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宜
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よろし
ふりがな文庫
“
宜
(
よろし
)” の例文
乃美
乃
(
すなは
)
ち杉山松助、時山直八をして、状を探らしむ。二人帰り報じて曰く、俊太郎逮捕の為め、或ひは不穏の事あらん。
宜
(
よろし
)
く邸門の守を
大衆維新史読本:07 池田屋襲撃
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
究竟
(
つまり
)
名義だけあれば
宜
(
よろし
)
いので、私の方では十分貴方を信用してをるのですから、
決
(
け
)
してその連帯者に掛らうなどとは思はんのです。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
致し
誠
(
まこと
)
の修驗と相成て後當村へ
歸
(
かへ
)
り其時にこそ
師匠
(
ししやう
)
感應院の院を
續度
(
つぎたく
)
存ずるなり
哀
(
あは
)
れ此儀を
御許
(
おんゆる
)
し下され度
夫迄
(
それまで
)
の内は感應院へは
宜
(
よろし
)
き代りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
更に薏苡と題する詩の中には、「草木各〻
宜
(
よろし
)
きあり、珍産南荒に
駢
(
なら
)
ぶ。絳嚢茘枝を
懸
(
か
)
け、雪粉桄榔を
剖
(
さ
)
く」といふ句がある。
放翁鑑賞:07 その七 ――放翁詩話三十章――
(新字旧仮名)
/
河上肇
(著)
更に一歩を転じて之を考ふるに、事業を以て文学を論ずるの標率となすに於ては、近頃民友社と自由党の争などは如何に判決して
宜
(
よろし
)
かるべきや。
賤事業弁
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
▼ もっと見る
しかるに女子解放運動は、女子をしてその母性を失わしめるから
宜
(
よろし
)
くない。新しい女子は母たることを回避すると。
「女らしさ」とは何か
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「へへへ、
煮加減
(
にえかげん
)
の
宜
(
よろし
)
い処と、お
燗
(
かん
)
をみて、取のけて置きましたんで、へい、たしかに、その清らかな。」
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
松陰に語りて曰く、「男子
宜
(
よろし
)
く海外に遊び、
宇内
(
うだい
)
の形勢に通じ、以て緩急の用に資せざるべからず」と。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
今までの芸者屋とは違うぞ、世間の評も
宜
(
よろし
)
くないから、友之助の留守には
何
(
ど
)
んな男が来ても留守だから上げることは出来んと云って
速
(
すみやか
)
に帰せよ、必ず浮いた心を出すな
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかれどもこれを救う法、もしその
宜
(
よろし
)
きを得ざれば、その害もまた少々ならざるべし。あるいは
云
(
いわく
)
、天下最良の教を
撰
(
えら
)
ぶべし。あるいは云、人々の好むところに任すべし。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
人生に
禍
(
わざわい
)
多し、しかもヨブの如き清き家庭を営める人においては、妻の離反は最大の禍であるというべきである。産を悉く失うも
宜
(
よろし
)
い。子を悉く失うもあるいは堪え得よう。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
清水は昨夜から待て居るので万事の都合
宜
(
よろし
)
く、その船宿に二晩
窃
(
ひそか
)
に
泊
(
とまっ
)
て、
夫
(
そ
)
れから清水の故郷
武州
(
ぶしゅう
)
埼玉
郡
(
ごおり
)
羽生村
(
はにゅうむら
)
まで二人を連れて来て、
其処
(
そこ
)
も何だか気味が悪いと
云
(
い
)
うので
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして一つには切脱ける口が重く、ついに
宜
(
よろし
)
いで
点頭
(
うなず
)
いて、半丁ばかり来て振返れば、春泉の二階になお
燈光
(
あかり
)
が見える、小歌はあのまゝ帰るか知らん、もしひょっと、もしひょっと
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
五六日ふりしのち此
比
(
ごろ
)
までふらず、此比三度少し
宛
(
づつ
)
ふりたれども、
地泥
(
ちでい
)
をなすにいたらず。然れども此上ふりてはまたあしし。これにてよき程也。これは蒓郷に
宜
(
よろし
)
。土地によるべし。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
われは嘗て我才の戲場に
宜
(
よろし
)
くして、我
吭
(
のんど
)
の喝采を博するに足るを
驗
(
ため
)
し得たれば、一たび意を決して俳優の群に投ぜば、多少の發展を見んこと
難
(
かた
)
からざるべし。ベルナルドオ畢竟
何爲者
(
なにするもの
)
ぞ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
その教導の
方
(
ほう
)
、
宜
(
よろし
)
きを得れば善かつ知、その方を誤れば頑かつ愚となるなり。
教育談
(新字新仮名)
/
箕作秋坪
(著)
「酒宴の用意は
宜
(
よろし
)
きか。長羅よ。爾の持ち帰った不弥の宝は美事である。」
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
どうでも
宜
(
よろし
)
かったのね、ただ、時計がきゅうにほしくなったのね。
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
見合せ伺ひ申べしとのことにて
先
(
まづ
)
夫迄
(
それまで
)
は大坂の
早打
(
はやうち
)
は
留置
(
とめおけ
)
との趣きなり近江守は甚だ
迷惑
(
めいわく
)
の儀なれども
御重役
(
ごぢうやく
)
の申付
是非
(
ぜひ
)
なく御機嫌の
宜
(
よろし
)
き時節を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
こんな事を申上げては
甚
(
はなは
)
だ失礼なのでございますけれど、何時まで
彼方
(
あちら
)
にゐらつしやるよりは、早く独立あそばした方が
宜
(
よろし
)
いでは御坐いませんか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
人を殺すと云うのは
宜
(
よろし
)
くない事だ、思止まるが
宜
(
い
)
いと云うと、壮士等は中々聞入れず
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
概
(
おおむ
)
ね皆衣食だに給せざるを以て、これに及ぶに
遑
(
いとま
)
あらざるのである。
宜
(
よろし
)
く現に甲冑を有せざるものには、金十八両を貸与してこれが
貲
(
し
)
に
充
(
み
)
てしめ、年賦に依って還納せしむべきである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
宜
(
よろし
)
いかね、
此
(
これ
)
を
要
(
えう
)
するに、
少
(
すくな
)
くとも
空屋
(
あきや
)
に
限
(
かぎ
)
る……
有
(
あ
)
りますか、
人
(
ひと
)
の
居
(
ゐ
)
ない
小家
(
こや
)
はあるか。
有
(
あ
)
れば、
其処
(
そこ
)
へ
行
(
ゆ
)
く。これから
此
(
こ
)
の
足
(
あし
)
で
直
(
す
)
ぐに
行
(
ゆ
)
きます。——
宿
(
やど
)
へ
帰
(
かへ
)
つて
一先
(
ひとま
)
づ
落着
(
おちつ
)
け? ……
呑気
(
のんき
)
な
事
(
こと
)
を。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「さあ、行つて見ませう。
御母
(
おつか
)
さんから
御許
(
おゆるし
)
が出たから可いではありませんか、ねえ、
貴方
(
あなた
)
、
宜
(
よろし
)
いでありませう」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
上へ
伺
(
うかゞ
)
ふには餘人にては
宜
(
よろし
)
からず兼々
御懇命
(
ごこんめい
)
を
蒙
(
かうむ
)
る石川近江守然るべしとて近江守を
招
(
まね
)
かれ
委細
(
ゐさい
)
申し
含
(
ふく
)
め
御機嫌
(
ごきげん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
一
兄公
(
こじゅうと
)
女公
(
こじゅうとめ
)
は夫の兄弟なれば敬ふ可し。夫の親類に
謗
(
そし
)
られ
憎
(
にくま
)
るれば舅姑の心に
背
(
そむき
)
て我身の為には
宜
(
よろし
)
からず。
睦敷
(
むつまじく
)
すれば嫜の心にも協う。又
娌
(
あいよめ
)
を親み睦敷すべし。殊更夫の
兄
(
あに
)
嫂
(
あによめ
)
は
厚
(
あつく
)
敬
(
うやま
)
ふべし。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
これ等はごく御用心の
宜
(
よろし
)
い方で。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すると
金港堂
(
きんかうどう
)
一
件
(
けん
)
の話が有つて、
硯友社
(
けんいうしや
)
との関係を
絶
(
た
)
ちたいやうな
口吻
(
くちぶり
)
、
其
(
それ
)
は
宜
(
よろし
)
いけれど、
文庫
(
ぶんこ
)
に
連載
(
れんさい
)
してある小説の
続稿
(
ぞくかう
)
だけは送つてもらひたいと
頼
(
たの
)
んだ、
承諾
(
しようだく
)
した、
然
(
しか
)
るに
一向
(
いつかう
)
寄来
(
よこ
)
さん
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
“宜”の意味
《名詞》
(むべ)納得がいく様子。理に適っている様子。
(出典:Wiktionary)
宜
常用漢字
中学
部首:⼧
8画
“宜”を含む語句
便宜
宜敷
時宜
適宜
便宜上
禰宜
機宜
仲宜
本宜
便宜的
土宜
宜加減
宜道
神禰宜
御便宜
宜山
宜々
宜樣
御時宜
老禰宜
...