塲所ばしよ)” の例文
坂路さかみちおほとうさんのむらでは、氷滑こほりすべりの出來でき塲所ばしよさきにありました。むら子供こどもはみな鳶口とびぐちつてこゞつた坂路さかみちすべりました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
本人ほんにん自營獨立じえいどくりつこゝろさへさだまつてれば、どんな塲所ばしよしても、またどんな境遇きやうぐうしよしても差支さしつかへなく、變通自在へんつうじざいでありませう。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
獨樂こまひながら行燈あんどう周圍まはりまはるはすなは地球ちきう公轉こうてんふものにて、行燈あんどう一廻ひとまはりまはりてもと塲所ばしよかへあひだに、春夏秋冬しゆんかしうとう時候じこうへんじ、一年をすなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
此處こゝ秘密ひみつ塲所ばしよ入口いりくちです。』と櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさわたくし顧見かへりみた。此時このときはまだ工事こうじはじまらぬとへ、れいてつひゞききこえず、なかはシーンとして、すごほど物靜ものしづかだ。
あなつくるに當つては、或は長さ幾歩いくほはば幾歩とあゆみ試み、或はなわ尋數ひろすうはかりて地上にめぐらし、堀る可き塲所ばしよの大さを定め、とがりたるぼうを以て地を穿うがち、かごむしろの類に土を受け
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そこでたうげはうから清水しみづいて、それをめる塲所ばしよつくつてあつたのです。なんといふ清水しみづながとひとほつて、どん/\ながれてましたらう。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
日出雄少年ひでをせうねんをば眞個しんこ海軍々人かいぐんぐんじんゆだねんとせしかれちゝこゝろざしが、いま意外いぐわい塲所ばしよで、意外いぐわいひとよつたつせらるゝこのうれしき運命うんめいに、おもはず感謝かんしやなみだ兩眼りようがんあふれた。
石器は何石を以ても隨意ずゐゐつくるを得と云ふものに非ず。土器も亦いづれのつちにてもつくるを得と云ふものにあらず。且つ石器を造るには夫々の道具どうぐ有るべく、土器どきつくるに於ては之を塲所ばしよやうす。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そのうへしろゆきでもふりかゝると氷滑こほりすべりの塲所ばしよともわからないことがあります。むら人達ひとたちとほりかゝつて、らずにすべつてころぶことなぞもありました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
し、大海嘯おほつなみいまから二三にち以前いぜんことで、海底戰鬪艇かいていせんとうてい船渠ドツクうちなら、第一だいいち警戒けいかいすべき塲所ばしよ其處そこだが、いまは、左迄さまいそいで、檢査けんさする必要ひつえういとかんがへたのである。