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たちどま
ふりがな文庫
“
立止
(
たちどま
)” の例文
通
(
とほ
)
りかゝるホーカイ
節
(
ぶし
)
の男女が二人、「まア
御覧
(
ごらん
)
よ。お月様。」と
云
(
い
)
つて
暫
(
しばら
)
く
立止
(
たちどま
)
つた
後
(
のち
)
、
山谷堀
(
さんやぼり
)
の
岸辺
(
きしべ
)
に
曲
(
まが
)
るが
否
(
いな
)
や
当付
(
あてつけ
)
がましく
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
町の
尽頭
(
はずれ
)
まで来た時に、お杉は初めて
立止
(
たちどま
)
った。尾行して来た人々も
既
(
も
)
う散って
了
(
しま
)
った。お杉は柳屋の
門
(
かど
)
に寄って、
皴枯
(
しわが
)
れた声で
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
傾
(
かたむ
)
けて
見返
(
みかへ
)
るともなく
見返
(
みかへ
)
る
途端
(
とたん
)
目
(
め
)
に
映
(
うつ
)
るは
何物
(
なにもの
)
蓬頭亂面
(
ほうとうらんめん
)
の
青年
(
せいねん
)
車夫
(
しやふ
)
なりお
高
(
たか
)
夜風
(
よかぜ
)
の
身
(
み
)
にしみてかぶる/\と
震
(
ふる
)
へて
立止
(
たちどま
)
りつゝ
此雪
(
このゆき
)
にては
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何処
(
どこ
)
を
何
(
なに
)
して歩いたものか、それともじっと
一
(
ひ
)
と
所
(
ところ
)
に
立止
(
たちどま
)
っていたものか、道にしたら
僅
(
わず
)
かに三四
町
(
ちょう
)
のところだが、そこを
徘徊
(
はいかい
)
していたものらしい。
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
「あ、お父さん」ボーイ・スカウトの服装に身を固めた素六は、緊張の
面
(
おもて
)
を
輝
(
かがや
)
かせて、
立止
(
たちどま
)
った。「いよいよ警戒管制が出ましたから、僕働いてきます!」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
なにやらあたりが騒がしくなったので、ギョッとして
立止
(
たちどま
)
ると、上から飛ぶように降りて来た若い男が
奇談クラブ〔戦後版〕:11 運命の釦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その時刻にまだ起きていた例の「
涙寿
(
なみだす
)
し」の
前
(
まえ
)
まで来て、やっと一息ついて、
立止
(
たちどま
)
ったが、
後方
(
うしろ
)
を見ると、もう何者も見えないので、やれ安心と思って
漸
(
ようや
)
くに帰宅をした
青銅鬼
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
私と妹とは
立止
(
たちどま
)
って仕方なく波の来るのを待っていました。高い波が
屏風
(
びょうぶ
)
を立てつらねたように押寄せて来ました。私たち三人は丁度具合よくくだけない中に波の脊を越すことが出来ました。
溺れかけた兄妹
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
『
音
(
おと
)
?。』と
私
(
わたくし
)
も
思
(
おも
)
はず
立止
(
たちどま
)
つて
耳
(
みゝ
)
を
濟
(
すま
)
すと、
風
(
かぜ
)
が
傳
(
も
)
て
來
(
く
)
る
一種
(
いつしゆ
)
の
響
(
ひゞき
)
。
全
(
まつた
)
く
無人島
(
むじんたう
)
と
思
(
おも
)
ひきや、
何處
(
いづく
)
ともなく、トン、トン、カン、カン、と
恰
(
あだか
)
も
谷
(
たに
)
の
底
(
そこ
)
の
底
(
そこ
)
で、
鐵
(
てつ
)
と
鐵
(
てつ
)
とが
戞合
(
かちあ
)
つて
居
(
を
)
るやうな
響
(
ひゞき
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
占
(
うらな
)
ひ
貰
(
もら
)
へ給はれとお專が
勸
(
すゝ
)
むるにぞ傳吉も彼方に立出或山路へかゝる所に一人の
侍士
(
さむらひ
)
に
逢
(
あ
)
ひ能々見れば先年新吉原の三浦やに
勤
(
つとめ
)
し頃同家の
空蝉
(
うつせみ
)
の
許
(
もと
)
へ
毎度
(
まいど
)
通ひし細川の家來井戸源次郎にてあり傳吉是はとばかり
立止
(
たちどま
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ぢやア
僕
(
ぼく
)
は帰るよ。もう………。」と
云
(
い
)
ふばかりで
長吉
(
ちやうきち
)
は
矢張
(
やは
)
り
立止
(
たちどま
)
つてゐる。その
袖
(
そで
)
をお
糸
(
いと
)
は軽く
捕
(
つかま
)
へて
忽
(
たちま
)
ち
媚
(
こび
)
るやうに
寄添
(
よりそ
)
ひ
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
彼は
俄
(
にわか
)
に
立止
(
たちどま
)
って声する
方
(
かた
)
を
透
(
すか
)
し
視
(
み
)
たが、
生憎
(
あやにく
)
に暗いので正体は判らぬ。更に耳を
澄
(
すま
)
して窺うと、声は
一人
(
ひとり
)
でない、
尠
(
すくな
)
くも
二人
(
ふたり
)
以上の人が倒れて
苦
(
くるし
)
んでいるらしい。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
後ろからぼんのくぼを撫でるような声を掛けられて、頼門はハッと
立止
(
たちどま
)
りました。
奇談クラブ〔戦後版〕:09 大名の倅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そのそばに
児守
(
こもり
)
や子供や人が大勢
立止
(
たちどま
)
っているので、何かと
近
(
ちかづ
)
いて見ると、坊主頭の老人が
木魚
(
もくぎょ
)
を
叩
(
たた
)
いて
阿呆陀羅経
(
あほだらきょう
)
をやっているのであった。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
這奴
(
こいつ
)
、幸いの獲物、
此方
(
こっち
)
が三人に鳥が三羽、丁度お誂え向だと喜んで、忍び足で其の
傍
(
そば
)
へ寄ると、鴨は人を見て飛ばず驚かず、
徐
(
しず
)
かに二足ばかり歩いて又
立止
(
たちどま
)
る、この畜生めと又追縋ると
木曽の怪物:――「日本妖怪実譚」より
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
長吉
(
ちやうきち
)
は
病後
(
びやうご
)
の
夕風
(
ゆふかぜ
)
を
恐
(
おそ
)
れてます/\
歩
(
あゆ
)
みを早めたが、
然
(
しか
)
し
山谷堀
(
さんやぼり
)
から
今戸橋
(
いまどばし
)
の
向
(
むかう
)
に開ける
隅田川
(
すみだがは
)
の
景色
(
けしき
)
を見ると、どうしても
暫
(
しばら
)
く
立止
(
たちどま
)
らずにはゐられなくなつた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
市郎は一旦
立止
(
たちどま
)
ったが、
此
(
こ
)
のまま半途で
引返
(
ひっかえ
)
しては何にもならぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ちょいと、わたし聞いて見るわ。」と突然
立止
(
たちどま
)
った。中島は話の腰を折られ、夢から覚めたような
眼付
(
めつき
)
をして、お玉が
向
(
むかい
)
の家の格子戸をあける
後姿
(
うしろすがた
)
をぼんやり眺めていた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
私たち二人は
三田通
(
みたどおり
)
に沿う
外囲
(
そとがこい
)
の
溝
(
どぶ
)
の
縁
(
ふち
)
に
立止
(
たちどま
)
って何処か
這入
(
はい
)
りいい処を見付けようと思ったが、板塀には少しも
破目
(
やぶれめ
)
がなく溝はまた広くてなかなか飛越せそうにも思われない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“立”で始まる語句
立
立派
立退
立停
立場
立上
立出
立竦
立籠
立塞