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開闢
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かいびゃく
ふりがな文庫
“
開闢
(
かいびゃく
)” の例文
すでに平民へ
苗字
(
みょうじ
)
・乗馬を許せしがごときは
開闢
(
かいびゃく
)
以来の一
美事
(
びじ
)
、士農工商四民の位を一様にするの
基
(
もとい
)
ここに定まりたりと言うべきなり。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
今でいえば科学普及という
類
(
たぐ
)
いであろうが、その先生の話をきいていると、何だか宇宙
開闢
(
かいびゃく
)
以前の夢の方が余計に
聯想
(
れんそう
)
されやすかった。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
然り、義経及びその一党はピレネエ山中最も気候の温順なる所に老後の
隠栖
(
いんせい
)
を
卜
(
ぼく
)
したのである。之即ちバスク
開闢
(
かいびゃく
)
の歴史である。
風博士
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
この
渓谷
(
けいこく
)
の水が
染物
(
そめもの
)
によく
適
(
てき
)
し、ここの
温度
(
おんど
)
が
革
(
かわ
)
づくりによいせいだというか、とにかく、
緋
(
ひ
)
おどし
谷
(
だに
)
の
開闢
(
かいびゃく
)
は、
信玄以来
(
しんげんいらい
)
のことである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
まして、この大湖の岸には、飛騨の高山と違って、日本
開闢
(
かいびゃく
)
以来の歴史があり、英雄武将の興亡盛衰があり、美人公子の紅涙があるのです。
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
宇宙
開闢
(
かいびゃく
)
論的見解や夢想や神秘説などを外にして、社会主義者らが提起する問題のすべては、二つの主要なる題目に帰結することができる。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
其身斗満の下流に住みながら、翁の
雄心
(
ゆうしん
)
はとくの昔キトウスの山を西に越えて、
開闢
(
かいびゃく
)
以来人間を知らぬ原始的大寂寞境の征服に
駛
(
は
)
せて居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
その日をこの地方の者は決して忘れますまい、——というのは、
開闢
(
かいびゃく
)
以来吹いたことのないような、実に恐ろしい台風の吹きあれた日ですから。
メールストロムの旋渦
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
かくのごとき社会の大変態は、
開闢
(
かいびゃく
)
以来、いまだかつてないことであろうとは、もはや、だれもがそれを疑うものもない。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日本は
愚
(
おろ
)
か、支那でも、西洋でも、
否
(
いな
)
、世界
開闢
(
かいびゃく
)
以来、
未
(
いま
)
だ
曾
(
かつ
)
て
何人
(
なんぴと
)
によっても試みられなかったであろうと、僕は
大
(
おおい
)
に得意を感ぜざるを得ない。
恋愛曲線
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
そうしてそこは、揚子江、黄河、メーコン三大河の水源をなし、氷河と烈風と
峻険
(
しゅんけん
)
と
雪崩
(
なだれ
)
とが、まだ天地
開闢
(
かいびゃく
)
そのままの氷の処女をまもっている。
人外魔境:03 天母峰
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
もしくも厳冬の候に起これば、人々の苦痛と惨状とはいっそう烈しいであろう。その日は『
患難
(
なやみ
)
の日』だ。天地
開闢
(
かいびゃく
)
以来、空前絶後の患難だろう。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
……天地
開闢
(
かいびゃく
)
の始め、イーブに智慧の
果
(
このみ
)
を喰わせたサタンの蛇が、更に、そのアダム、イーブの子孫を呪うべく、人間の頭蓋骨の空洞に忍び込んで
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
天然の色彩を写したいという事は写真というものの
開闢
(
かいびゃく
)
以来の希望であったが、始めて一つの名案を出して喝采を博したのは仏のリップマン氏である。
天然色写真新法
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
高祖
開闢
(
かいびゃく
)
の霊場で、高祖の心血の
御作
(
ぎょさく
)
たる「座禅儀」を拝誦するありがたさが彼の心身に、ひしひしと浸み渡った。
仇討三態
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
土佐で西洋音楽会が開かれたのは、これが
開闢
(
かいびゃく
)
以来はじめてであったので、大勢の人が好奇心にかられて参会した。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
馬鹿にならないどころか、この疑は、春の沼辺の水草の根の様に、見る見る、彼の心の中に根を張り枝を伸ばして行く。世界
開闢
(
かいびゃく
)
説についてばかりではない。
セトナ皇子(仮題)
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
そんな事はお江戸
開闢
(
かいびゃく
)
以来のことと見えて、アンポンタンの幼い頃にも忘れない不思議な光景を残している。
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかし、刃物を使った人殺しは、天地
開闢
(
かいびゃく
)
以来はじめてなんですよ。なんしろ、切れもの、刃物、刃のついているものはいっさいご禁制のご牢内なんだからね。
右門捕物帖:35 左刺しの匕首
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
これは
開闢
(
かいびゃく
)
以来の大仇討、昨夜本所松坂町吉良上野介様の
邸
(
やしき
)
へ討入った浅野浪士の一党四十七人、
主
(
しゅう
)
の
仇
(
あだ
)
の
首級
(
しるし
)
を揚げて、
今朝
(
こんちょう
)
高輪の泉岳寺へ引上げたばかり
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
かえりに区役所前の古道具屋で、
青磁
(
せいじ
)
の
香炉
(
こうろ
)
を一つ見つけて、いくらだと云ったら、
色眼鏡
(
いろめがね
)
をかけた
亭主
(
ていしゅ
)
が
開闢
(
かいびゃく
)
以来のふくれっ
面
(
つら
)
をして、こちらは十円と云った。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「全くだよ、狸が泥棒したって話は、
開闢
(
かいびゃく
)
以来だ。猫に小判ならわかるが、狸に小判じゃ
洒落
(
しゃれ
)
にもならねえ。神田からわざわざ本所まで恥をかきに来たようなものさ」
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
まずその手始めとして斑足太子をたぶらかし、天地
開闢
(
かいびゃく
)
以来ほとんどそのためしを聞かぬ悪虐をほしいままにしている。今お前が見せられたのはその百分の一にも足らぬ。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
言葉の修練を積むに従って詩の天地が
開闢
(
かいびゃく
)
する。鶴見はおずおずとその様子を
垣間見
(
かいまみ
)
ていたが、後には少し大胆になって、その成りゆきを
見戍
(
みまも
)
ることが出来るようになった。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
全世界を通じていえば、どこにも戦争のないという日は
開闢
(
かいびゃく
)
以来おそらく一日もなかろう。
戦争と平和
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
このために、大阪市は
開闢
(
かいびゃく
)
以来見たことのない芸術的の都市になるであろうと考えられた。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
石鎚山や白山の
開闢
(
かいびゃく
)
に関する縁起は、大体に於て信ずるに足るものであるが、
夫
(
それ
)
にも優りて『性霊集』に載っている「沙門勝道歴山水瑩玄珠碑並序」の文は、弘法大師の作に係り
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
大風は
募
(
つの
)
り募りて暴風となり、
台風
(
たいふう
)
となり、
開闢
(
かいびゃく
)
以来、記録に存せざる狂風となれり。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
開闢
(
かいびゃく
)
以来この世にうようよして、たがいにぶっつかりあっているほかの思想や理論にくらべて、より愚劣だったというのだ? 完全に
独立不羈
(
どくりつふき
)
な、日常茶飯事の影響から離脱した
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
是
(
ここ
)
に於て私は断言する。吾人はまさに国家
開闢
(
かいびゃく
)
以来の皇恩に対し、努力して報恩の誠を致さねばならぬ。この皇恩に報ずるの道は吾人の理想を実現するにある。吾人の理想とは
如何
(
いかん
)
。
早稲田大学の教旨
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
われわれに
開闢
(
かいびゃく
)
以来
大和
(
やまと
)
民族が発音した事のない、T、V、D、F、なぞから成る怪異な言語を
強
(
し
)
い、もしこれを口にし得ずんば明治の社会に生存の資格なきまでに至らしめたのは
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「恩に掛けて手を引かせる、
開闢
(
かいびゃく
)
以来ない図だな。それもよかろう。さあ立ったり」
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これぞ我大日本国の
開闢
(
かいびゃく
)
以来
(
いらい
)
、自国人の手を以て自国の
軍艦
(
ぐんかん
)
を
運転
(
うんてん
)
し遠く外国に
渡
(
わた
)
りたる
濫觴
(
らんしょう
)
にして、この
一挙
(
いっきょ
)
以て我国の
名声
(
めいせい
)
を海外諸国に鳴らし、
自
(
おのず
)
から
九鼎
(
きゅうてい
)
大呂
(
たいりょ
)
の
重
(
おもき
)
を成したるは
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
ゆえに、これを暗夜の
提灯
(
ちょうちん
)
と心得てよろしい。その提灯は霊魂の所在ばかりでなく、世界
開闢
(
かいびゃく
)
の前より閉鎖の後まで照らすことができる。さてもさても広大無辺の提灯ではありませぬか。
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
真
(
まこと
)
に百間橋を七台の自動車が
舳艫
(
じくろ
)
相銜
(
あいふく
)
んで渡るなぞは
開闢
(
かいびゃく
)
以来の出来事だった。
村の成功者
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
そうなって
御覧
(
ごろう
)
じろ、役者としては、日本
開闢
(
かいびゃく
)
以来の名誉ではあるまいか——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
易牙
(
えきが
)
が彼の子供を蒸して
桀紂
(
けっちゅう
)
に食わせたのはずっと昔のことで誰だってよくわからぬが、盤古が天地を
開闢
(
かいびゃく
)
してから、ずっと易牙の時代まで子供を食い続け、易牙の子からずっと
徐錫林
(
じょしゃくりん
)
まで
狂人日記
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
そして
開闢
(
かいびゃく
)
以来の珍事で、村の郵便局はヘコ垂れ切っているのであろうか。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
固
(
もと
)
より暴君
汚吏
(
おり
)
民を悩まし人を
漁
(
ぎょ
)
したるものも
尠
(
すくな
)
からざりしといえども、概して論ずれば徳川時代の封建政治は、我が国民に取りては、
開闢
(
かいびゃく
)
以来
無上
(
むじょう
)
の善政たることは、
吾人
(
ごじん
)
が敢て断言する処。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
さてその神代の巻は我が国の
開闢
(
かいびゃく
)
以来の話だといわれ、そうしてそれが我が国の最古の史籍であるというためか、とかく世間ではそれに、我々の民族もしくは人種の由来などが説いてあるように思い
神代史の研究法
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
続紀
(
しょくき
)
には、天平二十一年二月、
陸奥
(
みちのく
)
始めて黄金を
貢
(
みつ
)
いだことがあり、これは東大寺大仏造営のために役立ち、詔にも、
開闢
(
かいびゃく
)
以来我国には黄金は無く、皆外国からの
貢
(
みつぎ
)
として得たもののみであったのに
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「講義がおもしろいわけがない。君はいなか者だから、いまに偉い事になると思って、
今日
(
こんにち
)
までしんぼうして聞いていたんだろう。愚の至りだ。彼らの講義は
開闢
(
かいびゃく
)
以来こんなものだ。いまさら失望したってしかたがないや」
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
開闢
(
かいびゃく
)
とは今日のことなり
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
西洋の数字にいたっては、わずかに十字なりといえども、
開闢
(
かいびゃく
)
以来、人の知らざるものなれば、これを学ぶにも多少の精神を費さざるをえず。
小学教育の事
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
この回ではまだ
法住寺殿
(
ほうじゅうじでん
)
焼打のところまで進んでいないが、
開闢
(
かいびゃく
)
以来の宮中合戦が行われたあとでも、兼実は日記のうちに、こう書いている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実際こうした趣味は天地
開闢
(
かいびゃく
)
以来ある趣味なのでしょうか。それとも飛行機と
一所
(
いっしょ
)
に生まれた趣味なのでしょうか。
ナンセンス
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
近世の星雲宇宙
開闢
(
かいびゃく
)
論によって確かめられた、ということを君に話したから、君がきっとオリオン星座の大星雲を見上げるだろうと思って、予期していたんだ。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
この峨眉山という山は、天地
開闢
(
かいびゃく
)
の昔から、おれが
住居
(
すまい
)
をしている所だぞ。それも
憚
(
はばか
)
らずたった一人、ここへ足を踏み入れるとは、よもや唯の人間ではあるまい。
杜子春
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
常に人類の危機と社会の
開闢
(
かいびゃく
)
とに交じっていて、一定の時機におよんで
断乎
(
だんこ
)
として決定的な一言を発し、電光のひらめきのうちに一瞬間民衆と神とを代表した後
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
将軍自身にももはや
起
(
た
)
てないことを知りながら、押して老中を呼んで、今回の大事は
開闢
(
かいびゃく
)
以来の珍事である、自分も深く心を痛めているが、不幸にして大病に冒され
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“開闢”の意味
《名詞》
開 闢(かいびゃく)
天と地が分かれてできた時。この世の始まり。
信仰の地としての山を開き、あるいは初めて寺院などをつくること。また、その人。開山。
荒れ地などが切り開かれること。
(出典:Wiktionary)
開
常用漢字
小3
部首:⾨
12画
闢
漢検1級
部首:⾨
21画
“開闢”で始まる語句
開闢以来
開闢説
開闢論
開闢以來
開闢論的