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もろ
ふりがな文庫
“
諸
(
もろ
)” の例文
濃い
靄
(
もや
)
が、
重
(
かさな
)
り重り、汽車と
諸
(
もろ
)
ともに
駈
(
かけ
)
りながら、その
百鬼夜行
(
ひゃくきやこう
)
の、ふわふわと明けゆく空に、
消際
(
きえぎわ
)
らしい顔で、
硝子
(
がらす
)
窓を
覗
(
のぞ
)
いて
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
芹沢とお梅との寝ていたところの屏風は
諸
(
もろ
)
に押し倒されて、三人の黒装束はそれにのしかかると見れば、屏風の上から蜂の巣のように
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ともすると夏は
諸
(
もろ
)
はだぬぎになったりして、当り屋仲間の細君が、以前から
大家
(
たいけ
)
だったように
勿体
(
もったい
)
ぶっているのと、歩調が合わなくなると
旧聞日本橋:23 鉄くそぶとり(続旧聞日本橋・その二)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その急カーヴで機関車が全列車
諸
(
もろ
)
ともに傾斜すると、レールが車輪の方へ猛烈に盛り上ったものだから、案外にも無事にそこを通過しました。
十時五十分の急行
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
呼出
(
よびいだ
)
しに相成しかば村役人ども并に三五郎妻お
文
(
ふみ
)
諸
(
もろ
)
ともに江戸表大岡殿御
役宅
(
やくたく
)
へ
罷
(
まか
)
り出し
旨
(
むね
)
屆
(
とゞ
)
けしにより
頓
(
やが
)
て越前守殿の白洲へ
呼入
(
よびいれ
)
られ三五郎
妻
(
つま
)
お文を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
馬の前脚を
諸
(
もろ
)
に立てて、茅野雄をその馬の脚の
下
(
もと
)
に、乗り潰そうと正面から、逼って来た一騎の郷民があった。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一時間と
経
(
た
)
たぬうちにこの船
諸
(
もろ
)
とも
木葉微塵
(
こっぱみじん
)
にしてやるから、ゆっくり見物してるがいい……おい王、この餓鬼どもをふん
縛
(
じば
)
って急いで仕事にとりかかろうぜ
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
横あいに
明閃
(
めいせん
)
した十手の
主
(
ぬし
)
へ、あっというまに
諸
(
もろ
)
手づきの早業、刀身の半ばまで胸板に埋めておいて、片脚あげて抜き倒すとともに、三転——四転、また五転
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ひとりが突然、お蝶の
襟
(
えり
)
がみへつかまると、ひとりは素早く
諸
(
もろ
)
足を取って、彼女の体を浮かそうとする。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と金剛力を出して
一振
(
ひとふり
)
すると恐ろしい力、鳥居は
笠木
(
かさぎ
)
と
一文字
(
いちもんじ
)
が
諸
(
もろ
)
にドンと落ちた。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いわば
月並
(
つきなみ
)
の衣類なり所持品です。それがうまく
効
(
こう
)
を奏して
隅田
(
すみだ
)
氏の妹と間違えられたのです。顔面の
諸
(
もろ
)
に
砕
(
くだ
)
けたのは、神も夫人の
心根
(
こころね
)
を
哀
(
あわれ
)
み給いてのことでしょう。僕は復讐を誓いました。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
日につのる寒さもちこたへ
諸
(
もろ
)
の葉のかがやける見れば椎よ冬の葉
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
両方から攻める奴を
諸
(
もろ
)
うきすといいます。
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
花崗閃緑 削剥の、 時代は
諸
(
もろ
)
に
論
(
あげつら
)
ふ。
文語詩稿 一百篇
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
辞世 一
諸
(
もろ
)
ともに
契
(
ちぎ
)
りし事は
半
(
なかば
)
にて
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
しろがねの
樞
(
くるる
)
はきしり、
諸
(
もろ
)
とびら
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
と
断念
(
あきら
)
めたように、何の不足もないらしくさっぱりと言われたので、死なば
諸
(
もろ
)
ともだ、と私もどっかり腰を落した。むっくり持上って、跡は冷たい。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこを、踏みこたえた泰軒、剣を棄てて四つに組む——と見せて、
即
(
そく
)
に腰をひねったからたまらない。あおりをくった岡崎兵衛、
諸
(
もろ
)
に手を突いて地面をなめた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
見屆て申すなり
彌々
(
いよ/\
)
言
(
いは
)
ぬに於ては
斯
(
かう
)
すると
首筋
(
くびすぢ
)
掴
(
つか
)
んで引摺出し力に
任
(
まか
)
せて
板縁
(
いたえん
)
へ
摺付々々
(
すりつけ/\
)
サア何だ坊主め白状しろ
何處
(
どこ
)
へ
隱
(
かく
)
せしぞ但しは落したかと茂助も
諸
(
もろ
)
ともに聲を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
袋はそのまま杖槍は腰に、猿が猿まわしに取っつくように、がんりきの背中へ御免とも言わずに飛びつくと、心得たもので、がんりきの百が、そのまま
諸
(
もろ
)
に肩をゆすり上げて——
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
日につのる寒さもちこたへ
諸
(
もろ
)
の葉のかがやける見れば椎よ冬の葉
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
日
(
ひ
)
は
木
(
こ
)
がくれて、
諸
(
もろ
)
とびら
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
奪ひ取り
行掛
(
ゆきがけ
)
の
駄賃
(
だちん
)
にして
呉
(
くれ
)
んと獨り
笑壺
(
ゑつぼ
)
に
入相
(
いりあひ
)
の
鐘
(
かね
)
諸
(
もろ
)
ともに江戸を
立出
(
たちい
)
で品川宿の相摸屋へ上り
飮
(
のめ
)
や
唄
(
うた
)
へとざんざめきしが
一寸
(
ちよつ
)
と
床
(
とこ
)
に入り
子刻
(
こゝのつ
)
の
鐘
(
かね
)
を
相※
(
あひづ
)
に相摸屋を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
瞬く間に
立蔽
(
たちおお
)
う、
黒漆
(
こくしつ
)
の
屏風
(
びょうぶ
)
一万枚、
電光
(
いなびかり
)
を開いて、風に流す
竜巻
(
たつまき
)
が
馳掛
(
はせか
)
けた、その
余波
(
なごり
)
が、松並木へも、大粒な雨と
諸
(
もろ
)
ともに、ばらばらと、
鮒
(
ふな
)
、
沙魚
(
はぜ
)
などを降らせました。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
つかえながら、横なぎの一刀、ふかく踏みこんできた一人の脇腹を
諸
(
もろ
)
に割りつけて
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
玉ぼこの道つくりびとすがすがし蕗と萱とを
諸
(
もろ
)
に刈りそぐ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
パッパ、チイチイ
諸
(
もろ
)
きおいに歓喜の声を上げて、踊りながら、飛びながら、
啄
(
ついば
)
むと、今度は目白鳥が中へ
交
(
まじ
)
った。雀同志は、
突合
(
つつきあ
)
って、先を争って狂っても、その目白鳥にはおとなしく優しかった。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
冬山は雑木のかげり
夕
(
ゆふ
)
早し
灯
(
ひ
)
を
点
(
つ
)
けよとぞ
諸
(
もろ
)
に
点
(
つ
)
けしむ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
迚
(
とて
)
も
罪深
(
つみふか
)
さに
堪
(
た
)
へないため、
諸
(
もろ
)
ともに
身
(
み
)
を
隠
(
かく
)
す、とあつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
十
(
とを
)
の指
諸
(
もろ
)
に
手挟
(
たばさ
)
む手裏剣のつぎつぎ
疾
(
はや
)
しうつ手は見えず
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ふと起る、この
面
(
も
)
彼面
(
かのも
)
に
嘲笑
(
あざわら
)
ふ人の
諸
(
もろ
)
こゑ。
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“諸”の解説
諸(しょ、諸)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
諸
常用漢字
小6
部首:⾔
15画
“諸”を含む語句
諸君
諸方
諸所
諸人
忽諸
埃及諸神譜
諸手
諸侯
諸家
諸氏
諸種
諸声
諸葛亮
諸葛
諸卿
諸木
諸分
諸邑
諸品
諸子
...