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かるた
ふりがな文庫
“
骨牌
(
かるた
)” の例文
近衛騎兵のナルモヴの部屋で
骨牌
(
かるた
)
の会があった。長い冬の夜はいつか過ぎて、一同が
夜食
(
ツッペ
)
の食卓に着いた時はもう朝の五時であった。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
「寂しがらない奴は、神経の鈍い奴か、そうでなければ、神経をぼかして世を渡っている奴だ。酒。
骨牌
(
かるた
)
。女。
Haschisch
(
ハッシッシュ
)
」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
四五人寄添つて額をつき合せながら、
骨牌
(
かるた
)
を切つてゐるものもあれば、乳呑児を膝の上にして、鏡に向つて化粧をしてゐるものもある。
勲章
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
花ならば梅桜あやめに菊、鳥獣なら
鶯
(
うぐいす
)
時鳥
(
ほととぎす
)
猪
(
いのしし
)
に鹿、まるで近頃の
骨牌
(
かるた
)
の絵模様が、日本の自然文学の目録であったというも誇張でない。
野草雑記・野鳥雑記:01 野草雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
君が僕たちと
骨牌
(
かるた
)
をしないのは、つまりその金貨を僕たちに取られたくないと思うからだろう。それなら魔術を使うために、欲心を
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
と、小袖幕のうちにかくれると、彼らは、
妾
(
めかけ
)
や手代に酒をつがせて、南蛮船が近ごろ日本へ
齎
(
もたら
)
した「うんすん
骨牌
(
かるた
)
」というものを始める。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
但
(
ただ
)
しこうは云うようなものの、園田の家と絶交してくれとは云わん。からして今までのように毎日遊びに来て、叔母と
骨牌
(
かるた
)
を取ろうが」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「あゝ、あの
骨牌
(
かるた
)
と赤玉のうまい。あれでせう。」と手品師は重役の
口吻
(
こうふん
)
に満足して云つた。「あの人のは普通の手品です。」
手品師
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
『
骨牌
(
かるた
)
、茶屋狂ひ、碁将棋よりは面白いでせう。其れ等の道楽は、飽きて
廃
(
よ
)
すといふこともあるですが、釣には、それが無いのですもの。』
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
また天に攀じ登るためのバベルの
骨牌
(
かるた
)
塔
★
を築いている不信心な哲学者たちは、モンセーニュールによって招集されたこの驚歎すべき会合で
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
ツァウォツキイは今一人の
破落戸
(
ごろつき
)
とヘルミイネンウェヒの裏の
溝端
(
どぶばた
)
で
骨牌
(
かるた
)
をしていた。そのうち暗くなって骨牌が見分けられないようになった。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
一人一人の手にある
骨牌
(
かるた
)
の
揃
(
そろ
)
え方を考え、ときどき持主が一枚一枚を眺める眼つきから、一つ一つの切札や絵札を数える。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
一日じゅう
骨牌
(
かるた
)
をしていた三人の病人——その二人は兵卒で一人は水兵である——も、もう寐入って寐言をいっている。
グーセフ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
幾人かのものは銘々に札をもつて
骨牌
(
かるた
)
とりをする、他の幾人かは爐を圍んで話合ひ、廣間の一隅に陣取つた若い一群は
クリスマス・イーヴ
(旧字旧仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
主人が
骨牌
(
かるた
)
をやっている間、ピラムはじっとしている。脚を
舐
(
な
)
める。人が通って、その脚を踏もうとすると引っ込める。
虻
(
あぶ
)
を噛み殺す。
嚔
(
くしゃみ
)
をする。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
戦時以来一緒に
籠城
(
ろうじょう
)
の思いをしたり、日を定めて
骨牌
(
かるた
)
に集ったり、
希臘飯
(
ギリシャめし
)
を附合ったりした連中は、遠く帰って行く岸本等を見送りに来てくれた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから僕はあの男に
骨牌
(
かるた
)
に負けて、七ルウベル借りてゐるから、立替へて返してくれ給へ。さうしたら此事件を引き受ける気になるかも知れない。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「知るも知らぬもありゃあしねえ。双六の六太に
骨牌
(
かるた
)
の花九郎、猩々の酒兵衛に太鼓の胴左、この四人の仇でごわす」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
またある時は女が
針為事
(
はりしごと
)
をしていると、男は
傍
(
そば
)
でそれを見ている。
骨牌
(
かるた
)
なんぞをもして見る。男はある日女に将棋の
駒
(
こま
)
の行き道を教えたり何かもした。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
挽
(
ひ
)
くものは唯だ一馬なるが、その足は
驅歩
(
かけあし
)
なり。一軒の角屋敷の前には、焚火して、
泅袴
(
およぎばかま
)
に
扣鈕
(
ボタン
)
一つ掛けし
中單
(
チヨキ
)
着たる男二人、
對
(
むか
)
ひ居て
骨牌
(
かるた
)
を弄べり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
『
高
(
たか
)
の
知
(
し
)
れた、
彼等
(
かれら
)
は
骨牌
(
かるた
)
の
一組
(
ひとくみ
)
に
過
(
す
)
ぎないぢやないか。ナニ
恐
(
おそ
)
れることがあるものか』と
思
(
おも
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ロナルド・アデイアは元来、
骨牌
(
かるた
)
は好きでよくやっていたが、しかしと云っても、その賭け事のために、身の破滅を招くと云うほどのこととも思われなかった。
空家の冒険
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
彼は
惘然
(
ぼうぜん
)
として殆ど我を失へる
間
(
ま
)
に、電光の如く隣より
伸来
(
のびきた
)
れる
猿臂
(
えんぴ
)
は鼻の
前
(
さき
)
なる一枚の
骨牌
(
かるた
)
を
引攫
(
ひきさら
)
へば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
自分の手札をかくし、お互いに他人の手札に探りを入れるようなこの
骨牌
(
かるた
)
のゲームには、絶対に無表情な、仮面のような、平気で嘘をつける顔つきが必要だった。
橋
(新字新仮名)
/
池谷信三郎
(著)
あの方はまた、或る人々のやうにお酒とか、
骨牌
(
かるた
)
とか、競馬なんぞに行ける人ではなかつたし、それにまた大變に美男子といふのでもおありにならなかつたのです。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
訳は簡単だ。額にあざのある外国人の牧師に頼まれて、この中で
骨牌
(
かるた
)
をやっている者がある。自分は警察へ密告してくるから、ここで見張をしていてくれといって、五円紙幣を
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
多くの兵卒が風琴を鳴らしたり、
骨牌
(
かるた
)
を
弄
(
いぢ
)
つたりしてゐるなかに、たつた一人、一番
年齢
(
とし
)
の若さうなのが、人の居ない隅つこで、じつと書物に読み
耽
(
ふけ
)
つてゐるのが将軍の気をひいた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
唯
(
たゞ
)
老人の楽長が
伴
(
つ
)
れて居る一人娘の
大琴
(
おほこと
)
を弾く姿の
繊
(
ほつそ
)
りとして水を眺めたニムフの
様
(
やう
)
なのを美しいと思つた。肩章も肋骨も赤い青年士官が土曜日の晩
丈
(
だけ
)
に
沢山
(
たくさん
)
来て静かに
骨牌
(
かるた
)
を
闘
(
たゝかは
)
して居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
此人の精神上の地平線は、自分が参事官の下級から上級まで
歴昇
(
へのぼ
)
つた地方庁と、
骨牌
(
かるた
)
遊びをする、緑色の切れの掛けてある
卓
(
つくゑ
)
を中心にした倶楽部との外に出でない。一切の事物が平穏に経過して行く。
板ばさみ
(新字旧仮名)
/
オイゲン・チリコフ
(著)
音楽には意味はありません、静かな心で凝とその響きに聞き入ればいゝのです。いゝですか、そのつもりで読み返しなどしないでスラスラツと(
骨牌
(
かるた
)
を読むやうな調子で)、一息に読み終つて下さい。
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
神田の
兄哥
(
あにい
)
、深川の親方が本郷へ来て旅籠を取る
数
(
すう
)
ではないから、家業はそれっきりである上に、
俳優狂
(
やくしゃぐるい
)
を始めて茶屋小屋
入
(
ばいり
)
をする、
角力取
(
すもうとり
)
、芸人を
引張込
(
ひっぱりこ
)
んで雲井を吹かす、酒を飲む、
骨牌
(
かるた
)
を
弄
(
もてあそ
)
ぶ
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自然と、冒険的に
骨牌
(
かるた
)
を打つ気分だった。
九月一日
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
骨牌
(
かるた
)
の
女王
(
クイン
)
の
眼
(
め
)
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
四、五人
寄添
(
よりそ
)
って
額
(
ひたい
)
をつき合せながら、
骨牌
(
かるた
)
を切っているものもあれば、
乳呑児
(
ちのみご
)
を
膝
(
ひざ
)
の上にして、鏡に向って化粧をしているものもある。
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ウンスンというのは、
南蛮
(
なんばん
)
カルタ、天正カルタ、
坊門
(
ぼうもん
)
カルタなどの類と同じに、そのころ
流行
(
はや
)
った一種の
骨牌
(
かるた
)
の称呼であります。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
舞臺には燕尾服を着た男が、退屈し切つたやうな顏に薄笑を浮べて、
骨牌
(
かるた
)
を弄んでゐた。それからお
定
(
き
)
まりの赤い球を指の間で隱見させた。
受験生の手記
(旧字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
それじゃいつまでたった所で、議論が
干
(
ひ
)
ないのは当り前だろう。そこで僕が思うには、この金貨を元手にして、君が僕たちと
骨牌
(
かるた
)
をするのだ。
魔術
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
晩
(
ばん
)
になると
倶楽部
(
くらぶ
)
に
行
(
い
)
っては
玉突
(
たまつき
)
をして
遊
(
あそ
)
ぶ、
骨牌
(
かるた
)
は
余
(
あま
)
り
好
(
この
)
まぬ
方
(
ほう
)
、そうして
何時
(
いつ
)
もお
極
(
きま
)
りの
文句
(
もんく
)
をよく
云
(
い
)
う
人間
(
にんげん
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
一男子は笑ひつゝ、さらば我は
骨牌
(
かるた
)
の爲めに帶び來れる此金殘らずを置かんと云ひて、その
財嚢
(
ざいなう
)
を
擲
(
なげう
)
てり。われ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「シャプリッツキイを覚えていらっしゃるでしょう。あなたはあの人に三枚の
骨牌
(
かるた
)
の秘密をお教えになって、勝負にお勝たせになりましたではありませんか」
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
別れを兼ねての
骨牌
(
かるた
)
の会、
珈琲店
(
コーヒーてん
)
での小さな集りなぞがある度に、岸本は行く先で自分の顔の評を受けた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
骨牌
(
かるた
)
と
酩酊
(
めいてい
)
とのために狂ったように興奮して、私がまさにいつも以上の
不埒
(
ふらち
)
な言葉を吐いて乾杯を
強
(
し
)
いようとしていたちょうどこのとき、とつぜん自分の注意は
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
お玉はこわくて泣き出したいのを我慢して、その頃通用していた
骨牌
(
かるた
)
のような形の青い五十銭札を二枚、見ている前で出して紙に包んで、黙って男の手に渡した。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
骨牌
(
かるた
)
の会は十二時に
迨
(
およ
)
びて終りぬ。十時頃より一人起ち、二人起ちて、見る間に
人数
(
にんず
)
の三分の一強を失ひけれども、
猶
(
なほ
)
飽かで残れるものは景気好く勝負を続けたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
紳士達の幾人かは
厩
(
うまや
)
へ行つてしまつて若い紳士達は令孃達と一緒に撞球室で球を突いてゐた。イングラムとリンの二人の未亡人は靜かに
骨牌
(
かるた
)
で退屈をまぎらしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
併し兎に角気の毒なわけですから、お
詞添
(
ことばぞへ
)
だけは願ひたいのですが。それからイワンが申しましたが、
骨牌
(
かるた
)
の時あなたに七ルウベル借用した事がありますさうで。それを
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
店には
他
(
ほか
)
にも客がいた。
骨牌
(
かるた
)
をしているのが二人、ドミノーズ
★
をしているのが二人、勘定台のところに立ってわずかな葡萄酒を永くかかってちびちび飲んでいるのが三人いたのだ。
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
露西亜の文豪プウシキンは自分が職業的詩人で無いのを見せるために、
他
(
ひと
)
と話す時には成るべく文学の事なぞは話さないで、馬だの、
骨牌
(
かるた
)
だの、料理だのの事ばかし話してゐたといふ事だ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ある時はどこかの見せ物小屋の前に立って客を呼んでいることもあるが、またある時は何箇月立っても職業なしでいて、
骨牌
(
かるた
)
で人を
騙
(
だま
)
す。どうかすると二三日くらい拘留せられていることもある。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
小露西亜
(
ウクライナ
)
あたりの地主らしいむんずりと肥えた四十男は先刻から熱心に玻璃窓を通して日没の曠野の光景を一人黙って眺めていたが、やがてポケットから
骨牌
(
かるた
)
を出して一人で占ないをやり出した。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“骨牌”の意味
《名詞》
骨牌(こっぱい)
カルタ。
獣の骨で造られた麻雀牌。
(出典:Wiktionary)
骨
常用漢字
小6
部首:⾻
10画
牌
漢検準1級
部首:⽚
13画
“骨牌”で始まる語句
骨牌遊
骨牌会
骨牌占
骨牌卓
骨牌子
骨牌戯
骨牌机
骨牌賭博
骨牌倶楽部