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たちどま
ふりがな文庫
“
佇立
(
たちどま
)” の例文
容子
(
ようす
)
がドウモ来客らしくないので、もしやと思って、
佇立
(
たちどま
)
って「森さんですか、」と声を掛けると、紳士は帽子に手を掛けつつ、「森ですが、君は?」
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
何か斯う物を考へ/\歩いて行くといふことは、其の沈み勝ちな様子を見ても知れた。
暫時
(
しばらく
)
丑松も
佇立
(
たちどま
)
つて、
熟
(
じつ
)
と
是方
(
こちら
)
の二人を眺めて、軈て足早に学校を指して急いで行つた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼女との結合の絲が、煩はしい束縛から、闇地を曳きずる太い鐵鎖とも、今はなつてゐるのではないかしら? 自分には分らない。彼は沈思し
佇立
(
たちどま
)
つて荒い溜息を吐くのであつた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「あらッ‼」と、いったままちょっと
段階
(
だんばしご
)
の途中に
佇立
(
たちどま
)
った。そしてまた降りて来た。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
毎
(
つね
)
に先頭をしているT氏はもう
何
(
ど
)
うしても暗くて途が分らぬと言いながら
佇立
(
たちどま
)
った。
武甲山に登る
(新字新仮名)
/
河井酔茗
(著)
▼ もっと見る
跡は両側の子供が又
続々
(
ぞろぞろ
)
と動き出し、
四辺
(
あたり
)
が大黒帽に
飛白
(
かすり
)
の
衣服
(
きもの
)
で
紛々
(
ごたごた
)
となる中で、私一人は
佇立
(
たちどま
)
ったまま、茫然として
轅棒
(
かじぼう
)
の先で子供の波を押分けて行くように見える車の影を見送っていた。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
丁度秋の中頃の寒くも暑くもない
快
(
こころよ
)
い晩で、余り景色が好いので二人は我知らず暫らく
佇立
(
たちどま
)
って
四辺
(
あたり
)
を眺めていた。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
高瀬も
佇立
(
たちどま
)
って、「
畢竟
(
つまり
)
、よく働くから、それでこう女の気象が
勇健
(
つよ
)
いんでしょう」
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
二、三間先に走っていたお宮ははたと
佇立
(
たちどま
)
って
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
或人が
不斗
(
ふと
)
尋ねると、
都々逸
(
どどいつ
)
端唄
(
はうた
)
から
甚句
(
じんく
)
カッポレのチリカラカッポウ
大陽気
(
おおようき
)
だったので、
必定
(
てっきり
)
お客を呼んでの
大酒宴
(
おおさかもり
)
の
真最中
(
まっさいちゅう
)
と、
暫
(
しば
)
らく
戸外
(
おもて
)
に
佇立
(
たちどま
)
って
躊躇
(
ちゅうちょ
)
していたが
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
庭の木立を洩れる音を塀越しに聞いて
茫然
(
ぼんやり
)
と
佇立
(
たちどま
)
る人も大分あるさうだ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
“佇立”の意味
《名詞》
佇立(ちょりつ / ちょりゅう)
しばらくその場に立ち止まること。佇(たたず)むこと。
(出典:Wiktionary)
佇
漢検1級
部首:⼈
7画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“佇立”で始まる語句
佇立所
佇立瞑目