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幽霊
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ゆうれい
ふりがな文庫
“
幽霊
(
ゆうれい
)” の例文
旧字:
幽靈
けれどもわたしは、それよりももっと
珍
(
めずら
)
しい、もう一つの都市を知っています。それは都市の死骸ではなくて、都市の
幽霊
(
ゆうれい
)
です。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
すべすべとふくれてしかも
出臍
(
でべそ
)
という
奴
(
やつ
)
、
南瓜
(
かぼちゃ
)
の
蔕
(
へた
)
ほどな
異形
(
いぎょう
)
な者を片手でいじくりながら
幽霊
(
ゆうれい
)
の手つきで、片手を宙にぶらり。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかるに衣服を代えると、こんどはまた代えた新しき衣服を非難する。赤は派手すぎると悪くいう。白くすれば
幽霊
(
ゆうれい
)
のようだと非難する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
その
頃
(
ころ
)
、僕
達
(
たち
)
は
郊外
(
こうがい
)
の墓場の裏に居を定めていたので、初めの程は二人共
妙
(
みょう
)
に
森閑
(
しんかん
)
とした気持ちになって、よく
幽霊
(
ゆうれい
)
の
夢
(
ゆめ
)
か何かを見たものだ。
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
そうしてその
幽霊
(
ゆうれい
)
が時々我々の耳へ口をつけて、そっと昔の話を囁いてくれる。——そんな怪しげな考えがどうしても念頭を離れないのです。
開化の良人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「じつは、ゆうべ
幽霊
(
ゆうれい
)
がはいってまいりました。その幽霊は、手が両方ともありませんでしたが、口でナシをひとつ食べたのでございます。」
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
巌は寝台の縁に片手をかけ、
幽霊
(
ゆうれい
)
のごとくはいだして父のあとを追わんとしたが、
火傷
(
やけど
)
の痛みに中心を失って思わず寝台の下にドウと落ちた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
幽霊
(
ゆうれい
)
じゃない、幽霊じゃない、あれは嘘かいや、そうとは知らずにきみ子は孫をつれて親元い
去
(
い
)
んだのに。——いねは嬉し泣きに泣きむせんだ。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
ニールスが高い空から海と島とを見おろしたときには、なにもかもがひどくきみわるく、まるで
幽霊
(
ゆうれい
)
のように見えました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
少しも風のない、むしむしする日であったから、所々開かれた汽車の窓から、進行につれて忍び込むそよ風も、
幽霊
(
ゆうれい
)
の様に尻切れとんぼであった。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「そうだね。一寸ここまでおいで。」その黄色な
幽霊
(
ゆうれい
)
は、ネネムの四角な
袖
(
そで
)
のはじをつまんで、一本のばけものりんごの木の下まで連れて行って
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
歩いて行くと、そこらのさまざまな物がぼんやりした光の中できみょうな
幽霊
(
ゆうれい
)
じみた形をしているように見えた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
何
(
なに
)
をいってんだね。そこまで
明
(
あ
)
かしておきながら、あとは
幽霊
(
ゆうれい
)
の
足
(
あし
)
にしちまうなんて、
馬鹿
(
ばか
)
なことがあるもんかね。——お
前
(
まえ
)
さんさっき、
何
(
な
)
んといったい。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「なにが
幽霊
(
ゆうれい
)
なものか、
俺
(
おれ
)
たちはみんなおまえがたの
顔
(
かお
)
を
覚
(
おぼ
)
えている。」と、
二人
(
ふたり
)
はいって、だれかれの
名
(
な
)
をいっては、なつかしさのあまり
抱
(
だ
)
きつきました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
宗助
(
そうすけ
)
と
御米
(
およね
)
の一生を暗く
彩
(
いろ
)
どった関係は、二人の影を薄くして、
幽霊
(
ゆうれい
)
のような思をどこかに
抱
(
いだ
)
かしめた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
あの
痩
(
や
)
せた、
蒼白
(
あおじろ
)
い、まるで
幽霊
(
ゆうれい
)
のような
醜
(
みに
)
くい
自分
(
じぶん
)
の
姿
(
すがた
)
——
私
(
わたくし
)
は
一
(
ひ
)
と
目
(
め
)
見
(
み
)
てぞっとして
了
(
しま
)
いました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
戸を
開
(
あ
)
けて、海——かと思うた。家を
繞
(
めぐ
)
って
鉛色
(
なまりいろ
)
の
朝霞
(
あさがすみ
)
。村々の森の
梢
(
こずえ
)
が、
幽霊
(
ゆうれい
)
の様に
空
(
そら
)
に浮いて居る。雨かと
舌鼓
(
したつづみ
)
をうったら、
霞
(
かすみ
)
の中からぼんやりと
日輪
(
にちりん
)
が出て来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
では、トランクの
幽霊
(
ゆうれい
)
か。トランクに霊あるを
未
(
いま
)
だ聞いたことがない。
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
おまけに、向うの暗い道では、ひょろ長の
幽霊
(
ゆうれい
)
が
踊
(
おど
)
りをおどっていて、それがだんだんこっちへ近づいてくるではありませんか。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
王さまは
坊
(
ぼう
)
さんをひとりつれてきました。この人は
幽霊
(
ゆうれい
)
に話しかける
役
(
やく
)
だったのです。三人は木の下にこしをおろして、気をつけていました。
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
五日のお月さまは、この時雲と山の
端
(
は
)
とのちょうどまん中にいました。シグナルはもうまるで顔色を
変
(
か
)
えて
灰色
(
はいいろ
)
の
幽霊
(
ゆうれい
)
みたいになって言いました。
シグナルとシグナレス
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
二人はその汽車の中にグラスゴオのパイプを
啣
(
くわ
)
えながら、
煙草
(
たばこ
)
の話だの学校の話だの
幽霊
(
ゆうれい
)
の話だのを交換した。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それは
金銀
(
きんぎん
)
宝石
(
ほうせき
)
を
積
(
つ
)
んだ
幽霊船
(
ゆうれいぶね
)
が、ある
港
(
みなと
)
へ
着
(
つ
)
いたときに、そのお
金
(
かね
)
や
宝石
(
ほうせき
)
がほしいばかりに、
幽霊
(
ゆうれい
)
を
自分
(
じぶん
)
の
家
(
うち
)
につれてきて
泊
(
と
)
めた、
欲深者
(
よくふかもの
)
の
話
(
はなし
)
でありました。
善いことをした喜び
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
世の迷信を
嗤
(
わら
)
わんがために一夜墓地に散歩して
石碑
(
せきひ
)
を
叩
(
たた
)
いて
幽霊
(
ゆうれい
)
があるものなら
顕
(
あらわ
)
れよと言って、一夜を暮らしたという話があるが、これを批評してカーライルが
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それを
大袈裟
(
おおげさ
)
に礼を言って、
極
(
きまり
)
を悪がらせた上に、姿とは何事です。
幽霊
(
ゆうれい
)
じゃあるまいし、
心持
(
こころもち
)
を悪くする姿というがありますか。
図体
(
ずうたい
)
とか、
状
(
さま
)
とかいうものですよ。
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
幽霊
(
ゆうれい
)
かもしれんよ」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「おまえは
神
(
かみ
)
さまのところからきたのか。それとも、人間の
世
(
よ
)
のなかからきたのか。おまえは
幽霊
(
ゆうれい
)
なのか、人間なのか。」
手なしむすめ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「おまえがたは
幽霊
(
ゆうれい
)
じゃないか?」といって、
黒
(
くろ
)
んぼの
仲間
(
なかま
)
は、
二人
(
ふたり
)
のものを
取
(
と
)
り
囲
(
かこ
)
みました。
二人
(
ふたり
)
のようすは、
島
(
しま
)
を
出
(
で
)
るときとは、まったく
違
(
ちが
)
っていました。
幸福に暮らした二人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そら、Hさん、ありゃいつでしたかね、ながらみ取りの
幽霊
(
ゆうれい
)
が出るって言ったのは?」
海のほとり
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
嗚呼
(
ああ
)
博士よ、君にして
幽霊
(
ゆうれい
)
を見るの望みあるならば、なんぞ
墓場
(
はかば
)
に行くを要せん。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
たしかにみんなそう云う気もちらしかったのです。製板の
小屋
(
こや
)
の中は
藍
(
あい
)
いろの
影
(
かげ
)
になり、白く光る
円鋸
(
まるのこ
)
が四、五
梃
(
ちょう
)
壁
(
かべ
)
にならべられ、その一梃は
軸
(
じく
)
にとりつけられて
幽霊
(
ゆうれい
)
のようにまわっていました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
生きている
幽霊
(
ゆうれい
)
四次元漂流
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「あんまり
思
(
おも
)
いがけなかったので
幽霊
(
ゆうれい
)
かと
思
(
おも
)
ったわ。」と、
姉
(
あね
)
はへやへもどると、
母
(
はは
)
に
話
(
はな
)
していました。
兄の声
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
幽霊
(
ゆうれい
)
地底戦車の怪人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
達夫
(
たつお
)
は、
目
(
め
)
をみはりました。たとい、
幽霊
(
ゆうれい
)
でも、お
父
(
とう
)
さんだったら
抱
(
だ
)
きつこうと
待
(
ま
)
っていると、それは、
釣
(
つ
)
りざおをかついで、どこかの
人
(
ひと
)
がつかれた
足
(
あし
)
を
引
(
ひ
)
きずりながらくるのでした。
夕焼けがうすれて
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“幽霊”の解説
月岡芳年「皿やしき於菊乃霊」
幽霊(ゆうれい)とは、以下を指す概念。
死んだ者が成仏できず姿を現したもの
死者の霊が現れたもの
(出典:Wikipedia)
幽
常用漢字
中学
部首:⼳
9画
霊
常用漢字
中学
部首:⾬
15画
“幽霊”で始まる語句
幽霊船
幽霊物語
幽霊軍隊
幽霊人
幽霊塔
幽霊島
幽霊種
幽霊船長