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進退
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しんたい
ふりがな文庫
“
進退
(
しんたい
)” の例文
塔上に
進退
(
しんたい
)
きわまった巨大な妖虫は、ジリジリと、あとずさりをして、一方のすみの鉄のてすりに、からだをくっつけてしまいました。
鉄塔の怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
進退
(
しんたい
)
これきわまるとは
啻
(
ただ
)
に自転車の上のみにてはあらざりけり、と
独
(
ひと
)
りで感心をしている、感心したばかりでは
埒
(
らち
)
があかないから
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
五十年輩の立派な男で、
擧措
(
きよそ
)
進退
(
しんたい
)
日頃のたしなみも思はれますが、獨り娘の急死に打ちひしがれて、さすがに取亂してをります。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それ以来、二人は
居所
(
きょしょ
)
進退
(
しんたい
)
に気を配っておりましたが、例の不思議な人影を見ることは、その後も一度や二度ではありません。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ラツールといえば、彼はスコールの中に降りこめられ、斜面のまん中あたりで、
進退
(
しんたい
)
きわまっていたのだったが、今はどこにいるのだろうか。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
然
(
しか
)
れども
此
(
こ
)
の
白晝
(
はくちう
)
横行
(
わうぎやう
)
の
惡魔
(
あくま
)
は、
四時
(
しじ
)
恆
(
つね
)
に
在
(
あ
)
る
者
(
もの
)
にはあらず。
或
(
あるひ
)
は
週
(
しう
)
を
隔
(
へだ
)
てて
歸
(
かへ
)
り、
或
(
あるひ
)
は
月
(
つき
)
をおきて
來
(
きた
)
る。
其
(
その
)
去
(
さ
)
る
時
(
とき
)
來
(
きた
)
る
時
(
とき
)
、
進退
(
しんたい
)
常
(
つね
)
に
頗
(
すこぶ
)
る
奇
(
き
)
なり。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十五匁程の
鉛錘
(
おもり
)
は
進退
(
しんたい
)
環
(
かん
)
によりて、
菅絲
(
すがいと
)
に懸る。綸は太さ三匁其の黒き事漆の如く、手さわりは好くして柔かなるは、春風に
靡
(
なび
)
く青柳の糸の如し。
大利根の大物釣
(新字新仮名)
/
石井研堂
(著)
落付思ひ定めて歸らるべしヤヨ氣の
毒
(
どく
)
なる病氣ぞと長庵更に
取合
(
とりあは
)
ねば千太郎は其儘に
戻
(
もど
)
るにも戻られず
進退
(
しんたい
)
爰ぞと覺悟を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
伊集院の姦計に引っかけられ、包囲を受けた山影宗三郎、いわゆる
進退
(
しんたい
)
きわまって、縮むようにしばらく佇んだが
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あれで
若
(
も
)
しいつまでゞも
放
(
はふ
)
つて
置
(
お
)
かれた
日
(
ひ
)
にや、
僕
(
ぼく
)
たる
者
(
もの
)
、
實
(
じつ
)
に
進退
(
しんたい
)
きはまる
所
(
ところ
)
だつたんだが。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
すでに和するの敵に向うは男子の
恥
(
はず
)
るところ、
執念
(
しゅうねん
)
深きに過ぎて
進退
(
しんたい
)
窮
(
きゅう
)
するの
愚
(
ぐ
)
たるを
悟
(
さと
)
り、
興
(
きょう
)
に乗じて深入りの無益たるを知り、双方共にさらりと前世界の
古証文
(
ふるしょうもん
)
に
墨
(
すみ
)
を引き
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ニールスは、
進退
(
しんたい
)
ここにきわまってしまいました。カラスたちから
逃
(
に
)
げることもできませんし、身をかくす
場所
(
ばしょ
)
一つありません。と、そのとき、土のかめのことを思いだしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
全然
(
ぜんぜん
)
進退
(
しんたい
)
の
自由
(
じゆう
)
を
失
(
うしな
)
つたら
夫
(
それ
)
こそ
大變
(
たいへん
)
、
自
(
みづか
)
ら
進
(
すゝ
)
んで
奇禍
(
きくわ
)
を
招
(
まね
)
くやうなものです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
加
(
くわ
)
ふるに寒肌
粟
(
あは
)
を生じ沼気
沸々
(
ふつ/\
)
鼻を
衝
(
つ
)
く、
幸
(
さいは
)
ひに前日来
身躰
(
しんたい
)
を
鍛錬
(
たんれん
)
せしが為め
瘧疫
(
ぎやくえき
)
に
罹
(
かか
)
るものなかりき、沼岸の
屈曲
(
くつきよく
)
出入は
実
(
じつ
)
に犬牙の如く、之に
沿
(
そ
)
うて
渉
(
わた
)
ることなれば
進退
(
しんたい
)
容易
(
やうゐ
)
に
捗取
(
はかど
)
らず
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
先生の
本旨
(
ほんし
)
は、右二氏の
進退
(
しんたい
)
に関し
多年来
(
たねんらい
)
心に
釈然
(
しゃくぜん
)
たらざるものを記して
輿論
(
よろん
)
に
質
(
ただ
)
すため、
時節
(
じせつ
)
を
見計
(
みはか
)
らい世に
公
(
おおやけ
)
にするの考なりしも、
爾来
(
じらい
)
今日に至るまで深く
筐底
(
きょうてい
)
に
秘
(
ひ
)
して人に示さざりしに
瘠我慢の説:01 序
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
「そうだ。自分の
進退
(
しんたい
)
は自分できめると言われるんだ。」
次郎物語:04 第四部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
一、申すに及ばず候と
雖
(
いへど
)
も、輝元、元春、隆景、
深重如在
(
しんちようじよさい
)
を存ぜず、われら
進退
(
しんたい
)
にかけて見放し申すまじき事。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そう思うと
流石
(
さすが
)
に私も
進退
(
しんたい
)
谷
(
きわ
)
まって、いつの間にか往来に立ち停ったのでした。
三角形の恐怖
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
寒風に
吹晒
(
ふきさら
)
され
髮
(
かみ
)
まで氷りて
針金
(
はりがね
)
の如くなれば
進退
(
しんたい
)
茲
(
こゝ
)
に極まりて兎にも角にも此處で
相果
(
あひはつ
)
る事かと思ふ
計
(
ばか
)
りなり時に吉兵衞
倩々
(
つら/\
)
思に
我
(
われ
)
江戸表
(
えどおもて
)
へ名のり出て事
露顯
(
ろけん
)
に及時は三尺
高
(
たか
)
き木の
上
(
そら
)
に
命
(
いのち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
我事
(
わがこと
)
すでに
了
(
おわ
)
れりとし主家の結末と共に
進退
(
しんたい
)
を決し、たとい身に
墨染
(
すみぞめ
)
の
衣
(
ころも
)
を
纒
(
まと
)
わざるも心は全く
浮世
(
うきよ
)
の
栄辱
(
えいじょく
)
を
外
(
ほか
)
にして
片山里
(
かたやまざと
)
に
引籠
(
ひきこも
)
り静に
余生
(
よせい
)
を送るの
決断
(
けつだん
)
に出でたらば、世間においても真実
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
幕臣また諸藩士中の
佐幕党
(
さばくとう
)
は氏を
総督
(
そうとく
)
としてこれに
随従
(
ずいじゅう
)
し、すべてその命令に従て
進退
(
しんたい
)
を共にし、北海の水戦、箱館の
籠城
(
ろうじょう
)
、その決死苦戦の
忠勇
(
ちゅうゆう
)
は
天晴
(
あっぱれ
)
の
振舞
(
ふるまい
)
にして、
日本魂
(
やまとだましい
)
の風教上より論じて
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“進退”の意味
《名詞》
進退(しんたい)
進むことと、退くこと。
立ち居振る舞い。
身の処置。
(出典:Wiktionary)
“進退(
進止
)”の解説
進止(しんし/しんじ)とは、進退(しんたい)とも呼ばれ、土地・財産・人間などを自由に支配・処分することを指す。
(出典:Wikipedia)
進
常用漢字
小3
部首:⾡
11画
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
“進退”で始まる語句
進退谷
進退伺
進退極
進退去就
進退維谷
進退行蔵
進退匍匐廻