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さしだ
ふりがな文庫
“
差出
(
さしだ
)” の例文
これは歴史にも有名な話、続いて隠居願を
差出
(
さしだ
)
しましたが、そこまで追及する積りは無かったので、それは差許されませんでした。
黄金を浴びる女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と云って
差出
(
さしだ
)
したのは、一通のあくどく赤い封筒だった。社長は給仕を去らせてすぐ封を切ったが、ひととおり読むと、声を震わせながら
水中の怪人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
差出
(
さしだ
)
しけるに越前守殿最初
假牢
(
かりらう
)
へ入置れし兩人の願ひ人を
繩付
(
なはつき
)
のまゝ再び白洲へ呼出され其方共訴へ出し財布は
是
(
これ
)
成
(
なる
)
べしと渡され先に汝等へ
繩
(
なは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
と
差出
(
さしだ
)
すを、侍は手に取って見ましたが、
旧時
(
まえ
)
にはよくお侍様が刀を
買
(
め
)
す時は、刀屋の店先で
引抜
(
ひきぬ
)
いて見て入らっしゃいましたが、あれは
危
(
あぶな
)
いことで
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
言
(
い
)
ふ。
其処
(
そこ
)
で
渋
(
しぶ
)
りながら
備中守
(
びつちうのかみ
)
の
差出
(
さしだ
)
す
腕
(
うで
)
を、
片手
(
かたて
)
で
握添
(
にぎりそ
)
へて、
大根
(
だいこん
)
おろしにズイと
扱
(
しご
)
く。とえゝ、
擽
(
くすぐ
)
つたい
処
(
どころ
)
の
騒
(
さは
)
ぎか。
最
(
も
)
う
其
(
それ
)
だけで
痺
(
しび
)
れるばかり。
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
『
椅子
(
いす
)
を
持
(
も
)
つて
來
(
こ
)
い。
貴樣
(
きさま
)
は
待
(
ま
)
つて
居
(
を
)
れ。』と、
彼
(
かれ
)
は
格子越
(
かうしごし
)
に
書留
(
かきとめ
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
彼
(
かれ
)
に
差出
(
さしだ
)
してゐる
農婦
(
のうふ
)
に
怒鳴
(
どな
)
り
付
(
つけ
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それより山男、
酒屋半之助方
(
さかやはんのすけかた
)
へ
参
(
まい
)
り、五
合入程
(
ごういりほど
)
の
瓢箪
(
ひょうたん
)
を
差出
(
さしだ
)
し、この中に
清酒
(
せいしゅ
)
一
斗
(
と
)
お入れなされたくと
申
(
もう
)
し候。
紫紺染について
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
教師に
差出
(
さしだ
)
すべき代数の宿題を一つもやつて置かなかつた。英語と漢文の
下読
(
したよみ
)
をもして置かなかつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
やがて、
香煙
(
こうえん
)
を
揺
(
ゆる
)
がせて、
恐
(
おそ
)
る
恐
(
おそ
)
る
襖
(
ふすま
)
の
間
(
あいだ
)
から
首
(
くび
)
を
差出
(
さしだ
)
したのは、
弟子
(
でし
)
の
菊彌
(
きくや
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
無駄
(
むだ
)
ばなしの
取
(
と
)
りやりに
調子
(
てうし
)
づいて
旦那
(
だんな
)
のお
商買
(
しようばい
)
を
當
(
あて
)
て
見
(
み
)
ませうかとお
高
(
たか
)
がいふ、
何分
(
なにぶん
)
願
(
ねが
)
ひますと
手
(
て
)
のひらを
差出
(
さしだ
)
せば、いゑ
夫
(
それ
)
には
及
(
およ
)
びませぬ
人相
(
にんさう
)
で
見
(
み
)
まするとて
如何
(
いか
)
にも
落
(
おち
)
つきたる
顏
(
かほ
)
つき
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
もし
逢
(
あ
)
ってもその人達はこの人になつかしく
差出
(
さしだ
)
す手を用意して居るに相違ない。そういえばわたしとてよくもこの人を庇い通した——おもえば氷を水に
溶
(
と
)
く幾年月。その年月に涙がこぼれる。
愛よ愛
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
(
鮓
(
すし
)
の折を
差出
(
さしだ
)
す。)子供さんは嫌いですか。
影:(一幕)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
椅子
(
いす
)
を
持
(
も
)
って
来
(
こ
)
い。
貴様
(
きさま
)
は
待
(
ま
)
っておれ。』と、
彼
(
かれ
)
は
格子越
(
こうしごし
)
に
書留
(
かきとめ
)
の
手紙
(
てがみ
)
を
彼
(
かれ
)
に
差出
(
さしだ
)
している
農婦
(
のうふ
)
に
怒鳴
(
どな
)
り
付
(
つけ
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
桂子は手早く
珈琲
(
コーヒー
)
を
注
(
つ
)
ぎ、
尚
(
なお
)
数滴のウイスキイを加えて
差出
(
さしだ
)
した。——金森村医は
煙草
(
たばこ
)
に火をつけ、さも旨そうに
珈琲
(
コーヒー
)
を
啜
(
すす
)
りながら、
暫
(
しばら
)
く海の方を見やっていたが
廃灯台の怪鳥
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
忠弘の前に
差出
(
さしだ
)
して、パッと開いた女の
両掌
(
りょうて
)
は、ひどい血まめで痛々しく
脹
(
は
)
れ上って居ります。
奇談クラブ〔戦後版〕:12 乞食志願
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
撥
(
ばち
)
を片手で
引
(
ひッ
)
つかむと、恐る恐る
差出
(
さしだ
)
した手を
素疾
(
すばや
)
く
引込
(
ひっこ
)
め、とさかをはらりと振って
行
(
ゆ
)
く。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
二人も
不憫
(
ふびん
)
に思い、
蔵前
(
くらまえ
)
の座敷に
有合
(
ありあ
)
う
違棚
(
ちがいだな
)
の
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
とコップを取出して、
両人
(
ふたり
)
の前へ
差出
(
さしだ
)
せば、涙ながらにおいさが飲んで重二郎へ
献
(
さ
)
しまするを見て、丈助は
悦
(
よろこ
)
び、にやりと笑いながら。
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
村々へ
布令
(
ふれ
)
を廻した位では、美女佳人は隠してしまって、決して御前には
差出
(
さしだ
)
しません。
奇談クラブ〔戦後版〕:10 暴君の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と云いかけた時、庭先へ平造老人が入って来て、帽子を
差出
(
さしだ
)
しながら云った。
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
と
差出
(
さしだ
)
すを手に取って見ますと、秋野に虫の
象眼入
(
ぞうがんいり
)
の結構な品で、お露は此の
蓋
(
ふた
)
を新三郎に渡し、自分は其の身の
方
(
ほう
)
を取って互に語り合う所へ、
隔
(
へだ
)
ての
襖
(
ふすま
)
をサラリと引き明けて出て来ましたは
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
小姉
(
ちひねえ
)
に
差出
(
さしだ
)
した
手
(
て
)
がふるへて
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寿美子は極めて自然に、外国人のような態度で、握手を求める手を
差出
(
さしだ
)
したのです。
奇談クラブ〔戦後版〕:03 鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
とズッと
差出
(
さしだ
)
すを、伴藏はよもや金ではあるまいと、手に
取上
(
とりあ
)
げて見れば、ズンとした小判の目方、持った事もない百両の金を見るより伴藏は怖い事も忘れてしまい、
慄
(
ふる
)
えながら庭へ
下
(
お
)
り立ち
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
差出
(
さしだ
)
した三枚のレター・ぺーパーを、女客は一気に黙読しております。丸いあごが小刻みに動いて、眼が上から下へ上から下へと走るうち、両頬が次第に上気して、可愛らしい
耳朶
(
みみたぶ
)
が——
奇談クラブ〔戦後版〕:05 代作恋文
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
雨戸
(
あまど
)
を引いて外の
格子
(
かうし
)
をがらがらツと明けまして
燈明
(
あかり
)
を
差出
(
さしだ
)
して見ると、見る影もない
汚穢
(
きたな
)
い
乞食
(
こじき
)
の
老爺
(
おやぢ
)
が、
膝
(
ひざ
)
の
下
(
した
)
からダラ/″\血の出る所を
押
(
おさ
)
へて
居
(
ゐ
)
ると、
僅
(
わづ
)
か
五歳
(
いつゝ
)
か
六歳
(
むツつ
)
ぐらゐの
乞食
(
こじき
)
の
児
(
こ
)
が
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
若い女は見覚えある振り分けの荷物を、半十郎の眼の前へ
差出
(
さしだ
)
したのです。
江戸の火術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
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差出人
差出口
差出者
差出候
差出申候