“しばしば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
屡々57.4%
23.3%
屡〻10.8%
数々3.2%
数〻1.1%
屡次0.8%
0.8%
数次0.8%
屡ゝ0.5%
0.3%
(他:4)1.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あまりに屡々しばしば、権門富家の厳重なしまりを、自由に破られるので、今や、警吏の威信が疑われて来ているのであった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
例えば著名なソムナンビュウルの Auguste Muller などは、屡々しばしばその二重人格を示したと云う事です。
二つの手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼が五六年前に別れたうけくちの女房と、その女房と関係があつたと云ふ酒のみの法師とも、しばしば彼等の話題になつた。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そう思えば、集古館の不思議どころでなく、以前には、もっとしばしば、そう言う宗教心を衝激したことがあったようである。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
私は、この名状しがたい感覚を、自分の芸術家としての成育の上にどこまで摂取出来るだろうかと思うことが屡〻しばしばです。
決してそれを裏切るようなことはしないと、寝物語に彼女が屡〻しばしば涙をもって云う言葉を、己は疑うことは出来ない。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
女子 (ヨハナーンを数々しばしば接吻し)昔のように、さあしっかりとだかっておいで、もっとしっかりと緊かりと。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
斯ういう噂の立ったのは夏も終りの八月のことで、噂は噂だけに止どまらず、実際幾人かの五才迄の子供が数々しばしば行衛が不明になった。
稚子法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
巧偸豪奪こうゆごうだつという語は、宋の頃から既に数〻しばしば見える語で、骨董好きの人〻には豪奪ということも自然と起らざるを得ぬことである。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
その興業中川上は数〻しばしばわが学校に来りて、その一座の重なる者と共に、生徒に講談を聴かせ、あるいは菓子を贈るなどすこぶる親切叮嚀ていねいなりしが
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
で、この風俗は、江戸芸者にばかりではなく、一般に行われたことは、その頃の浮世絵なり、絵本草双紙の類に屡次しばしば見るところだ。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
それから、明治の始めには、ある毛唐けとうがあの亀を売ってくれといって来たという話も屡次しばしばしていた。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
最もしばしば往ったのはほど近い藤堂家である。この邸では家族の人々の誕生日、その外種々の祝日いわいびに、必ず勝久を呼ぶことになっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
通旦よもすがらしんを忘れて憂労いうらうここり。頃者このごろてんしきりあらはし、地しばしば震動す。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
されど燕王答えたまわねば、数次しばしば書をたてまつりけるが、皆かい無かりけり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
枝路のことなればひろからず平かならず、が造りしともなく自然おのずと里人が踏みならせしものなるべく、草に埋もれ木の根に荒れて明らかならず、迷わんとすること数次しばしばなり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
もとより結婚といふものは、何かの情実に頼らなければ成り立ち得ぬものには違ひないが、しかもその情実が屡ゝしばしば人を裏切りやすいところに、結婚の危険はひそんでゐるのだ。
母たち (新字旧仮名) / 神西清(著)
垂水の家で、また須磨寺の家で、至と麻子とは屡ゝしばしば顔を合せた。
垂水 (新字旧仮名) / 神西清(著)
事を従うを好みてしばしば時を失うは、知と謂うべきかと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
併し、当時妾の心の悩みは屡屡しばしば佐野の幻影に攪乱され、ひどく妾の心身の疲れてるのを心配して、ロダンさんは妾にモスコー行きをお薦めになりました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
果敢はかない煙草入たばこいれかますなか懸念けねんするやうにかれ數次しばしばのぞいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それとはなしに數次しばしばかれ主人しゆじんげられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あらず、あらず、この暫々しばしば濫用せらるる「不感無覚」の語義を芸文の上より解する時は、単に近世派の態度を示したるに過ぎざるなり。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
「さて其許そこもとも二十二歳、若盛りの大切の時期、文武両道を励まねばならぬ。時々参られるのはよろしいが、あまり繁々しばしば来ませぬよう」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)