トップ
>
壊
>
やぶ
ふりがな文庫
“
壊
(
やぶ
)” の例文
旧字:
壞
そなた達の大事な武器の呪いは今
壊
(
やぶ
)
り
損
(
そこな
)
われようとして居るのだ。汝等みな生物の形をとって、この一期の戦いに味方となって呉れ。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
また上下の文ありて「入りては則ち髪を乱し形を
壊
(
やぶ
)
り、出でては則ち
窈窕
(
ようちょう
)
して態を
作
(
な
)
す……これ心を専らにし色を正すこと
能
(
あた
)
わずと
謂
(
い
)
う」
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
豊野より汽車に乗りて、軽井沢にゆく。途次線路の
壊
(
やぶ
)
れたるところ多し、又
仮
(
かり
)
に
繕
(
つくろ
)
いたるのみなれば、そこに来るごとに車のあゆみを
緩
(
ゆる
)
くす。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
総てその身を傷けその心を
壊
(
やぶ
)
る鋭利な
刃
(
やひば
)
である。恐しい両岸の誘惑である。私達はさういふ心境に停つてゐてはならない。
谷合の碧い空
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
義人の
妝飾
(
そうしょく
)
は「髪を
辮
(
あ
)
み金を掛けまた衣〔を着〕るがごとき外面の妝飾にあらず、ただ心の内の
隠
(
かくれ
)
たる人すなわち
壊
(
やぶ
)
ることなき
柔和
(
にゅうわ
)
恬静
(
おだやか
)
なる霊」
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
▼ もっと見る
さればアレキサンダー王テーベスを
壊
(
やぶ
)
った時「アレキサンダー王はこの城壁を砕けり、妓王フリーネはこれを再興せり」
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
豊かに結ばれた唇には、
刀刃
(
とうじん
)
の堅きを段々に
壊
(
やぶ
)
り、
風濤洪水
(
ふうとうこうずい
)
の暴力を和やかに
鎮
(
しず
)
むる無限の力強さがある。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
去
(
され
)
ど吾妻は
悄然
(
せうぜん
)
として動きもやらず「——考へて見ると警察程、社会の安寧を
壊
(
やぶ
)
るものは有りませんねエ、泥棒する奴も悪いだらうが、
捉
(
とら
)
へる奴の方が
尚
(
な
)
ほ悪党だ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
一身を物的境遇より
退
(
しりぞ
)
かせて、心的境遇に入らしむることも、これまた
麒麟
(
きりん
)
老ゆるも
駑馬
(
どば
)
に劣るに至らざる
工夫
(
くふう
)
。木は根あればすなわち栄え、根
壊
(
やぶ
)
るればすなわち枯る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
諸王未だ必ずしも反せざるに、先ず諸王を削奪せんとするの意を
懐
(
いだ
)
いて諸王に臨むは、
上
(
かみ
)
は太祖の意を
壊
(
やぶ
)
り、
下
(
しも
)
は宗室の
親
(
しん
)
を破るなり。三年父の志を改めざるは、孝というべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
吾恋を
壊
(
やぶ
)
りし唯継! 彼等の恋を壊らんと
為
(
せ
)
しは
誰
(
た
)
そ、その吾の今千葉に
赴
(
おもむ
)
くも、又或は壊り、或は壊らんと為るにあらざる無きか。しかもその貪欲は吾に何をか与へんとすらん。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「
亜剌比亜
(
アラビア
)
の沙漠に悪疫あり、奔馬して一瞬に人体を
壊
(
やぶ
)
る。マホメットの時終滅す」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
試
(
こころみ
)
に思へ、
品蕭
(
ひんせう
)
の如き、
後庭花
(
こうていくわ
)
の如き、
倒澆燭
(
たうげうしよく
)
の如き、
金瓶梅
(
きんぺいばい
)
肉蒲団
(
にくぶとん
)
中の
語彙
(
ごゐ
)
を借りて一篇の小説を作らん時、善くその
淫褻
(
いんせつ
)
俗を
壊
(
やぶ
)
るを看破すべき検閲官の
数
(
すう
)
何人なるかを。(一月三十一日)
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三に曰く、
詔
(
みことのり
)
を承はりては必ず謹め、
君
(
きみ
)
をば則ち
天
(
あめ
)
とす。
臣
(
やつこら
)
をば則ち
地
(
つち
)
とす。天
覆
(
おほ
)
ひ地載せて、
四時
(
よつのとき
)
順
(
めぐ
)
り行き、
万気
(
よろづのしるし
)
通ふことを得。地、天を覆はむと
欲
(
す
)
るときは、則ち
壊
(
やぶ
)
るることを致さむのみ。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
(6)旧約伝道の書第十二章第六—七節、「
然
(
しか
)
る時には銀の紐は解け金の盞は砕け
吊瓶
(
つるべ
)
は泉の側に
壊
(
やぶ
)
れ
轆轤
(
くるま
)
は
井
(
いど
)
の
傍
(
かたわら
)
に
破
(
わ
)
れん、
而
(
しか
)
して
塵
(
ちり
)
は
本
(
もと
)
の
如
(
ごと
)
く土に帰り
霊魂
(
たましい
)
はこれを
賦
(
さず
)
けし神にかえるべし」
早すぎる埋葬
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
日本は未だ国を成さざるものなりなど、口を極めて攻撃せらるるときは、我輩も心の内には外国人の
謬見
(
びゅうけん
)
妄漫
(
ぼうまん
)
を知らざるにあらず、我が徳風
斯
(
か
)
くまでに
壊
(
やぶ
)
れたるにあらず、我が家族
悉皆
(
しっかい
)
然るにあらず
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
あわれかれの心は根底より
壊
(
やぶ
)
れ、次第に弱くなって来た。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
もちう。その質すでに
壊
(
やぶ
)
れば、またいずくんぞあるをえん
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
「乱暴でも生命は自ら
壊
(
やぶ
)
りはしません。」
計画
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
しかも、その道へ行く前に生を
壊
(
やぶ
)
って、自我の欲情に急いだ自殺の罪は、
生々世々
(
しょうしょうせせ
)
に
償
(
おぎな
)
わねばならぬことと思います。
阿難と呪術師の娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
碓氷嶺過ぎて横川に
抵
(
いた
)
る。嶺の路ここかしこに
壊
(
やぶ
)
れたるところ多かりしが、そは皆かりに繕いたれば車通いしなり。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
取る物さえ取れば跡は全く
壊
(
やぶ
)
りおわるより、国宝ともなるべく、学者の研究を要する古物珍品不断失われ、たまたまその道の人の手に入るも出所が知れぬゆえ
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
流下して来た巨材の衝突によつて一角が
壊
(
やぶ
)
れたため遂に破壊して仕舞つたのです。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼等の死ありて
聊
(
いささ
)
か吾が活の
苦
(
くるし
)
きをも慰むべきか、吾が活ありて、始めて彼等が死の
傷
(
いたまし
)
きを弔ふに足らんか。吾が
腸
(
ちよう
)
は断たれ、吾が心は
壊
(
やぶ
)
れたり、彼等が肉は
爛
(
ただ
)
れ、彼等が骨は砕けたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
ヒンズー教にカリ女神を女性力すなわち破壊力の表識としこの力常に眠れど瞬間だも激すればたちまち劇しく起きて万物を
壊
(
やぶ
)
りおわるとするを会わせ
攷
(
かんが
)
うべしと。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
そこに
壊
(
やぶ
)
れも、押し戻されもせぬ永遠の天界が見出されるのだとするのであります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
流下
(
りゅうか
)
して来た巨材の衝突によって
一角
(
いっかく
)
が
壊
(
やぶ
)
れたため遂に破壊してしまったのです。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
竜が住む城の名は
戯楽
(
けらく
)
、縦横三千
由旬
(
ゆじゅん
)
、竜王中に満つ、二種の竜王あり、一は法行といい世界を護る、二は非法行で世間を
壊
(
やぶ
)
る、その城中なる法行王の住所は熱砂
雨
(
ふ
)
らず
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
酷烈ならずば汝等疾く死ね、
暴
(
あ
)
れよ進めよ、無法に住して放逸無慚無理無体に
暴
(
あ
)
れ立て暴れ立て進め進め、神とも戦へ
仏
(
ぶつ
)
をも擲け、道理を
壊
(
やぶ
)
つて壊りすてなば天下は我等がものなるぞと
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
猴兵市中に入りて家を
壊
(
やぶ
)
り人を打つ、諸猴固有の語を話し、夥しく子を産む。その子両親に似ざれば官道に棄つるを、インド人拾い取りて諸の手工や踊りを教え夜中これを売る。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
合点のゆかぬことだとは思ったが、怖ろしい人の云うことだから、言葉に従って春久は相手になると、十目ばかり互に石を下した時、よしよしもはや打つまい、と云って押し
壊
(
やぶ
)
ってしまった。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
伊勢の御笥作り
内人
(
うちんど
)
土屋氏は昔槌屋と称え、豪富なりしを
悪
(
にく
)
み数十人囲み
壊
(
やぶ
)
りに掛かりかえって敗北した時、
荒木田守武
(
あらきだもりたけ
)
の狂歌に「宇治武者は千人ありとも
炮烙
(
ほうろく
)
の槌一つにはかなはざりけり」
十二支考:11 鼠に関する民俗と信念
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
無法に住して放逸
無慚
(
むざん
)
無理無体に暴れ立て暴れ立て進め進め、神とも戦え仏をも
擲
(
たた
)
け、道理を
壊
(
やぶ
)
って壊りすてなば天下は我らがものなるぞと、
叱咜
(
しった
)
するたび土石を飛ばして
丑
(
うし
)
の刻より
寅
(
とら
)
の刻
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
帝釈よ、我輩を害するなかれ、我輩を
壊
(
やぶ
)
るなかれ、我輩の愛好する歓楽を
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
もし天真を
壊
(
やぶ
)
らば
豈
(
あに
)
能く常あらんや、けだし張公特にいまだこの理を知らざる故のみと記す。雄鶏を雌と隔離して一生交会せしめなんだら果して正しく時を報ずるものにや。暇多い人の実験を
俟
(
ま
)
つ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
“壊(
破壊
)”の解説
破壊(はかい)とは、物に何らかの力や影響が加わることにより、その物の形状・機能・性質などが失われること。また、それを引き起こす行為のこと。
対義語は「製造」や「再生」、「修復」など。
(出典:Wikipedia)
壊
常用漢字
中学
部首:⼟
16画
“壊”を含む語句
破壊
打壊
取壊
壊乱
壊血病
崩壊
不壊
壊疽
金剛不壊
爛壊
倒壊
壊空
段々壊
敗壊
刀尋段々壊
不壊金剛
壊滅
事壊
自壊
大崩壊
...