“吹晒”の読み方と例文
読み方割合
ふきさら100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
吹晒ふきさらしの野原の向うに、月のない星空を黒々と山らしいものの影がそびえているだけだ。一本道を二三町も行った所で、私達は右手にポツンと一軒立っていた低い朝鮮家屋の前に立止った。
虎狩 (新字新仮名) / 中島敦(著)
寒風に吹晒ふきさらされかみまで氷りて針金はりがねの如くなれば進退しんたいこゝに極まりて兎にも角にも此處で相果あひはつる事かと思ふばかりなり時に吉兵衞倩々つら/\思にわれ江戸表えどおもてへ名のり出て事露顯ろけんに及時は三尺たかき木のそらいのち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
所詮、それ位の役廻りにしか値打せぬ吾身の運命であったかも知れぬが……と、とつおいつ思案のうちに、旅支度という程の用意も要らぬ着のみ着のままの浪人姿。ブラリと立出づる吹晒ふきさらしの東海道。
名娼満月 (新字新仮名) / 夢野久作(著)