夕顏ゆふがほ)” の例文
新字:夕顔
はりに、青柳あをやぎ女郎花をみなへし松風まつかぜ羽衣はごろも夕顏ゆふがほ日中ひなか日暮ひぐれほたるひかる。(太公望たいこうばう)はふうするごとくで、殺生道具せつしやうだうぐ阿彌陀あみだなり。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
さもあらばあれ、夕顏ゆふがほ薄化粧うすげしやうかけひみづたまふくむで、露臺ろだいほしに、ゆきおもてうつす、姿すがたまたこゝにあり、姿すがたまたこゝにあり。
月令十二態 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
月影つきかげは、夕顏ゆふがほのをかしくすがれるがき一重ひとへへだてたる裏山うらやま雜木ざふきなかよりさして、浴衣ゆかたそで照添てりそふも風情ふぜいなり。
逗子だより (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夕顏ゆふがほには、豆府とうふかな——茄子なすびなへや、胡瓜きうりなへ藤豆ふぢまめ、いんげん、さゝげのなへ——あしたのおつけのは……
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二時やつさがりに松葉まつばこぼれて、ゆめめて蜻蛉とんぼはねかゞやとき心太ところてんおきなこゑは、いち名劍めいけんひさぐにて、打水うちみづ胡蝶てふ/\おどろく。行水ぎやうずゐはな夕顏ゆふがほ納涼臺すゞみだい縁臺えんだい月見草つきみさう
五月より (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
たなしてかくるとにもあらず、夕顏ゆふがほのつる西家せいかひさしひ、烏瓜からすうりはなほの/″\と東家とうかかききりきぬ。ひてわれもとむるにはあらず、やぶにはうぐひするゝときぞ。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
蟋蟀こほろぎでさへ、むしは、宛然まるで夕顏ゆふがほたねひとつこぼれたくらゐちひさくつて、なか/\見着みつかりませんし、……うしてつかまりつこはないさうです……貴女あなたがなさいますやうに
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この朝顏あさがほ夕顏ゆふがほつゞいて、藤豆ふぢまめ隱元いんげん、なす、さゝげ、たうもろこしのなへ、また胡瓜きうり糸瓜へちま——令孃方れいぢやうがた愛相あいさうに(お)のをつけて——お南瓜たうなすなへ、……と、砂村すなむらせいぞろひにおよんだ、一騎當千いつきたうせん
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
玉簾たますだれなかもれでたらんばかりのをんなおもかげかほいろしろきもきぬこのみも、紫陽花あぢさゐいろてりえつ。蹴込けこみ敷毛しきげ燃立もえたつばかり、ひら/\と夕風ゆふかぜ徜徉さまよへるさまよ、何處いづこ、いづこ、夕顏ゆふがほ宿やどやおとなふらん。
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)