“たちどま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
立停47.7%
立留19.6%
立止14.0%
佇立9.3%
立佇5.6%
1.9%
佇止0.9%
立住0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
仕事が終って家へ帰ると、彼は雨戸の前に立停たちどまり、ちょっと雨戸を見まもっていて、それからゆっくりという、——この戸をあけよう。
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
エヘヽヽおもてとほ女子達をなごたちみな立留たちどまくらゐのもんで、ういふ珠揃たまぞろひのお方々かた/″\世辞せじあきなひしてらつしやるところかひましたのは手前共てまいども仕合しあはせ
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
町の尽頭はずれまで来た時に、お杉は初めて立止たちどまった。尾行して来た人々もう散ってしまった。お杉は柳屋のかどに寄って、皴枯しわがれた声で
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
何か斯う物を考へ/\歩いて行くといふことは、其の沈み勝ちな様子を見ても知れた。暫時しばらく丑松も佇立たちどまつて、じつ是方こちらの二人を眺めて、軈て足早に学校を指して急いで行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ああ、揃って大時計の前へ立佇たちどまった……いや三階でちょっとお辞儀をするわ。薄暗い処へ朦朧もうろうと胸高な扱帯しごきか何かで、さみしそうにあらわれたのが、しょんぼりと空から瞰下みおろしているらしい。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風がすそをあおって行こうと、自転車が、人が、犬がり抜けて通って行こうと、逸作は頓着とんじゃくなしにぬけぬけとたちどまって居る。これを、宇宙を小馬鹿にした形と、かの女は内心で評して居る。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
少女は此二階家の前に来ると暫時しばら佇止たちどまって居たが、窓を見上げて「江藤えとうさん」と小声で呼んだ、窓は少しあいていて、薄赤い光が煤にきばんだ障子に映じている。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
見れば伝馬町てんまちよう三丁目と二丁目との角なり。貫一はここにて満枝をかんと思ひ設けたるなれば、彼の語り続くるをも会釈ずして立住たちどまりつ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)