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途
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づ
ふりがな文庫
“
途
(
づ
)” の例文
以て親と思ふの
孝心
(
かうしん
)
一
途
(
づ
)
に
潔
(
いさぎ
)
よく母に
暇乞
(
いとまごひ
)
なし五兩の金を路用にと懷中して其夜は十三
里
(
り
)
淀川
(
よどがは
)
の船に
打乘
(
うちのり
)
一日も早くと江戸へぞ
下
(
くだ
)
りける
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
だがこの時以来、彼女はひたすら一日も早く甥に妻帯させて、初孫の守をしたいものだと、ただ一
途
(
づ
)
にそのことばかり考へるやうになつた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:04 イワン・フョードロヸッチ・シュポーニカとその叔母
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
唯一
途
(
づ
)
に素直に、心の底の美しさが匂ひ出たやうに、静かな美しい眼をして、人々の感激する様子を驚いたやうに見て居た。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
「驚くよ、まさに一言もないところだ。餘人は知らず萬屋善兵衞、三
途
(
づ
)
の川で渡し守からお
剩餘
(
つり
)
を取る老爺だ。自分で首などを吊る人間ぢやない」
銭形平次捕物控:229 蔵の中の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
欧洲戦争
此来
(
このかた
)
死人が殖えたので、今では三
途
(
づ
)
の川の
船渡
(
ふなわた
)
しが
大分
(
だいぶん
)
儲かるといふ事だ。株を買ふなら今の
間
(
うち
)
である。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
扨は瀧口殿が事思ひ給うての事か、武骨一
途
(
づ
)
の瀧口殿、文武兩道に
秀
(
ひい
)
で給へる重景殿に
較
(
くら
)
ぶべくも非ず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
脚絆
(
きやはん
)
は
切
(
きれ
)
の
儘
(
まゝ
)
麻
(
あさ
)
で
足
(
あし
)
へ
括
(
くゝ
)
り
附
(
つ
)
けた。
此
(
こ
)
れも
其
(
そ
)
の
木綿
(
もめん
)
で
縫
(
ぬ
)
つた
頭陀袋
(
づだぶくろ
)
を
首
(
くび
)
から
懸
(
か
)
けさせて三
途
(
づ
)
の
川
(
かは
)
の
渡錢
(
わたしせん
)
だといふ六
文
(
もん
)
の
錢
(
ぜに
)
を
入
(
い
)
れてやつた。
髮
(
かみ
)
は
麻
(
あさ
)
で
結
(
むす
)
んで
白櫛
(
しろぐし
)
を
揷
(
さ
)
して
遣
(
や
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
唯
(
たゞ
)
亂暴
(
らんぼう
)
一
途
(
づ
)
に
品川
(
しながは
)
へも
足
(
あし
)
は
向
(
む
)
くれど
騷
(
さわ
)
ぎは
其座
(
そのざ
)
限
(
ぎ
)
り、
夜中
(
よなか
)
に
車
(
くるま
)
を
飛
(
と
)
ばして
車町
(
くるまゝち
)
の
破落戸
(
ごろ
)
がもとをたゝき
起
(
おこ
)
し、それ
酒
(
さけ
)
かへ
肴
(
さかな
)
と、
紙入
(
かみい
)
れの
底
(
そこ
)
をはたきて
無理
(
むり
)
を
徹
(
とほ
)
すが
道樂
(
だうらく
)
なりけり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
正直一
途
(
づ
)
、唯手堅い一方の釜貞は、時流に悠然として己が職分を守つてゐたが、水清ければ魚棲まず、孤高を
衒
(
てら
)
ふ釜貞への註文は日に尠くなつてゆく所へ持つて来て、同じ土地の新八
名工出世譚
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
あんまり一
途
(
づ
)
で、あんまり烈しいわ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
三
途
(
づ
)
橋
(
ばし
)
と書いて
有
(
あ
)
りませう。
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わたし
)
ももとより一
途
(
づ
)
もの。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「正直一
途
(
づ
)
の男でございます。自分が曲つたことをしない代り、人の曲つたことも
容赦
(
ようしや
)
しないといつた」
銭形平次捕物控:142 権八の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
御望み有るは大きな御
了簡違
(
れうけんちが
)
ひと申ものなりと思ひ切て忠義一
途
(
づ
)
の心より主人五兵衞を
種々
(
しゆ/″\
)
樣々
(
さま/″\
)
と申
諫
(
いさ
)
め當家御相續の御養子に候へば持參金の儀は御止りありて
只
(
たゞ
)
其人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「安いかも知れません。でも三
途
(
づ
)
の川は今だに渡し銭を六文しきや取りません。先生が今頃死なすつても、それだけお払ひになれば直ぐにもお渡しします。安いもんでさ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
喧嘩
(
けんくわ
)
では
無
(
な
)
い、とて
流石
(
さすが
)
に
言
(
い
)
ひかねて
口
(
くち
)
を
噤
(
つぐ
)
めば、でもお
前
(
まへ
)
が
大層
(
たいさう
)
らしく
飛込
(
とびこ
)
んだから
己
(
お
)
れは一
途
(
づ
)
に
喧嘩
(
けんくわ
)
かと
思
(
おも
)
つた、だけれど
正
(
しよう
)
さん
今夜
(
こんや
)
はじまらなければ
最
(
も
)
う
是
(
こ
)
れから
喧嘩
(
けんくわ
)
の
起
(
おこ
)
りッこは
無
(
な
)
いね
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
若旦那はそんな事までは氣が廻らず、一
途
(
づ
)
に私を怨んで、明日はいよ/\親類會議を開いて、自分が追ひ出されるときまると、日頃の氣象では何をやり出すかわかりません。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ば後になし歸ると聞し
虎
(
とら
)
の
門
(
もん
)
も歸らぬ旅に
行
(
ゆく
)
空
(
そら
)
の西の久保より
赤羽
(
あかばね
)
の川は三
途
(
づ
)
としら
壁
(
かべ
)
の
有馬
(
ありま
)
長家も打過て六堂ならねど
札
(
ふだ
)
の
辻
(
つじ
)
脇目
(
わきめ
)
も
振
(
ふら
)
ず急ぎしか此程
高輪
(
たかなわ
)
よりの出火にて愛宕下通り
新
(
あたら
)
し橋邊まで一圓に
燒原
(
やけはら
)
となり
四邊
(
あたり
)
曠々
(
くわう/\
)
として
物凄
(
ものすご
)
く雨は次第に
降募
(
ふりつの
)
り目先も知ぬ
眞
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
漸々
(
やう/\
)
にして
歩行
(
あゆみ
)
ける折しも
響
(
ひゞ
)
く
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
尤
(
もつと
)
も、友達が惡かつた。伜は根が正直一
途
(
づ
)
で、世の中を何んにも知らず、懷ろ子に育つてゐるところへ、私が若い後添へを迎へると、それをまた、他から
嗾
(
そゝの
)
かす者があり——」
銭形平次捕物控:330 江戸の夜光石
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今頃は三
途
(
づ
)
の川で夜櫻を眺めて居るぜ、危ねえ話だ
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「正直一
途
(
づ
)
の方で御座います」
銭形平次捕物控:150 槍の折れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“途”の意味
《名詞》
(ト、みち)道。道筋。
(出典:Wiktionary)
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“途”を含む語句
前途
帰途
途中
一途
途上
歸途
目途
冥途
中途
行途
途端
途絶
途次
長途
三途河
途切
半途
途断
途法
中途半端
...