“しばしば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
屡々58.1%
22.9%
屡〻10.7%
数々3.1%
数〻1.0%
屡次0.8%
0.8%
数次0.8%
屡ゝ0.5%
數次0.3%
0.3%
屡屡0.3%
暫々0.3%
繁々0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「あれは気持の間違いですもの。それに公報はきたけれど、公報のあとに本人が復員することも屡々しばしばあるそうですもの。だから、夫を待ってるわ」
出家物語 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
何とやらに落ちぬことが多くて、屡々しばしば不審を抱くこともあったが、しかし父がそれ程の極悪非道を行っていようとは夢にも知らなかった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「殺しの場」のやうな血腥ちなまぐさき場面が、しばしばその伴奏音楽として用ひられる独吟と、如何に不思議なる詩的調和を示せるかを聞け。
虫干 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しばしばでゝ軍を湖広ここう陝西せんせい河南かなんに練り、左軍都督府事さぐんととくふじとなりたるほかには、すところも無く
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
丁度泊りがけで鎌倉に行って居た国男も戻り、屡〻しばしば噂にきく山田氏ツーさん等も見えたので、自分も荷作りを中止して仲間入りをした。
そして夏には、淀の網打ちにも屡〻しばしば誘われ、四条やただすの夕涼み、或は、宇治の集りと、彼女を飽かせまいとする行楽と行事は果しがなかった。
梅颸の杖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思いも寄らぬ蜜柑みかんの皮、梨のしんの、雨落あまおち鉢前はちまえに飛ぶのは数々しばしばである。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父の剛蔵はこのことを大変苦にして、僕のことを坊頭臭ぼうずくさい子だと数々しばしば小言こごとを言い、僧侶ぼうずなら寺へやっしまうなど怒鳴ったこともあります。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
この一条の水路は甚だ狭隘きようあいにしてかつ甚だ不潔なれども、不潔物その他の運搬には重要なる位置を占むること、その不快を極むるところの一路なるをも忌み厭ふにいとまあらずして渠身不相応なる大船の数〻しばしば出入するに徴して知るべし。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
儂はこれを思うごとに苦悶懊悩おうのうの余り、しば数行すこう血涙けつるい滾々こんこんたるを覚え、寒からざるに、はだえ粟粒ぞくりゅうを覚ゆる事数〻しばしばなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
文団治は高座から、おれの話が今時の客にわかるものかといって、客と屡次しばしば喧嘩をして、話を途中でやめて引下った事を私は覚えているので、この入墨を見た時、なるほどと思った。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
されば創傷唇のあれに寒べに附けたるを見る如く、夏の手料理にこの色ざしを好み、手足の爪に丑べにをさすこと、今も年よりの心する家の子供には、屡次しばしばこれを見ることである。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
成善しげよしが海保の塾にった後には、海保竹逕ちくけいしばしば渋江氏に警告して、「大分蔵書印のある本が市中に見えるようでございますから、御注意なさいまし」といった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
予をさな心に父上は不思議なる物あまた所持せらるる事よと思ひしこともしばしばなりき。
洋服論 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
されど燕王答えたまわねば、数次しばしば書をたてまつりけるが、皆かい無かりけり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
弟はこれを口惜くちおしく思ひてそののち生活の道に心を用ひ、ようやく富をいたしけるが、それに引替へ兄はまた数次しばしば弟に財を与へしより貧しくなりて自らささへがたきに及び
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
垂水の家で、また須磨寺の家で、至と麻子とは屡ゝしばしば顔を合せた。
垂水 (新字旧仮名) / 神西清(著)
それとはなしに數次しばしばかれ主人しゆじんげられた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
事を従うを好みてしばしば時を失うは、知と謂うべきかと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
併し、当時妾の心の悩みは屡屡しばしば佐野の幻影に攪乱され、ひどく妾の心身の疲れてるのを心配して、ロダンさんは妾にモスコー行きをお薦めになりました。
バルザックの寝巻姿 (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
あらず、あらず、この暫々しばしば濫用せらるる「不感無覚」の語義を芸文の上より解する時は、単に近世派の態度を示したるに過ぎざるなり。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)
「さて其許そこもとも二十二歳、若盛りの大切の時期、文武両道を励まねばならぬ。時々参られるのはよろしいが、あまり繁々しばしば来ませぬよう」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)