設備せつび)” の例文
が、うすると、深山しんざん小驛せうえきですから、旅舍りよしやにも食料しよくれうにも、乘客じようかくたいする設備せつび不足ふそくで、危險きけんであるからとのことでありました。
雪霊続記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
そうすれば、まちうつくしくなり、また、電燈でんとうもつき、いろいろな文明ぶんめい設備せつびがゆきとどくにちがいがありません。
花咲く島の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
西洋せいようおほきな博物館はくぶつかんでは、目録もくろく研究書物けんきゆうしよもつ出版しゆつぱんされてゐるばかりでなく、館内かんない設備せつび完全かんぜん出來できてゐて、愉快ゆかい見物けんぶつされるようになつてゐます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
さうしてこのかまへ設備せつびでは、かへりがけにおもつたよりたか療治代れうぢだいられるかもれないと氣遣きづかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
で、その配當は見物の方へも割り戻されてよいわけであるが、數多き人を一人づつ記入しておく事は出來ないから、その配當をもつてますます設備せつびをよくしなければならない。
むぐらの吐息 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
かれらの学校は、まだ出来てがないために、講堂こうどう設備せつびがなかった。だいじなしき学芸会がくげいかいのときには、二階の教室を三つぶちぬいて、臨時りんじに会場をつくることになっていた。
美しき元旦 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
わたしはかうしてみなさんにかこまれてゐると、氣持きもちいサナトリウムにでもてゐるやうですよ、私達わたしたちためにも、病院びやうゐんやサナトリウムが設備せつびされてゐたら、此間このあひだくなつたSさんなんか、屹度きつとまた
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
この魚形水雷ぎよけいすいらいは、その全長ぜんちやうわずかに二ヒートインチ最大さいだい直徑ちよくけいインチぎず、これ今日こんにち海戰かいせんもつぱおこなはるゝ保氏魚形水雷ホルランドしぎよけいすいらいすると、そのおほいさは七ぶんの一にもらぬが、氣室きしつ浮室ふしつ尾片等びへんとう設備せつび整然せいぜんとして
毎日毎日寒い風が吹きつづいていたので、洞外どうがいの工事ができなくなった、だが二週間ののちにはいっさいの設備せつびが完了した。だが一同が救いの船を得るのはいつのときか、あらかじめはかりがたい。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
みなさん、この天文台の設備せつび注意ちゆういして見て下さい
旅館りよかん設備せつび完全かんぜんせるとうるものである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
侘住居わびずまひまをします——以前いぜんは、北國ほつこくおいても、旅館りよくわん設備せつびおいては、第一だいいちられた武生たけふうちでも、隨一ずゐいち旅館りよくわんむすめで、二十六のとし
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
すると、あかるい、清潔せいけつな、設備せつびのよくいきとどいた、近代きんだいふうの工場こうばが、まえかびがります。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
フリィドリッヒてい博物館はくぶつかんなどにはふる美術品びじゆつひんばかりがあつめてあり、ベルガモンといふところからつてたギリシヤの彫刻ちようこくれるため、すばらしい設備せつびがしてあります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
宗助そうすけ手際てぎはでは、室内しつない煖爐だんろける設備せつびをするだけでも容易よういではなかつた。夫婦ふうふはわが時間じかん算段さんだんゆるかぎりをつくして、專念せんねん赤兒あかごいのちまもつた。けれどもすべては徒勞とらうした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
日本につぽんにおいても將來しようらいまうけられる博物館はくぶつかんは、かうした設備せつびとゝのへる必要ひつようがあるとおもひます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)