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巖
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いはほ
ふりがな文庫
“
巖
(
いはほ
)” の例文
新字:
巌
宛然
(
さながら
)
、ヒマラヤ山あたりの深い深い萬仭の谷の底で、
巖
(
いはほ
)
と共に年を
老
(
と
)
つた猿共が、千年に一度
演
(
や
)
る芝居でも行つて見て居る樣な心地。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
眼を閉ぢ耳を覆つたまゝ漂つてゆけば、潮流の底に、ほど近く
峙立
(
そばだ
)
つ
巖
(
いはほ
)
も見えず、また、その底に沸き返へる波濤も聞えない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
わが今視し物をよくさとらむとねがふ人は、心の中に描きみよ(しかしてわが語る間、その描ける物を
堅
(
かた
)
き
巖
(
いはほ
)
の如くに
保
(
たも
)
て)
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
われは
覿面
(
てきめん
)
に死の天使を見たり。その翼は黒き灰と流るゝ
巖
(
いはほ
)
とにして、一たびこれを開張するときは、幾多の市村はこれがために埋めらるゝなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
案じ夏とて谷間に雪あるに
郎
(
をとこ
)
は
單衣
(
ひとへぎぬ
)
にて
上
(
のぼ
)
られぬ梢の
雫
(
しづく
)
巖
(
いはほ
)
の
滴
(
したゝ
)
り何とてそれにて
凌
(
しの
)
がれん
袷
(
あはせ
)
を贈りまゐらせたやとの情
彼
(
か
)
の孤閨を守る
婦
(
をんな
)
が夫が遠征の先へ新衣を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
この人
巖
(
いはほ
)
を押し分けて出で
來
(
く
)
。「汝は誰そ」と問はしければ、答へ白さく、「僕は國つ神名は
石押分
(
いはおしわく
)
の子、今天つ神の御子
幸
(
い
)
でますと聞きつ。かれ、まゐ向へまつらくのみ」
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
劔
(
つるぎ
)
を
杖
(
つゑ
)
に。
松陰
(
まつかげ
)
の。
巖
(
いはほ
)
撐
(
さゝ
)
へて。
吐息
(
といき
)
つく。
時哉
(
をりしも
)
見ゆる。
若武者
(
わかむしや
)
は。
是
(
こ
)
は
抑
(
そも
)
軍
(
いくさ
)
の。
使
(
つかひ
)
かや。
見
(
み
)
れば
衣
(
ころも
)
の。
美麗
(
うるはし
)
さ。
新郎
(
はなむこ
)
とかも。
訝
(
あや
)
またる。
其鬚髯
(
そのほうひげ
)
の。
新剃
(
にひそり
)
は。
秋田
(
あきた
)
を刈れる。
刈稻
(
かりしね
)
の。
齊
(
そろ
)
へる
樣
(
さま
)
に。
「西周哲学著作集」序
(旧字旧仮名)
/
井上哲次郎
(著)
この
水草
(
みづくさ
)
はまた
年
(
とし
)
久
(
ひさ
)
しく、
船
(
ふね
)
の
底
(
そこ
)
、
舷
(
ふなばた
)
に
搦
(
から
)
み
附
(
つ
)
いて、
恰
(
あたか
)
も
巖
(
いはほ
)
に
苔蒸
(
こけむ
)
したかのやう、
與吉
(
よきち
)
の
家
(
いへ
)
をしつかりと
結
(
ゆは
)
へて
放
(
はな
)
しさうにもしないが、
大川
(
おほかは
)
から
汐
(
しほ
)
がさして
來
(
く
)
れば、
岸
(
きし
)
に
茂
(
しげ
)
つた
柳
(
やなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
が
水
(
みづ
)
に
潛
(
くゞ
)
り
三尺角
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
隱
(
こも
)
らひぬ、
鑛
(
あらがね
)
と
巖
(
いはほ
)
との
隙
(
ひま
)
埋
(
うづ
)
もれ。
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
築き上げたる熱望と意志との
巖
(
いはほ
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
ひとたび來ては
巖
(
いはほ
)
を去らず。
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
巖
(
いはほ
)
が上にたたずめば
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
青き
巖
(
いはほ
)
に流れ落ち
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其
状
(
さま
)
銀色の帶を
展
(
の
)
べたる如し。この細大二流は、わが立てる
巖
(
いはほ
)
の前に至りて合し、幅
闊
(
ひろ
)
き急流となり、乳色の渦卷を生じて
底
(
そこひ
)
なき深谷に
漲
(
みなぎ
)
り落つ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
かゝるうちにも我等は山の麓に着けり、みあぐれば
巖
(
いはほ
)
いと嶮しく、
脛
(
はぎ
)
の
疾
(
はや
)
きもこゝにては益なしとみゆ 四六—四八
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
堀割し跡にわずかに
生出
(
おひいで
)
し
躑躅
(
つゝぢ
)
岩にしがみ付て花二つ三つ
削落
(
けづりおと
)
せし如き
巖
(
いはほ
)
の上に小松四五本
立
(
たて
)
り其下に流るゝ水雪の解けて
落
(
おつ
)
るにや流早く石に
礙
(
さへ
)
られてまた元の雪と散るを
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
行暮
(
ゆきく
)
れて
一夜
(
ひとよ
)
の
宿
(
やど
)
の
嬉
(
うれ
)
しさや、
粟
(
あは
)
炊
(
かし
)
ぐ
手
(
て
)
さへ
玉
(
たま
)
に
似
(
に
)
て、
天井
(
てんじやう
)
の
煤
(
すゝ
)
は
龍
(
りう
)
の
如
(
ごと
)
く、
破衾
(
やれぶすま
)
も
鳳凰
(
ほうわう
)
の
翼
(
つばさ
)
なるべし。
夢
(
ゆめ
)
覺
(
さ
)
めて
絳欄碧軒
(
かうらんへきけん
)
なし。
芭蕉
(
ばせを
)
の
骨
(
ほね
)
巖
(
いはほ
)
の
如
(
ごと
)
く、
朝霜
(
あさしも
)
敷
(
し
)
ける
池
(
いけ
)
の
面
(
おも
)
に、
鴛鴦
(
ゑんあう
)
の
眠
(
ねむり
)
尚
(
な
)
ほ
濃
(
こまやか
)
なるのみ。
五月より
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
巖
(
いはほ
)
にのぼり、浪にぬれ
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
熔けたる
巖
(
いはほ
)
の山腹を流れ下るさま、血の創より出づる如し。嶺の上に片雲あり。その火光を受けたる半面は
殷紅
(
あんこう
)
なり。されど此偉觀の我眼に入りしは一瞬間なりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
瀧
(
たき
)
の
巖
(
いはほ
)
に、
石
(
いし
)
の
段
(
だん
)
を
刻
(
きざ
)
んで
上
(
のぼ
)
ると、
一面
(
いちめん
)
の
青田
(
あをた
)
の
見霽
(
みはらし
)
。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
巖
(
いはほ
)
のうへにただひとり。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
巖
(
いはほ
)
のかげにねむれども
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あらき
巖
(
いはほ
)
をつつむとき
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
夕ばえ小島
巖
(
いはほ
)
かげ
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
巖
部首:⼭
23画
“巖”を含む語句
巖石
巖角
巖穴
巖間
巖陰
大巖
巖乗
巖乘
巖端
巖根
瑞巖寺
巖窟
巖丈
巨巖等
熔巖
巨巖
徹巖忠操信士
巖骨
陸奧國巖手
華巖
...