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髪
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ぐし
ふりがな文庫
“
髪
(
ぐし
)” の例文
旧字:
髮
若い盛りの美しいお
髪
(
ぐし
)
を切って仏の
戒
(
かい
)
をお受けになる光景は悲しいものであった。残念に思召して六条院は非常にお泣きになった。
源氏物語:36 柏木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
道中、お
髪
(
ぐし
)
の伸びたのさえ、かえって貴う拝まれまする。どうぞ、その御回向を黒門の別宅で、近々として進ぜて下さりませぬか。……
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とはいえ、極寒を火の気もなく、陽の目も見ない二た月あまりには、おからだは
萎
(
な
)
え、頬は蝋のごとく
褪
(
あ
)
せて、お
髪
(
ぐし
)
も伸びるままだった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「女王」のお靴を磨きお
髪
(
ぐし
)
あげをする黒坊の群も居ります。るろうの伊太利人は、バンジョーを胸から提げて道傍に立ちます。
C先生への手紙
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
梅「おやまア何うも、旦那
然
(
そ
)
う仰しゃれば覚えて居ますよ、だけれどもお
髪
(
ぐし
)
が変ったから
些
(
ちっ
)
とも分りませんよ……何うもねえ」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「でも、先生も、ちっともお変りなさいません——それは、お
髪
(
ぐし
)
や、お
髯
(
ひげ
)
は、めッきり白うお成りなさいましたけれど——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
それですから、その真下に当る硝子戸の裏に、銀沙を薄く塗って、お祖母様はそれに御自分のお
髪
(
ぐし
)
を近付けていたのです。
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
あのお方に十二
単衣
(
ひとえ
)
をおきせもうし、あの長い、黒いお
髪
(
ぐし
)
を、おすべらかしにおさせもうして、日本の女性の代表に、外国へいっていただきたい。
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「お綺麗なお
髪
(
ぐし
)
にござります」「京助や、下駄をお出し」「はい、揃えましてござります」「京助や、供をしておいで」
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いかがでございます、ただいまのお
髪
(
ぐし
)
の型よりは、ネオグリークの方がお顔と調和いたしますようでございますが。」
ポラーノの広場
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
いとも慇懃に帽子を脱ぐとさて「いやいや、奥さま。何卒宝石はお
蔵
(
しま
)
い下さい。そして叶いますことならば、あなたのお
髪
(
ぐし
)
の花を頂かせて下さいませ」
薔薇の女
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
嬶
(
かかあ
)
でもいるとお
髪
(
ぐし
)
やお召物のお世話をして上げるんでございますけれども、まあそのうちに嬶も帰って参りますから
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
『
否
(
いえ
)
。』とお利代は何気ない顔をしてゐる。『アラ、何処へ行つてらしつたんですか? お
髪
(
ぐし
)
に木の葉が附いて。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お鼻はあるか、ないがしろに、したまふ旦那に対しては、お隆いといふ事も出来れど。大丸髷の甲斐もなき、お
髪
(
ぐし
)
の癖のあれだけでも、直して進ぜましたやと。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
おばあさまは、あまりおなげきになったので、白いお
髪
(
ぐし
)
がぬけおちておしまいになったわ。あたしたちの髪の毛が魔女のはさみで切りとられてしまったようにね。
人魚のひいさま
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
女優C′ ……「どうぞ、そんなお話はおやめ下さいまし。それよりも、お天気のお話を、花のお話を、あなた様のお
髪
(
ぐし
)
やわたくしの帽子の話をいたしませう……」
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
お
姫
(
ひい
)
さま、———こうしてお姫様のお
髪
(
ぐし
)
を掻いておりましたら、とんでもない昔のこと、悲しいことを
聞書抄:第二盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
今までお
結
(
ゆ
)
いになっていたお
髪
(
ぐし
)
を、少女のようにすきさげになさり、おんおば上からおさずかりになったご
衣裳
(
いしょう
)
を
召
(
め
)
して、すっかり
小女
(
こおんな
)
の
姿
(
すがた
)
におなりになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
そのときもう七十を越えておいでなのに、お色の白い眉つき眼もとのはっきりとしたお顔だちで、切下げにしたお
髪
(
ぐし
)
も黒く、とてもお年数とは思えないお若さに見えた。
日本婦道記:桃の井戸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
まずネ、お下着が格子縞の
黄八丈
(
きはちじょう
)
で、お上着はパッとした
宜引縞
いいしま
の糸織で、お
髪
(
ぐし
)
は
何時
(
いつ
)
ものイボジリ捲きでしたがネ、お
掻頭
(
かんざし
)
は
此間
(
こないだ
)
出雲屋
(
いずもや
)
からお取んなすったこんな
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
折よく辺りに人もいませんかったので、御馬車の中も幾分見えました。
御
(
お
)
すべらかしのお
髪
(
ぐし
)
、
白衿
(
しろえり
)
にお
襠
(
うちかけ
)
、それらがちらと目の前を過ぎました。御陪乗の人はよく見えません。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
すべてお
髪
(
ぐし
)
は御家庭や、御職業や、又はそのお帰りになるお国の風土によって違います。外国でも気の利いたお方は、御旅行先や御転居先の風俗をよく研究されて、これに調和されて行きます。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「いいえ、このまま、お
髪
(
ぐし
)
だけかいて、参ります」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
宮は上着を源氏の手にとめて、御自身は外のほうへお
退
(
の
)
きになろうとしたが、宮のお
髪
(
ぐし
)
はお召し物とともに男の手がおさえていた。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
女房 いいえ、お美しいお
髪
(
ぐし
)
一筋、風にも波にもお
縺
(
もつ
)
れはなさいません。何でお
身体
(
からだ
)
が倒などと、そんな事がございましょう。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
旅の雨にあせた帝の御衣には
虱
(
しらみ
)
がわいていた。皇后のお
髪
(
ぐし
)
には油の艶も絶え、お涙の痩せをかくすお化粧の料もなかった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
婆「只今往ってまいりました、さアお
髪
(
ぐし
)
を解きましょう、まア
好
(
い
)
い恰好に出来ていますねえ、ほんに
毀
(
こわ
)
すのは勿体ないよ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お
髪
(
ぐし
)
のものもなにも、あれじゃもう入りません。けれどおかわいそうです。あの気性じゃたいへんです」
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「あなたのところの先生にお
髪
(
ぐし
)
を上げておやりなさいって、お内儀さんからいいつけられたのですよ」
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大国主神はかしこまって、その長い長いお
髪
(
ぐし
)
の毛をかき分けてご覧になりますと、その中には、しらみでなくて、たくさんなむかでが、うようよたかっておりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
よいお
髪
(
ぐし
)
でございますこと。これから変えなければなりますまい。
悲哀
(
かなしみ
)
の人の
頭髪
(
かみのけ
)
は、このように黒く、このように長く、このように沢山ありましては、不自然と云わなければなりません。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ほほ私とした事が、ついお話に身が入りて、御飯のお邪魔をいたしました。さあさあ早う召上がれ。そして御飯が済みましたらば、お
髪
(
ぐし
)
をお上げなされませぬか。お湯も
沸
(
わか
)
してござりまする。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「ねえ御隠居様、たしかこの笄は、
花魁
(
おいらん
)
衆のお
髪
(
ぐし
)
を後光のように取り囲んでいるあれそうそう
立兵庫
(
たてひょうご
)
と申しましたか、たしかそれに使われるもので御座りましょう。けども
真逆
(
まさか
)
の女のお客とは……」
絶景万国博覧会
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「はい、あとはお
髪
(
ぐし
)
道具がひとそろえあるだけでございます」
日本婦道記:松の花
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
収 (とぼけて)お
髪
(
ぐし
)
に松葉がひつかかつてゐますよ。
落葉日記(三場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
「お
髪
(
ぐし
)
はこの通りの型でよろしゅうございますか。」
ポラーノの広場
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
白いお
髪
(
ぐし
)
の
御方
(
おんかた
)
を、又無いものと
慕
(
しと
)
うては
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
しかしもうまったくお
亡
(
な
)
くなりになったのでございましたら、死後のお
髪
(
ぐし
)
の形を変えますだけのことがあの世の光にはならないでしょう。
源氏物語:41 御法
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
東枕
(
ひがしまくら
)
の
白
(
しろ
)
い
切
(
きれ
)
に、ほぐしたお
髪
(
ぐし
)
の
真黒
(
まつくろ
)
なのが
濡
(
ぬ
)
れたやうにこぼれて
居
(
ゐ
)
て、
向
(
むか
)
ふの
西向
(
にしむき
)
の
壁
(
かべ
)
に、
衣桁
(
いかう
)
が
立
(
た
)
てゝあります。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
で、お
髪
(
ぐし
)
のものや何やかや
細工類
(
さいくるい
)
に金目なものがございましたので、
剰余
(
あま
)
り金
拾
(
じゅう
)
一
両
(
りょう
)
二
朱
(
しゅ
)
ほどお渡しいたしました
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すばやく飛びかかってお
髪
(
ぐし
)
をひっつかみますと、髪はたちまちすらりとぬげ落ちてしまいました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
雨いたく降りこめばにや雨戸残りなくしめこめていと
闇
(
くら
)
し、いと子君伯母なる人に向ひて、
御覧
(
ごろう
)
ぜよ樋口さまのお
髪
(
ぐし
)
のよきこと、島田は実によく似合給へりといへば、伯母君も実に
左
(
さ
)
なり/\
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「殿様、あの、お
髪
(
ぐし
)
が乱れておいであそばしまする」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ああお
髪
(
ぐし
)
でございましたね」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
切り捨ててしまいたく思召すお
髪
(
ぐし
)
を後ろから前へ引き寄せてごらんになると、それは六尺ほどの長さで、以前よりは少し量が減っていても
源氏物語:40 夕霧二
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ね、ただ、お
髪
(
ぐし
)
の
円髷
(
まげ
)
の青い
手絡
(
てがら
)
ばかり、天と山との間へ、青い星が宿ったように、
晃々
(
きらきら
)
と光って見えたんですって。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おん目は
赤濁
(
あかだ
)
み、蒼白な
龍顔
(
りゅうがん
)
にはお
髪
(
ぐし
)
がみだれかかり、白絹の小袖袴もあとかたなく、泥のみならず血痕も
滲
(
にじ
)
ませておられたと、「
花園院御記
(
はなぞのいんぎょき
)
」には見える。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
今日
(
きょう
)
、お
髪
(
ぐし
)
、お染めになりますか。」
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
若奥様が、島田のお
髪
(
ぐし
)
、お振袖と承りましたから、
私
(
わたくし
)
どもは、余計そのお姿のお目立ち遊ばすように、皆して、かように申合せましたのでございます。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
姫君の髪の
裾
(
すそ
)
はきわだって品よく美しかった。女二の宮のお
髪
(
ぐし
)
のすばらしさにも劣らないであろうと薫は思った。
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
“髪”の意味
《名詞》
(かみ)かみ、頭部を覆う体毛。
(出典:Wiktionary)
“髪(
頭髪
)”の解説
頭髪(とうはつ)は、ヒトの頭部に生える毛である。毛髪(もうはつ)、髪の毛(かみのけ)、また単に髪(かみ)ともいう。
(出典:Wikipedia)
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
“髪”を含む語句
頭髪
結髪
白髪
垂髪
黒髪
毛髪
束髪
髪毛
鬢髪
髪結
下髪
理髪店
御髪
散髪
理髪師
理髪床
剃髪
髪結床
額髪
前髪
...