一尺いつしやく)” の例文
ふくろ(がく)はからだ一尺いつしやくもあり、暗褐色あんかつしよく羽毛うもうあしまでかぶつてゐます。はね非常ひじようやはらかですからぶときにおとがしません。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
かたくびよりたかそびえて、ぞく引傾ひきかたがりと代物しろものあをぶくれのはらおほいなるうりごとしで、一尺いつしやくあまりのたなちりあまつさびつこ奈何いかん
鑑定 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これは五六寸ごろくすんから一尺いつしやくぐらゐのながさのものでありまして、まるぼうあたまところふくれてゐます。そのふくれたところに、種々しゆ/″\模樣もようつてあるものもあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
すな喰止くひとまること出來でき齒輪車はぐるまは、一尺いつしやくすゝんではズル/″\、二三じやく掻上かきあがつてはズル/″\。其内そのうち車輪しやりん次第しだい々々にすなもれて、最早もはや一寸いつすんうごかなくなつた。
土藏内どぞうない品物しなものかべから一尺いつしやく以上いじようはなくこと。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ところを、君達きみたち、それ春家はるいへ。と、そでこと一尺いつしやくばかり。春家はるいへかほいろくちあゐのやうにつて、一聲ひとこゑあつとさけびもあへず、たんとするほどに二度にどたふれた。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またこれとは反對はんたいに、一尺いつしやくにもちかをのがありますが、これもまだどうも實用じつようには不適當ふてきとうです。おそらく寶物ほうもつか、あるひは石斧せきふつくいへ看板かんばんであつたかもれません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
いまわたくし想像さうぞうするがごと秘密造船所ひみつざうせんじよまつた海水かいすいめに破壞はくわいされて、十二のたるその一個いつこでも流失りうしつしたものならば、吾等われら最早もはや本島ほんたうから一尺いつしやくそとこと出來できないのです、左樣さやう
ひろつてたのは雄鹿をじかつのをれやまふかければ千歳ちとせまつふるとく、伏苓ふくれうふものめいたが、なにべつに……尋常たゞえだをんなかひなぐらゐのほそさで、一尺いつしやく有余いうよなり
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
むかしは加州山中かしうさんちう温泉宿をんせんやどに、住居すまひ大圍爐裡おほゐろりに、はひなかから、かさのかこみ一尺いつしやくばかりの眞黒まつくろきのこ三本さんぼんづゝ、つゞけて五日いつかえた、とふのが、手近てぢか三州奇談さんしうきだんる。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)