帳面ちやうめん)” の例文
先生せんせい小清潔こざつぱりとまゐりませんでも、せめて縞柄しまがらのわかりますのを、新年しんねん一枚いちまいぞんじます……おそりますが、お帳面ちやうめんを。」「また濱野屋はまのやか。」神樂坂かぐらざかには
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
付其外帳面ちやうめん書留かきとめるに米千八百五俵むぎ五百三十俵並に箪笥たんす長持ながもちさを村役人立合たちあひにて改め相濟あひすみ其夜寅半刻なゝつはんどき事濟に相成山駕籠やまかごちやうを申付て是へ文藏夫婦に下男吉平を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貸金かしきんとりたて、みせへの見廻みまわり、法用はうようのあれこれ、つき幾日いつか説教日せつけうびさだめもあり帳面ちやうめんくるやらけうよむやらくては身體からだのつゞきがたしと夕暮ゆふぐれの縁先ゑんさきはなむしろをかせ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
男と女と二人で書いてるが、うまい字だな。男のは帳面ちやうめん馴れがして居るし、女の方は大師流を
其時分そのじぶんは人間が大様おほやうだから、かねあづける通帳かよひちやうをこしらへて、一々いち/\けては置いたが、その帳面ちやうめん多助たすけはうあづけたまゝくにかへつたのを、番頭ばんとうがちよろまかしてしまつたから、なに証拠しようこはない。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
わざと遠慮ゑんりよして勝手口かつてぐちまはると、摺硝子すりがらすあかるいうつつて、なかはざわ/\してゐた。あががまち帳面ちやうめんつてこしけた掛取かけとりらしい小僧こぞうが、つて宗助そうすけ挨拶あいさつをした。ちやには主人しゆじん細君さいくんもゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ばうさんは日本紙にほんし横綴よことぢにした帳面ちやうめんひらきながら、
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
汗じめるわが帳面ちやうめん片隅かたすみにブルンボアンとしるしとどむる
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
……わかいのが威勢ゐせいがいゝから、だれも(帳面ちやうめん)をるとはらない。いや、つてたかもれない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
八百安やをやすもの何時いつ帳面ちやうめんにつけたやうなとわらはるれど、愛顧ひいきありがたきもの、まがりなりにも親子おやこ三人のくちをぬらして、三すけとて八歳やつになるを五厘學校ごりんがくかうかよはするほどの義務つとめもしけれど
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
申立かねれども右十兵衞の帳面ちやうめんに記して御座りますと申せば原田然ば其十兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
が、太鼓腹たいこばら突出つきだして、でれりとして、團扇うちは雛妓おしやくあふがせてるやうなのではない。片膚脱かたはだぬぎで日置流へぎりうゆみく。獅子寺ししでら大弓場だいきうば先生せんせい懇意こんいだから、したがつて弟子でしたちに帳面ちやうめんいた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その準備じゆんびいても取々とり/″\ことがあるが、それはまあ、おあづかまをすとして、帳場ちやうばゑて算盤そろばんく、乃至ないし帳面ちやうめんでもつけようといふ、むすめはこれを(お帳場ちやうば/\)とつてるが、えうするに卓子テエブルだ。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)