頭部とうぶ)” の例文
おつぎはそれからまたいて與吉よきち死骸しがいごとよこたはつて卯平うへいとをた。おつぎは萬能まんのういて與吉よきち火傷やけどした頭部とうぶをそつといだいた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
丸味をおびて凸凹でこぼこした頭部とうぶとおぼしきものと、両肩に相当する部分があり、それから下はだらりとして長くすそをひいていた。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ほのほしたをくゞるときは、手拭てぬぐひにて頭部とうぶおほふこと。手拭てぬぐひれてゐればなほよく、座蒲團ざぶとんみづひたしたものはさらによし。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
鹿しかはみなさんもよくてごぞんじでせう。鹿しか本州ほんしゆう四國しこく九州きゆうしゆう朝鮮等ちようせんなどひろ分布ぶんぷしてゐます。牡鹿をじか牝鹿めじかよりすこおほきく、頭部とうぶつのつてゐます。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
なにたかとのぞいてると、眞白まつしつ貝層かひそうなかから、緑泥片岩りよくでいへんがん石棒せきぼう頭部とうぶしてる。
自動冐險鐵車じどうぼうけんてつしや設計せつけいといふのは——この鐵檻てつおりくるま恰形かくこう木牛もくぎうて、ながさ二十二しやく幅員はゞ十三じやくたかさは木牛形もくぎうけい頭部とうぶおいて十二しやく後端こうたんおいて十しやくはん四面しめんそのごと
大さは種々なれど今日迄にれたる事實じじつに由れば最も大なるは陸奧龜ヶ岡發見はつけん加藤某氏所藏しよぞう(第三回圖中に頭部とうぶのみをゑがき置きしもの、佐藤蔀氏藏せしは誤なり)全長一尺二寸ばかり
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
其後そののち數年間すうねんかん春夏しゆんかさい折々をり/\おこなふにぎざりしが、二十五六さいころもつつるにおよび、日夜にちや奔走ほんそうさい頭痛づつうはなはだしきとき臥床ふしどきしことしば/\なりしが、そのさいには頭部とうぶ冷水れいすゐもつ冷却れいきやく
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
おつぎはまたおさへた卯平うへい頭部とうぶうたがひのそゝいで、二にんかなしむべき記念かたみにおもひいたつた。おつぎは原因げんいん追求つゐきうしてかうとはしなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
返事とともに怪物群は、一せいに頭部とうぶをゆすぶって奇声きせいを放った。それはあざけりの笑い声のようにひびいた。
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ことその頭部とうぶ裝填さうてんせられたる爆發藥ばくはつやくは、普通ふつう魚形水雷ぎよけいすいらい頭部とうぶ綿火藥めんくわやく百七十五きん相當さうたうして、千四百ヤード有效距離いうかうきよりを四十一ノツト速力そくりよくをもつて駛行しかうすること出來できるのであるから、砲聲ほうせい轟々がう/\
あたつたぞ/\』と山頂さんてう大歡呼だいくわんこである。余等よら夢中むちうつて、驅上かけあがつてると、たのはたが、古墳こふんには無關係物むくわんけいぶつで、石器時代せきゝじだい遺物ゐぶつたる、石棒頭部せきぼうとうぶ緑泥片岩りよくでいへんがん源平時代げんぺいじだいの五輪塔りんとう頭部とうぶ
職業もはっきりしないが、からだはがんじょうであるけれど、農業のほうではなく、手の指や頭部とうぶの発達を見ても、文筆労働者ぶんぴつろうどうしゃでもなく、所持品から考えても商人ではない。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ただ、その繃帯をときおえたとき、博土の頭部とうぶをぐるっと一まわりして、三ミリほどのはばの、手術のあとの癒着ゆちゃく見たいなものが見られ、そのところだけ、毛が生えていなかった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)