“掛取”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かけとり55.6%
かけと44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吉岡家の表部屋へは、掛取かけとりいちをなして、押しかけていた。頭のひくい町人が、堪忍をやぶって、呶鳴っているのである。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
厚い帯をめかけているので、自分がすぐ玄関へ出る訳に行かなかった。といって、掛取かけとりでも待たせておくように、いつまでも彼をそこに立たせるのも不作法であった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もう人通りもあるまいと思ったのは、うちの中の考えで、通りへ出ると、掛取かけとりの提灯ちょうちんが、雪の中をめげずにせわしそうに歩いています。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところがその後しばらくしてそこの嫁が吉田の家へ掛取かけとりに来たとき、家の者と話をしているのを吉田がこちらの部屋のなかで聞いていると
のんきな患者 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)