トップ
>
賭博
>
ばくち
ふりがな文庫
“
賭博
(
ばくち
)” の例文
眞「成程、じゃア
私
(
わし
)
が師匠に
逢
(
お
)
うてお前様お梅はんと寝て居りみすから、私に何うか
賭博
(
ばくち
)
の
資本
(
もとで
)
を貸してお呉んなさませと云うか」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それを、それを、あの、だって、大事にして見るんなら、まだ何ですけれども、
賭博
(
ばくち
)
の目に、よもうッていうんですもの。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いずれ、やくざに相違ないと知って、出来合ってしまったところが、これが
賭博
(
ばくち
)
うちと思っていたのに、
東金
(
とうがね
)
無宿の長二郎という名代の泥棒——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
だから、基督も天国では「
娶
(
めと
)
らず、
嫁
(
ゆ
)
かず」だと言つてゐる。天国のやうな結構づくめなところでは、結婚は
賭博
(
ばくち
)
と一緒に御法度となつてゐるのだ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「酔狂な真似をしたものですね。ひょっとしたら、この家はもと
賭博
(
ばくち
)
打ちか何かが住んでいたのかも知れませんよ」
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
次第に重吉は
荒
(
すさ
)
んで行った。
賭博
(
ばくち
)
をして、とうとう金鵄勲章を取りあげられた。それから
人力俥夫
(
じんりきしゃふ
)
になり、馬丁になり、しまいにルンペンにまで零落した。
日清戦争異聞:(原田重吉の夢)
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
人いきれと酒の香と、汗の匂いと髪の毛の匂い、ジャラジャラと音を立てるのは、
公然
(
おおっぴら
)
に
賭博
(
ばくち
)
をするらしい。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ここを修繕して納まり返り、近郷近在の無頼漢を集めて御本堂で
賭博
(
ばくち
)
を打たせ、
寺銭
(
てらせん
)
を集めて威張っている。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
賭博
(
ばくち
)
の寺錢みたいなもんで、當り前やろが、日本ではお前、親の身代も子の身代もあれへん、一軒の身代や。
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
二千兩は叔父の金ぢやなく、それも
賭博
(
ばくち
)
の元手なんぞにする氣は毛頭ありやしません。親分、妹のこの樣子を見てやつて下さい。この乞食の子よりも
劣
(
おと
)
つた樣子を
銭形平次捕物控:009 人肌地藏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今でも猶だ其根性が失せないから大きな詐偽や
賭博
(
ばくち
)
の
欺瞞
(
いかさま
)
をやつて実業家だと仰しやいますヮ……
貧書生
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
が、わしは、それからにわかに、この世が味気なくなってしもうた。されば、酒も飲む、
賭博
(
ばくち
)
も打つ。ついには、人に誘われて、まんまと強盗にさえ身をおとしたがな。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「朝っぱらから
賭博
(
ばくち
)
でもしてるのかと思えば、この小さい人を
捉
(
つか
)
めえて
小言
(
こごと
)
を言っているのかい」
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何
(
ど
)
うぞ僕に言はせて下ださい、——一体僕の家は何で食つて居るんです、何で
此様
(
こんな
)
贅沢
(
ぜいたく
)
が出来るんです、地代と利子と、
賭博
(
ばくち
)
と泥棒とぢやありませんか——
否
(
い
)
や、姉さん
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
お光さんは
豊津
(
とよつ
)
の女学校をやめて、家へ帰ったそうだ。またお光さんに縫ってもらった綿入れが小包で来るそうだ。
大工
(
だいく
)
の
角三
(
かくぞう
)
が山で
賭博
(
ばくち
)
を打って九十八円取られたそうだ。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御厩の長五郎という
賭博
(
ばくち
)
の親分の家に、夜昼なしに入り浸っている上に、いい賭場が、開いているというと、五里十里もの遠方まで出かけて行くという有様で、賭博に身も心も
勝負事
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「なにこの野郎、
賭博
(
ばくち
)
も打てば泥棒もした奴だ、こんな惡黨はこの村にや置けねえ」
泥の雨
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
着古しの
平常衣
(
ふだんぎ
)
一つ、何の
焼
(
たき
)
かけの
霊香
(
れいきょう
)
薫ずべきか、泣き寄りの
親身
(
しんみ
)
に一人の
弟
(
おとと
)
は、有っても無きに
劣
(
おと
)
る
賭博
(
ばくち
)
好き酒好き、
落魄
(
おちぶれ
)
て相談相手になるべきならねば頼むは親切な
雇婆
(
やといばば
)
計
(
ばか
)
り
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
若い男 だけれど、イカサマ
賭博
(
ばくち
)
をしたというから、どうもこれ仕方がねえさ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
(自分は根本行輔の口からこの物語を聞いて居るので)昼間の
職業
(
しごと
)
を終つて夕飯を済すと、いつも其処に行つて、娘の子の話やら、喧嘩の話やら、
賭博
(
ばくち
)
の話やら、いろ/\くだらぬ話を為て
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
一は久さんの
家
(
うち
)
で、今一つは品川堀の側にある
店
(
みせ
)
であった。其店には
賭博
(
ばくち
)
をうつと云う恐い眼をした大酒呑の五十余のおかみさんと、白粉を塗った若い女が居て、若い者がよく酒を飲んで居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
親父
(
おやじ
)
はおれになんでも学校で一番強い人間になれというだろう、だからおれは喧嘩をした、活動を見ると人を
斬
(
き
)
ったり
賭博
(
ばくち
)
をしたりするのが侠客だという人だ、だからおれはそれをまねて見たんだ
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
みんな寒かろ、母御も無けりや、
賭博
(
ばくち
)
うつよな
父者
(
ててじや
)
もないか
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
賭博
(
ばくち
)
が大の
上手
(
じょうず
)
ですって」
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
まア寺男からお
前
(
ま
)
さんの子じゃア有るけれども眞達さんまでも
悪
(
われ
)
え事に
染
(
そま
)
りまして、それからお
前
(
ま
)
さん此の頃寺で
賭博
(
ばくち
)
を
為
(
し
)
ますと
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
なかに一人、船に、
賭博
(
ばくち
)
に、
加之
(
おまけ
)
に
軍
(
いくさ
)
にも、女にも弱いやうな顔をした士官が、海の荒れ始めから、自分の
船室
(
ケビン
)
へ潜り込んで一向影を見せないのがあつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ダンスでも
賭博
(
ばくち
)
でも、あんたよりズット巧かったわ……それからもう一つ……お話がトテモ上手だったの。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
いいえ
賭博
(
ばくち
)
は遣りません、賭博は感心に遣りませんが、それも何
幾干
(
いくら
)
かありゃきっとはじめるんでさ。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
京子が此處へ來たので、
賭博
(
ばくち
)
を打つてゐた者共が驚いて逃げたのではあるまいか。——と道臣は考へて、
雪洞
(
ぼんぼり
)
に暗を照らしつゝ、西の局から
神饌所
(
しんせんじよ
)
なぞを見て廻つた。
天満宮
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
与力
(
よりき
)
の笹野新三郎を訪ねて訊くと、
石原
(
いしはら
)
の
利助
(
りすけ
)
は堂守殺しの下手人として、徳蔵稲荷の隣に住んでいる、やくざ者の
仙吉
(
せんきち
)
を挙げたという話、これは
賭博
(
ばくち
)
の元手に困って
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
というような声が
洩
(
も
)
れて来る。ははあ、
賭博
(
ばくち
)
をやっているな! 賭博の一種、花合せを——
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
けれども村のものはみんな
賭博
(
ばくち
)
をして
巻
(
ま
)
き
上
(
あ
)
げられたと評判してゐる。
田舎
(
いなか
)
でも
斯
(
か
)
うだから、東京にゐる御前なぞは、本当によく気を付けなくては
不可
(
いけ
)
ないと云ふ訓戒が
付
(
つ
)
いてゐる。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その夢の記憶の中で、彼は支那人と
賭博
(
ばくち
)
をしていた。支那人はみんな兵隊だった。
日清戦争異聞:(原田重吉の夢)
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
女郎買を
為
(
す
)
るばかりではない、悪い山の猟師と墾意に
為
(
な
)
つて、
賭博
(
ばくち
)
を打つ、喧嘩を為る、茶屋女を買ふ、
瞬
(
またゝ
)
く間にその残つて居る田地をも
悉
(
こと/″\
)
く人手に渡して、
猶
(
なほ
)
其上に宅地と家屋敷を抵当に
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「
賭博
(
ばくち
)
は打っても、
卑怯
(
ひきょう
)
なことはするな。男らしくねえことはするな」
入れ札
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それらの大名と呼応したならば面白い
賭博
(
ばくち
)
が打てるかもしれない
正雪の遺書
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
七日が
過
(
すぎ
)
ると土手の甚藏が
賭博
(
ばくち
)
に負けて
素
(
す
)
っ
裸体
(
ぱだか
)
になり、寒いから
犢鼻褌
(
ふんどし
)
の上に馬の腹掛を
引掛
(
ひっか
)
けて妙な
形
(
なり
)
に成りまして、お賤の処へ参り
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今日持って
参
(
ま
)
いった
賭博
(
ばくち
)
の
資金
(
もとで
)
は
各自
(
めいめい
)
に相違なく返し遣わすのみならず、賃銀は望みに任するであろう。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
可笑
(
をか
)
しいのは
賭博
(
ばくち
)
が好きだつたからといつて、
墓石
(
はかいし
)
に
骰子
(
さいころ
)
の目まで盛つたのがあつた事だ。それを考へて
伜
(
せがれ
)
の右団次も
亡父
(
おやぢ
)
の墓を幽霊の姿にでも刻んだら面白からう。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ナニ、どうして? お寺で
賭博
(
ばくち
)
があったのだそうです。そうですか、それはどうも。いいえ、そうではありません、人殺しの
凶状持
(
きょうじょうも
)
ちが、あのお寺へ逃げ込んだのだそうです。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「滝三郎が入込んでから、誰もとがめ手がないのと、お袋が死んで少し
自棄
(
やけ
)
になったんでしょう。三文
賭博
(
ばくち
)
を打つ元手のない時は、この辺の飲屋を
門並
(
かどな
)
み荒して歩いていますよ」
銭形平次捕物控:012 殺され半蔵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ええ、
賭博
(
ばくち
)
に負けたか、食えねえか、それほど
金子
(
かね
)
が
欲
(
ほし
)
くばな、
盗賊
(
どろぼう
)
をしな、人を殺せ、けだものに
女
(
むすめ
)
を売るとは、野郎本気の沙汰じゃねえ、どれ、性根を着けてやろうよ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
丁度その時、辮髪の支那兵たちは、物悲しく憂鬱な姿をしながら、地面に
趺坐
(
ふざ
)
して閑雅な支那の
賭博
(
ばくち
)
をしていた。しがない
日傭人
(
ひようとり
)
の兵隊たちは、戦争よりも飢餓を恐れて、獣のように悲しんでいた。
日清戦争異聞:(原田重吉の夢)
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
御光さんは豊津の女学校をやめて、
家
(
うち
)
へ帰つたさうだ。又御光さんに縫つて貰つた綿入が
小包
(
こづゝみ
)
で
来
(
く
)
るさうだ。大工の
角三
(
かくぞう
)
が山で
賭博
(
ばくち
)
を打つて九十八円取られたさうだ。——其顛末が
委
(
くわ
)
しく書いてある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
商売に出ても
賭博
(
ばくち
)
が好きで道楽ばかりして、女房を置去り同様音も沙汰もしずに居ましたが、旅魚屋の仲間の者が帰って来て聞きましたら
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこの
闇
(
くら
)
がりで水を飲む
柄杓
(
ひしゃく
)
の音がカラカラと聞こえたが、やがて又今度は音も立てずにヒッソリと渡殿を引返して、何やドッと笑い合う
賭博
(
ばくち
)
連中のどよめきを
他所
(
よそ
)
に
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
五百両といへばなかなかの大金で、これだけあつたら女一人の
霊魂
(
たましひ
)
を買ふ事も出来るし、男の運を買ふ
賭博
(
ばくち
)
をも打つ事が出来るのだ。それを知らない和尚でもない筈だ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それはお前様、あの
徒
(
てあい
)
と申しますものは、……まあ、海へ出て岸をば
眗
(
みまわ
)
して
御覧
(
ごろう
)
じまし。
巌
(
いわ
)
の窪みはどこもかしこも、
賭博
(
ばくち
)
の
壺
(
つぼ
)
に、
鰒
(
あわび
)
の
蓋
(
ふた
)
。
蟹
(
かに
)
の穴でない処は、皆
意銭
(
あないち
)
のあとでござります。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは
賭博
(
ばくち
)
の元手に困つて、仁三郎の
財布
(
さいふ
)
を狙つたものと見たわけです。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
乞食共のする砂利場の
賭博
(
ばくち
)
でもながめてゐよう。
定本青猫:01 定本青猫
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
“賭博”の意味
《名詞》
賭 博(とばく)
金品を賭けて勝負を争う遊戯。賭戯と博戯。
(出典:Wiktionary)
賭
常用漢字
中学
部首:⾙
16画
博
常用漢字
小4
部首:⼗
12画
“賭博”で始まる語句
賭博場
賭博打
賭博者
賭博室
賭博狂
賭博遊
賭博風
賭博台
賭博器
賭博師