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野路
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のみち
ふりがな文庫
“
野路
(
のみち
)” の例文
最
(
も
)
う
其
(
そ
)
の
門
(
もん
)
を
出
(
で
)
はなれて、やがて
野路
(
のみち
)
へ
掛
(
かゝ
)
る
處
(
ところ
)
で、
横道
(
よこみち
)
から
出
(
で
)
て
前
(
まへ
)
へ
來
(
き
)
て
通
(
とほ
)
る
車
(
くるま
)
の
上
(
うへ
)
に、
蒋生
(
しやうせい
)
日頃
(
ひごろ
)
大好物
(
だいかうぶつ
)
の、
素敵
(
すてき
)
と
云
(
い
)
ふのが
乘
(
の
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
人と話しながら、あたまの中でほかのことを考えるよりも、お高は
野路
(
のみち
)
でも一人でたどって考えたいことを考えたかった。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
野路
(
のみち
)
山路
(
やまみち
)
の
景色
(
けしき
)
を見ても、薫が宇治へ来始めたころからのことばかりがいろいろと思われ、
総角
(
あげまき
)
の姫君の死を悲しみ続けて目ざす家へ弁は着いた。
源氏物語:52 東屋
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
また、
野路
(
のみち
)
へゆくと
白
(
しろ
)
い
野
(
の
)
ばらの
花
(
はな
)
が
咲
(
さ
)
いて、ぷんぷん
香
(
にお
)
っていることなどが、しみじみと
考
(
かんが
)
え
出
(
だ
)
されて、いっそうふるさとがなつかしかったのです。
気にいらない鉛筆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
獅子や
驢馬
(
ろば
)
と共同生活を営んでゐた仏蘭西の女流画家ロザ・ボナアルは、何処に一つ女らしい
点
(
ところ
)
のない生れつきで、
夕方
(
ゆふかた
)
野路
(
のみち
)
でも散歩してゐると
野良
(
のら
)
がへりの
農夫達
(
ひやくしやうだち
)
は
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
昔風
(
むかしふう
)
の
門
(
もん
)
を
入
(
はひ
)
ると
桑園
(
くはゞたけ
)
の
間
(
あひだ
)
を
野路
(
のみち
)
のやうにして
玄關
(
げんくわん
)
に
達
(
たつ
)
する。
家
(
いへ
)
は
僅
(
わづか
)
に
四間
(
よま
)
。
以前
(
いぜん
)
の
家
(
いへ
)
を
壞
(
こは
)
して
其古材
(
そのふるざい
)
で
建
(
たて
)
たものらしく
家
(
いへ
)
の
形
(
かたち
)
を
作
(
なし
)
て
居
(
ゐ
)
るだけで、
風趣
(
ふうち
)
も
何
(
なに
)
も
無
(
な
)
いのです。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
むかし、一人の旅人が、
科野
(
しなの
)
の国に旅して、
野路
(
のみち
)
を踏みたがへ、
犀川
(
さいがは
)
べりへ出ました。むかうへ渡りたいと思ひましたが、あたりに橋もなし、渡も見えず、困つてをりますと
狐の渡
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
松明
(
たいまつ
)
の火を消すほどの
強雨
(
つよぶり
)
でも無いのを幸いに、
何
(
いず
)
れも町を駈け抜けて、隣村の境まで来て見ると、暗い森、暗い川、暗い
野路
(
のみち
)
、見渡す限り
唯
(
ただ
)
真黒な闇に
鎖
(
とざ
)
されて、天地
寂寞
(
せきばく
)
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼は幼い時分に、春先の
野路
(
のみち
)
に、暖かい陽光を浴びて、ちょろちょろと遊んでいる
蜥蜴
(
とかげ
)
に、石を投げつけた事があった。するとその尾が切れて、ぴんぴんとその辺を
跳
(
は
)
ねまわった。
首を失った蜻蛉
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
それ以前にも
三味線
(
しゃみせん
)
を肩に載せ、
足駄
(
あしだ
)
ばきにねエさん
被
(
かぶ
)
りなどという異様な
行装
(
こうそう
)
で、春の
野路
(
のみち
)
を渡り鳥のごとく、わめきつれてくる盲女の群があって、
是
(
これ
)
も尋ねるとみな越後から来たと
謂
(
い
)
っていた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
野路
(
のみち
)
の
朝風
(
あさかぜ
)
、
足
(
あし
)
輕
(
かる
)
く、さつ/\と
過
(
す
)
ぎて、
瓜井戸
(
うりゐど
)
の
宿
(
やど
)
に
入
(
はひ
)
つたのが、まだしら/″\あけで。
二た面
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
さういふなかには、肝腎の猟そのものよりも、甲斐々々しい猟服を着込むで霧の深い
野路
(
のみち
)
を口笛を吹きながら急ぐ、
猟人
(
かりうど
)
らしい気持が好きで/\溜らぬ人達が少くなささうだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
青年はしばし
四辺
(
あたり
)
を見渡して
停止
(
たたず
)
みつおりおり
野路
(
のみち
)
を
過
(
よぎ
)
る人影いつしか霧深き林の奥に消えゆくなどみつめたる、もしなみなみの人ならば
鬱陶
(
うっとう
)
しとのみ思わんも、かれは
然
(
しか
)
らず
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
雖然
(
けれども
)
、
野路
(
のみち
)
に
行暮
(
ゆきく
)
れて、
前
(
まへ
)
に
流
(
なが
)
れの
音
(
おと
)
を
聞
(
き
)
くほど、うら
寂
(
さび
)
しいものは
無
(
な
)
い。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
終日
(
ひねもす
)
家にのみ閉じこもることはまれにて朝に一度または午後に一度、時には夜に入りても
四辺
(
あたり
)
の
野路
(
のみち
)
を当てもなげに歩み、林の中に分け入りなどするがこの人の慣らいなれば人々は運動のためぞと
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは栗原
主殿頭
(
とのものかみ
)
といふ男で、この男は女房をも一人持つてゐたが、その女房よりも、地震よりも、蛙の方が怖ろしかつた。ある時
伴
(
とも
)
の
奴
(
やつこ
)
を一人連れて
野路
(
のみち
)
を歩いてゐると、
唐突
(
だしぬけ
)
に
蝦蟇
(
がま
)
に
出会
(
でくは
)
した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
……
實
(
じつ
)
は
聞
(
き
)
いただけで。
私
(
わたし
)
の
覺
(
おぼ
)
えたのは……そんな、そ、そんな
怪
(
け
)
しからん
場所
(
ばしよ
)
ではない。
國
(
くに
)
へ
往復
(
ゆきかへり
)
の
野路
(
のみち
)
山道
(
やまみち
)
と、
市中
(
しちう
)
も、
山
(
やま
)
まはりの
神社佛閣
(
じんじやぶつかく
)
ばかり。だが
一寸
(
ちよつと
)
こゝに
自讚
(
じさん
)
したい
事
(
こと
)
がある。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女どもが云つた
呪詛
(
まじない
)
のやうな
言
(
ことば
)
も
凄
(
すご
)
し、
一足
(
ひとあし
)
棟
(
むね
)
を離れるが最後、
岸破
(
がば
)
と野が落ちて
地
(
じ
)
の底へ沈まうも知れずと、
爪立足
(
つまだてあし
)
で、びく/\しながら、それから一生懸命に、
野路
(
のみち
)
にかゝつて
遁
(
に
)
げ出した
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
野
常用漢字
小2
部首:⾥
11画
路
常用漢字
小3
部首:⾜
13画
“野”で始まる語句
野
野原
野暮
野分
野面
野郎
野良
野菜
野茨
野幇間