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廣場
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ひろば
公園の
廣場は、
既に
幾萬の
人で
滿ちて
居た。
私たちは、
其の
外側の
濠に
向つた
道傍に、やう/\
地のまゝの
蓆を
得た。
西の雲間に、
河岸並に、
金の入日がぱつとして、
群集の
上に、
淡紅の光の波のてりかへし。今シァアトレエの
廣場には、人の出さかり、馬車が
跳れば電車が滑る。
其時愛ちやんは
突然打開いたる
廣場に
出ました、
其所には
漸く四
寸位の
高さの
小家がありました
二、
非常の
地震たるを
覺るものは
自ら
屋外に
避難せんと
力めるであらう。
數秒間に
廣場へ
出られる
見込みがあらば
機敏に
飛び
出すがよい。
但し
火の
元用心を
忘れざること。
それ
故に
若し
數秒間で
廣場へ
出られる
見込みがあらば、
最も
機敏にさうする
方が
個人として
最上の
策たるに
相違ない。
唯一つ
茲に
考慮すべきは
火の
用心に
關する
問題である。
彌次馬なんざ、こんな
不景氣な、
張合のない
處には
寄着はしないので、むらがつてるものの
多くは
皆このあたりの
廣場でもつて、びしよ/\
雨だから
凧を
引摺つてた
小兒等で。
好い
工合にそれを
抱く
方法を
考へつくや
否や、(それを
瘤のやうに
丸めて
了つて、それから
其れが
解けないやうに、
其右の
耳と
左足とを
緊乎と
持つて)
愛ちやんはそれを
廣場へ
持つて
行きました。
勿論崩壞の
虞れなき
家屋の
内にゐるとか、
或は
廣場など
安全な
場所に
居合せたなら
畏縮する
程のこともないであらう。また
餘震の
恐れるに
足らないこともほゞ
前に
述べた
通りである。
立つて
見送れば、
其の
婦を
乘せた
電車は、
見附の
谷の
窪んだ
廣場へ、すら/\と
降りて、
一度暗く
成つて
停まつたが、
忽ち
風に
乘つたやうに
地盤を
空ざまに
颯と
坂へ
辷つて、
青い
火花がちらちらと
私たちは、
其から、
御所前の
廣場を
志して
立退くのに
間はなかつた。