(
な
)
きぬ。
韓湘
(
かんしやう
)
慰
(
なぐさ
)
めて
曰
(
いは
)
く、
愴
(
いた
)
むこと
勿
(
なか
)
れ、
吾
(
われ
)
知
(
し
)
る、
公
(
きみ
)
恙
(
つゝが
)
あらず、
且
(
か
)
つ
久
(
ひさ
)
しからずして
朝廷
(
てうてい
)
又
(
また
)
公
(
きみ
)
を
用
(
もち
)
ふと。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こりゃ、しっかりとお
爲
(
し
)
やらう! つい
最前
(
いまがた
)
まで
戀
(
こひ
)
しさに
死
(
し
)
ぬる
苦
(
くる
)
しみを
爲
(
し
)
てござった
其
(
その
)
戀人
(
こひゞと
)
のヂュリエットは
恙
(
つゝが
)
ない。すれば、それが
先
(
ま
)
づ
幸福
(
しあはせ
)
。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
深
(
ふか
)
く
隱
(
かく
)
し是まで
恙
(
つゝが
)
なく
置
(
おき
)
しは
全
(
まつた
)
く我が恩なり因て我に從ひ申すべし
所詮
(
しよせん
)
喜八が命は
助
(
たす
)
からぬなりと云ひければお梅は大いに驚きしが是は粂之進我を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
それ/″\牢内に入れ置く例でございます、文治を乗せたる船が海上
恙
(
つゝが
)
なく三宅島へ着きますると、こゝに一条の騒動
出来
(
しゅったい
)
の次第は次回に申上げます。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おん身等もかしこに跪きては、慈悲を願ひ給ふならずや。我はおん身等に對して何の
辜
(
つみ
)
をもおかしゝことなし。我髮の白きを
憫
(
あはれ
)
み給はゞ、
恙
(
つゝが
)
なく家に歸らしめ給へといふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
四晝夜
(
しちうや
)
の
航海
(
かうかい
)
は
恙
(
つゝが
)
なく
※
(
す
)
ぎて、
右舷
(
うげん
)
左舷
(
さげん
)
に
寄
(
よ
)
せては
返
(
かへ
)
す
波
(
なみ
)
の
音
(
おと
)
と
共
(
とも
)
に、
刻一刻
(
こくいつこく
)
に
近
(
ちか
)
づき
來
(
きた
)
る
喜劇
(
きげき
)
に
向
(
むか
)
つて、
橄欖島
(
かんらんたう
)
と
覺
(
お
)
ぼしき
島影
(
しまかげ
)
を、
雲煙
(
うんゑん
)
渺茫
(
べうぼう
)
たる
邊
(
へん
)
に
認
(
みと
)
めたのは、
日
(
ひ
)
は二
月
(
ぐわつ
)
の二十五
日
(
にち
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
明
(
あ
)
くれば治承四年、
淨海
(
じようかい
)
が
暴虐
(
ばうぎやく
)
は猶ほ
已
(
や
)
まず、
殿
(
でん
)
とは名のみ、
蜘手
(
くもで
)
結びこめぬばかりの
鳥羽殿
(
とばでん
)
には、
去年
(
こぞ
)
より法皇を
押籠
(
おしこ
)
め奉るさへあるに、
明君
(
めいくん
)
の聞え高き
主上
(
しゆじやう
)
をば、何の
恙
(
つゝが
)
もお
在
(
は
)
さぬに
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
朝夕はめつきり寒さが加はりましたが
恙
(
つゝが
)
もなくご起居あそばしますか。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
そなたも
麿
(
まろ
)
も、その恐ろしい女人を母に持って、一度は膝に掻き抱かれた事もあるのに、こうして
今日
(
きょう
)
まで
恙
(
つゝが
)
なく育って来た。それを思うと、女人は猛獣や大蛇のように、人を喰い殺したり毒気を
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ロミオ
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
い
歡樂
(
よろこび
)
が
予
(
わし
)
を
呼
(
よ
)
ぶのでなかったら、
斯
(
こ
)
う
早急
(
さっきふ
)
に
別
(
わか
)
るゝのは
悲
(
かな
)
しいことであらう。
恙
(
つゝが
)
なうござりませ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
もし、あの、
私
(
わたし
)
が
勝
(
かち
)
となれば、
此
(
こ
)
のお
方
(
かた
)
の
其
(
そ
)
の
奥様
(
おくさま
)
を、
恙
(
つゝが
)
なう、お
戻
(
もど
)
しになりますやうに……お
約束
(
やくそく
)
が
出来
(
でき
)
ませうか。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
今日影のうらゝかに此積水の緑を照すを見るにつけても、我は永く此底に眠るべき身の、
恙
(
つゝが
)
なくて又此天日の光に浴するを思ひ、涙の頬に流るゝを禁ずること能はざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
此
(
この
)
幸運
(
こううん
)
に
乘
(
じやう
)
じて、
吾等
(
われら
)
は
温順
(
すなほ
)
に
昨日
(
きのふ
)
の
道
(
みち
)
を
皈
(
かへ
)
つたならば、
明日
(
めうにち
)
の
今頃
(
いまごろ
)
には
再
(
ふたゝ
)
び
海岸
(
かいがん
)
の
櫻木大佐
(
さくらぎたいさ
)
の
家
(
いへ
)
に
達
(
たつ
)
し、
此
(
この
)
旅行
(
りよかう
)
も
恙
(
つゝが
)
なく
終
(
をは
)
るのであるが、
人間
(
にんげん
)
は
兎角
(
とかく
)
いろ/\な
冐險
(
ぼうけん
)
がやつて
見
(
み
)
たい
者
(
もの
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
反故
(
ほご
)
にしては男子の
一分
(
いちぶん
)
たゝずと、大きに肩をお入れ遊ばして、芳野艦が
恙
(
つゝが
)
なく帰朝し、先ず横須賀湾に
碇泊
(
ていはく
)
になりますと直ぐ休暇をとって品川へお繰出しとなり、和国楼へおいでになって
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
佛門に入った者は
恙
(
つゝが
)
なきことを得て、
大僧都
(
だいそうず
)
や
権僧正
(
ごんそうじょう
)
の地位に至った。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
述て種々
饗應
(
もてなし
)
けるに後藤も
恙
(
つゝが
)
なき歡びを云て
暫時
(
しばらく
)
酒
(
さけ
)
宴交
(
くみかは
)
せしが
頓
(
やが
)
て半四郎を養子に
貰
(
もら
)
ひ
度
(
たき
)
由
(
よし
)
物語りしに半左衞門も大いに悦び
迅速
(
すみやか
)
に承知なしければ此に於て萬事の
咄
(
はな
)
し
調
(
とゝの
)
ひ五左衞門は
直
(
たゞち
)
に半四郎を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
サンタをば姫いたく怖れ給ひて、燃ゆる山、
闊
(
ひろ
)
き海の景色はいかに美しからんも、かゝる怖ろしき人の住める地に往かんことは、わが願にあらず、おん身の
恙
(
つゝが
)
なかりしは、
聖母
(
マドンナ
)
の御惠なりと宣給ふ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
聞
(
きゝ
)
て家來の男女はまた驚き
恙
(
つゝが
)
なき歸りをば悦び且疑ふばかりなり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
恙
漢検1級
部首:⼼
10画
“恙”を含む語句
無恙
微恙
恙無
恙虫
不恙
御微恙