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歸途
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かへり
ふりがな文庫
“
歸途
(
かへり
)” の例文
新字:
帰途
空は
爽
(
さはやか
)
に
晴渡
(
はれわた
)
ツて、星が、何かの眼のやうに、ちろり、ちろり
瞬
(
またたき
)
をしてをる。もう村の
若衆等
(
わかいしゆたち
)
が、
夜遊
(
よあそび
)
の
歸途
(
かへり
)
の
放歌
(
うた
)
すら
聞
(
きこ
)
えない。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
何
(
な
)
にしろ
弱
(
よわ
)
つたらしい。……
舞臺
(
ぶたい
)
の
歸途
(
かへり
)
として、
今
(
いま
)
の
隧道
(
トンネル
)
を
越
(
こ
)
すのは、
芝居
(
しばゐ
)
の
奈落
(
ならく
)
を
潛
(
くゞ
)
るやうなものだ、いや、
眞個
(
まつたく
)
の
奈落
(
ならく
)
だつた。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其
(
そ
)
れから
町人
(
ちやうにん
)
の
家
(
いへ
)
よりの
歸途
(
かへり
)
、
郵便局
(
いうびんきよく
)
の
側
(
そば
)
で、
豫
(
かね
)
て
懇意
(
こんい
)
な
一人
(
ひとり
)
の
警部
(
けいぶ
)
に
出遇
(
であ
)
つたが
警部
(
けいぶ
)
は
彼
(
かれ
)
に
握手
(
あくしゆ
)
して
數歩計
(
すうほばか
)
り
共
(
とも
)
に
歩
(
ある
)
いた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
御用を濟ませて大阪へ
伸
(
の
)
したよ、
歸途
(
かへり
)
はお伊勢詣りもし度いからといふ文面では、まだ十日や二十日はかゝりさうです。
銭形平次捕物控:264 八五郎の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
をぢさんは
歸途
(
かへり
)
に本郷の友達の
家
(
うち
)
に寄ると、友達は自分の識つてゐる踊の師匠の
大浚
(
おほさら
)
ひが柳橋のあるところに開かれて、これから義理に顔出しをしなければならないから
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
芝の
神明樣
(
しんめいさま
)
の
祭禮
(
おまつり
)
の
歸途
(
かへり
)
に、京橋の松田といふ
料理店
(
おちやや
)
で、支那人の
人浚
(
ひとさらひ
)
に目をつけられたとかで、祖母と供の者を吃驚させたことがあるが、むやみやたらと敵愾心を煽つて
日本橋あたり
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今日は幸ひ土曜日なので、授業が濟むと直ぐ歸つた。そして、
歸途
(
かへり
)
に買つて來た——一圓某の安物ではあるが——白地の荒い染の反物を
裁
(
た
)
つて、二人の單衣を仕立に掛つた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
處
(
ところ
)
が
或日
(
あるひ
)
のこと、やはり
學校
(
がくかう
)
の
歸途
(
かへり
)
に
庄園
(
しやうゑん
)
の
壁
(
かべ
)
の
上
(
うへ
)
でラクダルを
揄揶
(
からか
)
つて
居
(
ゐ
)
た
少年
(
こども
)
の中に、
何
(
なん
)
と
思
(
おも
)
つたか
甚
(
ひど
)
く
感心
(
かんしん
)
して
了
(
しま
)
ひ
自分
(
じぶん
)
も
是非
(
ぜひ
)
怠惰屋
(
なまけや
)
にならうと
決心
(
けつしん
)
した
兒
(
こ
)
が
一人
(
ひとり
)
あつた。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
お辰樣が扇の風にでも沸ひてほしく、お宿もとまで罷り出たる次第と例に似ぬ與之助がをかしき詞に、お辰座をたちて迎へながら、大分御機げんで御座んすの、梅見のお
歸途
(
かへり
)
か
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
葬式
(
ともらひ
)
の
歸途
(
かへり
)
にか、戲れに笛吹き鳴らし
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
この
歸途
(
かへり
)
に、
公園
(
こうゑん
)
の
木
(
き
)
の
下
(
した
)
で、
小枝
(
こえだ
)
に
首
(
くび
)
をうなだれた、
洋傘
(
パラソル
)
を
疊
(
たゝ
)
んだばかり、バスケツト
一
(
ひと
)
つ
持
(
も
)
たない、
薄色
(
うすいろ
)
の
服
(
ふく
)
を
着
(
つ
)
けた、
中年
(
ちうねん
)
の
華奢
(
きやしや
)
な
西洋婦人
(
せいやうふじん
)
を
視
(
み
)
た。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
汽車の
歸途
(
かへり
)
の路すがら、
奈何
(
どう
)
しても
通抜
(
とほりぬけ
)
が出來なかつたから、突然ではあつたが、なつかしい此村を訪問したと云ふ事、今では東京に理髮店を開いてゐて、熟練な職人を四人も使つてるが
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
興味があるから、つい
家
(
うち
)
から遠く離れて、
歸途
(
かへり
)
には
往々
(
まゝ
)
とんだ
怖
(
おそ
)
ろしい思をする事もある。けれども螢に
浮
(
うか
)
されて、半分は夢中になツてゐるのだから家の遠くなる事などは氣が付かう筈が無い。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
倉賀屋の
歸途
(
かへり
)
、平次は斯んな事を言ひ出すのです。
銭形平次捕物控:071 平次屠蘇機嫌
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
漸
(
やつ
)
と
一
(
ひと
)
どんぶり、それでも
我慢
(
がまん
)
に
平
(
たひら
)
げて、「うれしい、お
見事
(
みごと
)
。」と
賞
(
ほ
)
められたが、
歸途
(
かへり
)
に
路
(
みち
)
が
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つて、
溝端
(
どぶばた
)
へ
出
(
で
)
るが
否
(
いな
)
や、げツといつて、
現實
(
げんじつ
)
立所
(
たちどころ
)
に
暴露
(
ばくろ
)
におよんだ。
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
君の亂暴は、或は
生來
(
うまれつき
)
なのかも知れないね。そら、まだお互に
郷里
(
くに
)
に居て、尋常科の時分だ。僕が四年に君が三年だつたかな、學校の
歸途
(
かへり
)
に、そら、酒屋の林檎畑へ
這入
(
はい
)
つた事があつたらう。
漂泊
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そして、
踊
(
をどり
)
……
踊
(
をどり
)
の
歸途
(
かへり
)
……
恁
(
か
)
う
着崩
(
きくづ
)
した
處
(
ところ
)
を
見
(
み
)
ては、
往路
(
ゆき
)
ではあるまい。
踊子
(
をどりこ
)
だらう。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その日は
歸途
(
かへり
)
に雨に會つて來て、食事に茶の間に行くと外の人は既う濟んで私一人
限
(
きり
)
だ。内儀は私に少し濡れた羽織を脱がせて、眞佐子に切爐の火で
乾
(
ほ
)
させ乍ら、自分は私に飯を
裝
(
よそ
)
つて呉れてゐた。
札幌
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「お
歸途
(
かへり
)
に、二十四——と
呼
(
よ
)
んで
下
(
くだ
)
さい。その
時
(
とき
)
お
渡
(
わた
)
し
申
(
まを
)
しますから。」
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
それがために
意地汚
(
いぢきたな
)
く、
歸途
(
かへり
)
に
恁
(
か
)
うした
場所
(
ばしよ
)
へ
立寄
(
たちよ
)
つた
次第
(
しだい
)
ではない。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
却説
(
さて
)
、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れて、
其
(
そ
)
の
歸途
(
かへり
)
である。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
私
(
わたし
)
は
見舞
(
みまひ
)
に
行
(
い
)
つた
歸途
(
かへり
)
です。」
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
否
(
いゝえ
)
、
歸途
(
かへり
)
で
可
(
い
)
いのよ。」
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
歸
部首:⽌
18画
途
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
“歸”で始まる語句
歸
歸依
歸京
歸宅
歸國
歸路
歸省
歸着
歸邸
歸役