高笑たかわら)” の例文
などと、わかいものが其處そこへぞろ/\た。で、はなしわらひながらつたへると、馬鹿笑ばかわらひの高笑たかわらひで、散々さん/″\ひやかしつける。
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へんかほにうつるとおまへきららはれるからとて美登利みどりふきして、高笑たかわらひの美音びをん御機嫌ごきげんなほりし。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かうして獨りでゐる時に、私はグレィス・プウルの笑ひ聲——初めて聞いた時ぞつとした、あれと同じ高笑たかわらひ、あれと同じ低い、活氣のない、ハ、ハ、といふ笑ひ聲をしばしば聞いた。
おかしらのおにはそのとき、さもゆかいそうに高笑たかわらいをして
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
何故なぜざまろ、可気味いゝきみだ、と高笑たかわらひをして嘲弄てうろうしない。おれてたはてたが、ふね彫像てうざうげたのは、貴様きさま蹴込けこんだも同然どうぜんだい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みぎひだりひかけては大溝おほどぶなか蹴落けおとして一人ひとりから/\と高笑たかわらひ、ものなくて天上てんじやうのおつきさま皓々こう/\てらたまふをさぶいといふことらぬなればたゞこゝちよくさはやかにて
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あたまうへに、はた/\とたゝいて、呵々から/\高笑たかわらひするのを、おどろいてれば、少年子せうねんし擧手きよしゆ高揖かういふしていはく、吾去矣われさらん
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またまゝむすめ紛紜もめでもおこりましたのか、せまひとなれば何事なにごとくちには得言えいはで、たんとむねいたくするがひと性分しやうぶんこまりもので御座ござります、とてわざとの高笑たかわらひをしてかせれば
うらむらさき (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しきり面目めんもくながるくせに、あは/\得意とくいらしい高笑たかわらひをつた。家内かない無事ぶじ祝福しゆくふくするこゝろでは、自分じぶんせられたのを、かへつて幸福かうふくだとおもつてよろこんだんです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まち高笑たかわらひするやうにりて、とき新玉あらたまはるりぬ、お美尾みを日々ひゞやすからぬおももち、をりにはなみだにくるゝこともあるを、みちせい自身みづからいへば、らうのみにものうたがはず
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
半出來はんでき藝妓げいしや——淺草あさくさのなにがしとふだてた——活人形いきにんぎやうをのぞくところを、唐突だしぬけに、くわら/\、くわら、とかへる高笑たかわらひをされたのである。よしよしそれも面白おもしろい。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
高笑たかわらひをして、其処そこかたうへ揺上ゆすりあげた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)