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ふりがな文庫
“
二重
(
ふたへ
)” の例文
こは初め
單
(
ひとへ
)
なりしも今
二重
(
ふたへ
)
となりぬ、そは汝の
言
(
ことば
)
、これと
連
(
つら
)
なる事の
眞
(
まこと
)
なるをこゝにもかしこにも定かに我に示せばなり 五五—五七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
俄盲目
(
にはかめくら
)
で
感
(
かん
)
が
悪
(
わ
)
るいけれども、
貰
(
もら
)
つた
手拭
(
てぬぐひ
)
で
傷
(
きず
)
を
二重
(
ふたへ
)
ばかり
巻
(
ま
)
いて、ギユツと
堅
(
かた
)
く
緊
(
し
)
めますと、
薬
(
くすり
)
の
効能
(
かうのう
)
か
疼痛
(
いたみ
)
がバツタリ止まりました。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二重
(
ふたへ
)
に
細
(
ほそ
)
い
咽喉
(
のど
)
を
卷
(
ま
)
いてゐる
胞
(
えな
)
を、あの
細
(
ほそ
)
い
所
(
ところ
)
を
通
(
とほ
)
す
時
(
とき
)
に
外
(
はづ
)
し
損
(
そく
)
なつたので、
小兒
(
こども
)
はぐつと
氣管
(
きくわん
)
を
絞
(
し
)
められて
窒息
(
ちつそく
)
して
仕舞
(
しま
)
つたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてこの
御陵
(
ごりよう
)
のごときは、
二重
(
ふたへ
)
に
堀
(
ほり
)
をめぐらし、その
周圍
(
しゆうい
)
には
陪塚
(
ばいちよう
)
といつて
臣下
(
しんか
)
の
人
(
ひと
)
だちの
墓
(
はか
)
がたくさん
竝
(
なら
)
んでをります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
彼は殆ど巨人のやうな男だつたので、内へはいるには、大熊のやうに、體躯を
二重
(
ふたへ
)
にまるめなければならなかつた。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
▼ もっと見る
拔衣紋
(
ぬきえもん
)
の形にたゞ者で無いところを見せた、色の冴えない平顏ながら
二重
(
ふたへ
)
瞼のはつきりした悧巧な目つきの、誰が見ても一寸いゝ女として許せる柄だつた。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
頬つぺたの非常にふくらんだ爺いさんで、目は真ん円で、大きい
腮
(
あご
)
が
二重
(
ふたへ
)
になつてゐる。着物は子供のと全く同じ事だから、改めて説明しなくても好からう。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
二重
(
ふたへ
)
の
玻璃
(
ガラス
)
窻を緊しく鎖して、大いなる陶炉に火を焚きたる「ホテル」の食堂を出でしなれば、薄き外套を透る午後四時の寒さは殊さらに堪へ難く、
膚
(
はだへ
)
粟立
(
あはだ
)
つと共に
舞姫
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
出立なし夫より
鰍澤
(
かぢかさわ
)
の御
關所
(
せきしよ
)
へ掛るが
路順
(
みちじゆん
)
なり都て甲州は
二重
(
ふたへ
)
の御關所あり土地は
御代官
(
ごだいくわん
)
の支配ゆゑ御關所手形を願ふべきなれども
日數
(
ひかず
)
も掛るにより御關所をば
拔道
(
ぬけみち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
肥
(
こ
)
えたる
腮
(
あご
)
の
二重
(
ふたへ
)
なるなど、
斯
(
かゝ
)
る
人
(
ひと
)
さへある
身
(
み
)
にて
我
(
わ
)
れは
二心
(
ふたごゝろ
)
を
持
(
も
)
ちて
濟
(
す
)
むべきや、ゆめさら
二心
(
ふたごゝろ
)
は
持
(
も
)
たぬまでも
我
(
わ
)
が
良人
(
をつと
)
を
不足
(
ふそく
)
に
思
(
おも
)
ひて
濟
(
す
)
むべきや、はかなし、はかなし
軒もる月
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
横笛愈〻
心
(
こゝろ
)
惑
(
まど
)
ひて、人の哀れを
二重
(
ふたへ
)
に包みながら、浮世の義理の
柵
(
しがらみ
)
に
何方
(
いづかた
)
へも一言の
應
(
いら
)
へだにせず、無情と見ん人の恨みを思ひやれば、身の
心苦
(
こゝろぐる
)
しきも數ならず、夜半の夢
屡〻
(
しば/\
)
駭きて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
と
思
(
おも
)
ふばかりで、
何故
(
なぜ
)
と
云
(
い
)
ふ
次第
(
しだい
)
は
民也
(
たみや
)
にも
説明
(
せつめい
)
は
出來
(
でき
)
ぬと
云
(
い
)
ふ。——
何
(
な
)
にしろ、
遁
(
のが
)
れられない
間
(
あひだ
)
と
見
(
み
)
えた。
孰方
(
どつち
)
か
乳母
(
うば
)
の
兒
(
こ
)
で、
乳※妹
(
ちきやうだい
)
。
其
(
それ
)
とも
嫂
(
あによめ
)
と
弟嫁
(
おとよめ
)
か、
敵同士
(
かたきどうし
)
か、いづれ
二重
(
ふたへ
)
の
幻影
(
げんえい
)
である。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二重
(
ふたへ
)
に合へる静けさぞ君と我との愛の歌
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
大和田
(
おほわだ
)
の原、天の原、
二重
(
ふたへ
)
の
帷
(
とばり
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
たしかに
二重
(
ふたへ
)
にもつてゐる
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
イザヤは、かれらいづれも己が
郷土
(
ふるさと
)
にて
二重
(
ふたへ
)
の衣を着るべしといへり、己が郷土とは即ちこのうるはしき生の事なり 九一—九三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
さて
埴輪
(
はにわ
)
の
筒形
(
つゝがた
)
のものは、
墓
(
はか
)
の
丘
(
をか
)
のまはり、
時
(
とき
)
には
堀
(
ほり
)
の
外側
(
そとがは
)
の
土手
(
どて
)
にも、
一重
(
ひとへ
)
二重
(
ふたへ
)
あるひは
三重
(
みへ
)
にも、
取
(
と
)
り
繞
(
めぐ
)
らされたのであり、また
塚
(
つか
)
の
頂上
(
ちようじよう
)
には
家形
(
いへがた
)
や
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
肥えたる
腮
(
あご
)
の
二重
(
ふたへ
)
なるなど、かかる人さへある身にて、我れは
二
(
ふ
)
タ
心
(
ごゝろ
)
を持ちて済むべきや。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこで腮はどうかと云ふと、外の人のは
二重
(
ふたへ
)
だが、此人のは立派に
三重
(
みへ
)
になつてゐる。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
腮
(
あご
)
などは
二重
(
ふたへ
)
に
見
(
み
)
える
位
(
くらゐ
)
に
豐
(
ゆたか
)
なのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
かの光かく、是に於てか我これに心をとめ、
後
(
のち
)
目をめぐらしてわが淑女を見れば、わが驚きは
二重
(
ふたへ
)
となりぬ 三一—三三
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
最近
(
さいきん
)
に
上野
(
かうづけ
)
の
國
(
くに
)
のある
前方後圓
(
ぜんぽうこうえん
)
の
古墳
(
こふん
)
では、
周圍
(
しゆうい
)
の
堀
(
ほり
)
の
外側
(
そとがは
)
、ちょうど
墓
(
はか
)
の
前
(
まへ
)
のところに、
筒形
(
つゝがた
)
のものを
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
二重
(
ふたへ
)
に
竝
(
なら
)
べ、その
一部分
(
いちぶぶん
)
に
人間
(
にんげん
)
や
馬
(
うま
)
や
鳥
(
とり
)
の
埴輪
(
はにわ
)
を
集
(
あつ
)
めて
立
(
た
)
てたのが
發見
(
はつけん
)
されました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
二重
(
ふたへ
)
の光を
重
(
かさ
)
ね
纏
(
まと
)
ひしかの聖者は、その
節
(
ふし
)
にあはせてめぐりつゝ、かく歌ふと見えたりき 四—六
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
雲間に生れし
詛
(
のろひ
)
の子等即ち飽いてその
二重
(
ふたへ
)
の腰をもてテゼオと爭へる者を憶へ 一二一—一二三
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
汝ヨカスタの
二重
(
ふたへ
)
の憂ひの
酷
(
むご
)
き爭ひを歌へるころは 五五—五七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
“二重”の意味
《名詞1》
二つのものを重ねること。また二つのものが重なること。また、そのようなもの。
重複すること。
《名詞2》
二つのものが重なっていること。また、そのようなもの。
(context、dated)二つに折れ曲がっていること。特に腰が曲がっていること。
(context、slang)二重瞼の略。
(出典:Wiktionary)
“二重”の解説
二重
にじゅう もしくは ふたえ とよむ。
(出典:Wikipedia)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
重
常用漢字
小3
部首:⾥
9画
“二重”で始まる語句
二重瞼
二重廻
二重外套
二重三重
二重眼瞼
二重顎
二重頤
二重腮
二重扉
二重唱