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香
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にほ
ふりがな文庫
“
香
(
にほ
)” の例文
其處
(
そこ
)
へ
古
(
ふる
)
ちよツけた
能代
(
のしろ
)
の
膳
(
ぜん
)
。
碗
(
わん
)
の
塗
(
ぬり
)
も
嬰兒
(
あかんぼ
)
が
嘗
(
な
)
め
剥
(
は
)
がしたか、と
汚
(
きたな
)
らしいが、さすがに
味噌汁
(
みそしる
)
の
香
(
か
)
が、
芬
(
ぷん
)
とすき
腹
(
はら
)
をそゝつて
香
(
にほ
)
ふ。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
窓下の丁字の花がはつきりと
香
(
にほ
)
つて来る薄雲りの晩に、森と青野が、町端れの音田の部屋でトランプ合戦に耽つてゐると、からたちの生垣の向ふで
まぼろし
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
その
蕎麥
(
そば
)
の
香
(
にほ
)
ひのする
燒
(
や
)
きたてのお
餅
(
もち
)
の
中
(
なか
)
から
大
(
おほ
)
きな
里芋
(
さといも
)
の
子
(
こ
)
なぞが
白
(
しろ
)
く
出
(
で
)
て
來
(
き
)
た
時
(
とき
)
は、どんなに
嬉
(
うれ
)
しいでせう。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
あなたの
傍
(
そば
)
へ寄ると鼠の
香
(
にほ
)
ひがしますよなどと男が
戯談
(
じやうだん
)
を云ふと云ふ事である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
刈り草の
香
(
にほ
)
いを
嗅
(
か
)
いで、彼らはうっとりと酔心地になるようなことはない。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
ほんに承はれば兼がわるう御座升だが孃樣御結婚はなさらず共御心に替り
無
(
なく
)
ば、お嬉しう御座ませう靜夫樣も決て貴女をおわすれは、これ
覺
(
おぼえ
)
がお有でせうと取出す手箱の内
香
(
にほ
)
わせし白ばら一輪
うづみ火
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
路は小さい杜に入つて、月光を遮つた青葉が風もなく、
四邊
(
あたり
)
を
香
(
にほ
)
はした。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
陰
(
かげ
)
にして紫紺の
香
(
にほ
)
ひすさまじき藤浪にあれや
夜
(
よ
)
の
灯
(
ひ
)
闌
(
た
)
けたる
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
机の
香
(
にほ
)
ひを
嗅
(
か
)
いで、
輕
(
かろ
)
く打つ時
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
香
(
にほ
)
へる
浪
(
なみ
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
柿
(
かき
)
の
花
(
はな
)
の
咲
(
さ
)
く
時分
(
じぶん
)
に
行
(
ゆ
)
くと、あの
甘
(
あま
)
い
香
(
にほ
)
ひのする
小
(
ちひ
)
さな
花
(
はな
)
が一ぱい
落
(
お
)
ちて
居
(
ゐ
)
ます。
實
(
み
)
の
生
(
な
)
る
時分
(
じぶん
)
に
行
(
ゆ
)
くと、あの
蔕
(
へた
)
のついた
青
(
あを
)
い
小
(
ちひ
)
さな
柿
(
かき
)
が
澤山
(
たくさん
)
落
(
お
)
ちて
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
先
(
ま
)
づ、
色
(
いろ
)
の
白
(
しろ
)
い
婦
(
をんな
)
と
云
(
い
)
はう、が、
雪
(
ゆき
)
なす
白
(
しろ
)
さ、
冷
(
つめた
)
さではない。
薄櫻
(
うすざくら
)
の
影
(
かげ
)
がさす、
朧
(
おぼろ
)
に
香
(
にほ
)
ふ
裝
(
よそほひ
)
である。……こんなのこそ、
膚
(
はだへ
)
と
云
(
い
)
ふより、
不躾
(
ぶしつけ
)
ながら
肉
(
にく
)
と
言
(
い
)
はう。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
路は小い
杜
(
もり
)
に入つて、
月光
(
つきかげ
)
を
遮
(
さへぎ
)
つた青葉が風もなく、
四辺
(
あたり
)
を
香
(
にほ
)
はした。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
女童
(
めわらは
)
や
香
(
にほ
)
ふ人づゑ肩触りてはずむ
温
(
ぬく
)
みの
艶
(
いろ
)
ひ母めく
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
一體
(
いつたい
)
は、すぐにも
燒
(
や
)
いて
了
(
しま
)
ふ
筈
(
はず
)
なんですが、
生憎
(
あいにく
)
、
何處
(
どこ
)
の
停車場
(
ステイシヨン
)
にも
暖爐
(
ストオブ
)
の
無
(
な
)
い
時分
(
じぶん
)
、
茶屋小屋
(
ちややこや
)
の
火鉢
(
ひばち
)
で
香
(
にほ
)
はすと、
裂
(
さ
)
いた
一端
(
ひとはし
)
も
燒切
(
やけき
)
らないうちに、
嗅
(
か
)
ぎつけられて、
怪
(
あや
)
しまれて
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
香
(
にほ
)
ひのみ寂びたもつ
新頌
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
そこで
女中
(
ぢよちう
)
をして
近所
(
きんじよ
)
で
燒芋
(
やきいも
)
を
買
(
か
)
はせ、
堆
(
うづたか
)
く
盆
(
ぼん
)
に
載
(
の
)
せて、
傍
(
かたはら
)
へあの
名筆
(
めいひつ
)
を
以
(
もつ
)
て、
曰
(
いは
)
く「
御浮氣
(
おんうはき
)
どめ」プンと
香
(
にほ
)
つて、
三筋
(
みすぢ
)
ばかり
蒸氣
(
けむ
)
の
立
(
た
)
つ
處
(
ところ
)
を、あちら
樣
(
さま
)
から、おつかひもの、と
持
(
も
)
つて
出
(
で
)
た。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“香”の解説
香(こう、en: incense)とは、本来、伽羅、沈香、白檀などの天然香木の香りをさす。そこから線香、焼香、抹香、塗香等の香り、またこれらの総称として用いられる。お香、御香ともいう。
(出典:Wikipedia)
香
常用漢字
小4
部首:⾹
9画
“香”を含む語句
香花
香物
名香
香気
薫香
香油
香料
鬱金香
麝香
芳香
香水
茴香
香炉
沈香
涙香
香煎
香箱
香染
香具
香山
...