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止
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とゞま
ふりがな文庫
“
止
(
とゞま
)” の例文
余が箱根の月大磯の波よりも、銀座の夕暮吉原の
夜半
(
やはん
)
を愛して避暑の時節にも
独
(
ひと
)
り東京の家に
止
(
とゞま
)
り居たる事は君の
能
(
よ
)
く知らるゝ処に候。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
痛
(
いた
)
く
心配
(
しんぱい
)
して『あまりに
御身
(
おんみ
)
を
輕
(
かろ
)
んじ
玉
(
たま
)
ふな。』と
明眸
(
めいぼう
)
に
露
(
つゆ
)
を
帶
(
お
)
びての
諫言
(
いさめごと
)
、
私
(
わたくし
)
は
實
(
じつ
)
に
殘念
(
ざんねん
)
であつたが
其儘
(
そのまゝ
)
思
(
おも
)
ひ
止
(
とゞま
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
止
(
とゞま
)
りしと雖も小夜衣の事を思ひ
切
(
きり
)
しに非ず
只々
(
たゞ/\
)
便
(
たよ
)
りをせざるのみにて我此家の相續をなさば是非とも
渠
(
かれ
)
を
早々
(
さう/\
)
身請
(
みうけ
)
なし
手活
(
ていけ
)
の花と
詠
(
なが
)
めんものを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
こゝには神も人に
交
(
まじは
)
つて人間の姿人間の情を
裝
(
よそほ
)
つた。されば流れ出づる感情は往く處に往き、
止
(
とゞま
)
る處に止りて毫も
狐疑
(
こぎ
)
踟蹰
(
ちゝう
)
の態を學ばなかつた。
新しき声
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
淫慾
(
いんよく
)
も
財慾
(
ざいよく
)
も
慾
(
よく
)
はいづれも身を
亡
(
ほろぼ
)
すの
香餌
(
うまきゑさ
)
也。
至善
(
よき
)
人は路に千金を
視
(
み
)
、
室
(
いへ
)
に
美人
(
びじん
)
と
対
(
たい
)
すれども
心
(
こゝろ
)
妄
(
みだり
)
に
動
(
うごか
)
ざるは、
止
(
とゞま
)
ることを
知
(
し
)
りて
定
(
さだま
)
る事あるゆゑ也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
馬鹿、靜かに物を言へ、往來の人が顏を見るぢやないか、——ところで、女が物を落すと、どんなに忙しい時でも大抵
踏
(
ふ
)
み
止
(
とゞま
)
つて一應は拾ひ上げるものだ。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
富「誠に幸いな処へ駈付けました、どうか水飴を召上る事はお
止
(
とゞま
)
りを願います、決して召上る事は
相成
(
あいなり
)
ません」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
然し半年とは辛抱しきれなかつた。それなり一年あまり私は家に
止
(
とゞま
)
つて家業の手伝ひをしてゐた。その頃私の家は佐賀ステーション前に宿屋を営んでゐたのである。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
中江
篤介
(
とくすけ
)
氏は社会的に平民主義を論じ、星、大井の諸氏は法律論を唱へ、此回顧的退歩的の潮流に抗し民心を激励
鞭撻
(
べんたつ
)
して此切所に踏み
止
(
とゞま
)
り、更に進歩的の方角に之を指導せんとせり。
明治文学史
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
特別の場合を除き、十分間以上舞台に
止
(
とゞま
)
るべからず。
職業(教訓劇)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
『あの時代だから、
豪
(
えら
)
いと言へば豪いんだねえ。それに勤王といふことは、トピツクが好いからね……。そんなに豪いツていふ人物でもなかつたんだらう……筑後で自殺したのも、何方かと言へば、センチメンタリズムに
止
(
とゞま
)
るからねえ。』
百日紅
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
散り行く花も
止
(
とゞま
)
りて
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
其後
(
そのご
)
の
便船
(
びんせん
)
で
通知
(
つうち
)
が
參
(
まい
)
りましたので、
其
(
その
)
方
(
ほう
)
は
漸
(
やうや
)
く
胸
(
むね
)
撫
(
な
)
でおろし、
日本
(
につぽん
)
へ
皈
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
も
其儘
(
そのまゝ
)
思
(
おも
)
ひ
止
(
とゞま
)
つたのです。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
殺し置き
自儘
(
じまゝ
)
に
生害
(
しやうがい
)
なすと云は天下の大法知ぬに
似
(
に
)
て
武士
(
ぶし
)
たる者の爲こと成ず依て
暫時
(
しばらく
)
死
(
し
)
を
止
(
とゞま
)
り
夜
(
よ
)
明
(
あけ
)
るを待ち
奉行所
(
ぶぎやうしよ
)
へ名乘て出て
相應
(
さうおう
)
なる
處分
(
しよぶん
)
を受るが
至當
(
したう
)
なれば先其
刄
(
やいば
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
貧しい
本所
(
ほんじよ
)
の一
区
(
く
)
が
此処
(
こゝ
)
に
尽
(
つ
)
きて
板橋
(
いたばし
)
のかゝつた
川向
(
かはむか
)
うには
野草
(
のぐさ
)
に
蔽
(
おほ
)
はれた
土手
(
どて
)
を越して、
亀井戸村
(
かめゐどむら
)
の
畠
(
はたけ
)
と
木立
(
こだち
)
とが美しい田園の
春景色
(
はるげしき
)
をひろげて見せた。
蘿月
(
らげつ
)
は踏み
止
(
とゞま
)
つて
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
流石
(
さすが
)
は文治殿の御家内だけ……女ですら
斯様
(
かよう
)
でありますのに、あなた方は只文治殿の事のみを思い、お心得違いをなさいましたなア、さア分りましたらお
止
(
とゞま
)
りなさい、
如何
(
いかゞ
)
でござるな
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
慕
(
したは
)
せ今に至るまでも名奉行と言る時は只に忠相ぬし一
個
(
にん
)
に
止
(
とゞま
)
るが如く思ひ大岡越前守の名は三歳の小兒といへども之を
知
(
しり
)
頻
(
しきり
)
に
明斷
(
めいだん
)
を
稱
(
たゝへ
)
るこそ
人傑
(
じんけつ
)
の
才
(
さい
)
稀世
(
きせい
)
の人といふ可し是等を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
てにをはを知るよりまづ ABC を知らねばならぬ。歐米を旅行して、自分は歐文を綴り得るだけの才能に
止
(
とゞま
)
り、日本の手紙すら滿足には書き得ない知名の外交官に
幾人
(
いくたり
)
邂逅したであらう。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
イヤ、
茲
(
こゝ
)
に
只
(
たゞ
)
一人
(
いちにん
)
特別
(
とくべつ
)
に
私
(
わたくし
)
の
眼
(
め
)
に
止
(
とゞま
)
つた
者
(
もの
)
があつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“止”を含む語句
停止
笑止
中止
静止
小止
挙止
踏止
休止
取止
波止場
立止
行止
押止
廃止
制止
駒止
思止
默止
発止
底止
...