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落込
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おちこ
ふりがな文庫
“
落込
(
おちこ
)” の例文
此の船中に話したがね、船頭はじめ——
白痴
(
たわけ
)
め、
婦
(
おんな
)
に誘はれて、
駈落
(
かけおち
)
の真似がしたいのか——で、船は人ぐるみ、
然
(
そ
)
うして奈落へ
逆
(
さかさま
)
に
落込
(
おちこ
)
んだんです。
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
恨
(
うら
)
みにでも
思
(
おも
)
ふだけがお
前
(
まへ
)
さんが
未練
(
みれん
)
でござんす、
裏町
(
うらまち
)
の
酒屋
(
さかや
)
の
若
(
わか
)
い
者
(
もの
)
知
(
し
)
つてお
出
(
いで
)
なさらう、二
葉
(
ば
)
やのお
角
(
かく
)
に
心
(
しん
)
から
落込
(
おちこ
)
んで、かけ
先
(
さき
)
を
殘
(
のこ
)
らず
使
(
つか
)
ひ
込
(
こ
)
み
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この峠から普賢へ
上
(
のぼ
)
るためには、ここからまた左へ
落込
(
おちこ
)
んでいる
薊
(
あざみ
)
谷の渓谷を下らなければならなかった。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
足元は五六十尺の谷の口、ひとたまりもなく貝六の図体は、崩るる小石と共に、その中に
落込
(
おちこ
)
んでしまいました。後を静かに塗り潰すのは、音もなく襲い来る夕闇。
大江戸黄金狂
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「ガンブロー
鳥
(
てう
)
」に
突破
(
つきやぶ
)
られたる
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
は、
水素瓦斯
(
すいそぐわす
)
の
洩
(
も
)
るゝ
音
(
おと
)
と
共
(
とも
)
に、キリヽ/\と
天空
(
てんくう
)
を
舞
(
ま
)
ひ
降
(
くだ
)
つて、『あはや』といふ
間
(
ま
)
に、
大洋
(
たいやう
)
の
眞唯中
(
まつたゞなか
)
へ
落込
(
おちこ
)
んだのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
寒き日や川に
落込
(
おちこ
)
む川の水
自選 荷風百句
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此
(
これ
)
の
船中
(
せんちう
)
に
話
(
はな
)
したがね、
船頭
(
せんどう
)
はじめ——
白癡
(
たはけ
)
め、
婦
(
をんな
)
に
誘
(
さそ
)
はれて、
駈落
(
かけおち
)
の
眞似
(
まね
)
がしたいのか——で、
船
(
ふね
)
は
人
(
ひと
)
ぐるみ、
然
(
さ
)
うして
奈落
(
ならく
)
へ
逆
(
さかさま
)
に
落込
(
おちこ
)
んだんです。
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
千々岩
(
ちぢわ
)
灘に対して立つ時、
足下
(
あしもと
)
に深く
落込
(
おちこ
)
んでいる渓谷は、絹笠の
山脚
(
さんきゃく
)
と妙見の山脚が作る
山領
(
さんりょう
)
谷である。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
輕氣球
(
けいきゝゆう
)
と
共
(
とも
)
に、
海洋
(
かいやう
)
の
唯中
(
たゞなか
)
に
落込
(
おちこ
)
んだ
吾等
(
われら
)
兩人
(
りやうにん
)
は、
一時
(
いちじ
)
は
數
(
すう
)
十
尺
(
しやく
)
深
(
ふか
)
く
海底
(
かいてい
)
に
沈
(
しづ
)
んだが、
幸
(
さひはひ
)
にも、
落下
(
らくか
)
の
速力
(
そくりよく
)
の
割合
(
わりあひ
)
に
緩慢
(
くわんまん
)
であつた
爲
(
ため
)
と、また
浪
(
なみ
)
に
氣球
(
きゝゆう
)
が
抵杭
(
ていかう
)
した
爲
(
ため
)
に、
絶息
(
ぜつそく
)
する
程
(
ほど
)
でもなく
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
馬鹿野郎
(
ばかやらう
)
めと
罵
(
のゝし
)
りながら
袋
(
ふくろ
)
をつかんで
裏
(
うら
)
の
空地
(
あきち
)
へ
投出
(
なげいだ
)
せば、
紙
(
かみ
)
は
破
(
やぶ
)
れて
轉
(
まろ
)
び
出
(
で
)
る
菓子
(
くわし
)
の、
竹
(
たけ
)
のあら
垣
(
がき
)
打
(
うち
)
こえて
溝
(
どぶ
)
の
中
(
なか
)
に
落込
(
おちこ
)
むめり、
源
(
げん
)
七はむくりと
起
(
お
)
きてお
初
(
はつ
)
と一
聲
(
こゑ
)
大
(
おほ
)
きくいふに
何
(
なに
)
か
御用
(
ごよう
)
かよ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
一分
(
いつぷん
)
、
二分
(
にふん
)
、
間
(
あひだ
)
を
措
(
お
)
いては
聞
(
きこ
)
える
霰
(
あられ
)
のやうな
音
(
おと
)
は
次第
(
しだい
)
に
烈
(
はげ
)
しくなつて、
池
(
いけ
)
に
落込
(
おちこ
)
む
小※
(
こしぶき
)
の
形勢
(
けはひ
)
も
交
(
まじ
)
つて、
一時
(
いちじ
)
は
呼吸
(
いき
)
もつかれず、ものも
言
(
い
)
はれなかつた。
怪談女の輪
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
熔岩流それ自らの中央部は深く
落込
(
おちこ
)
み別にまた渓谷をなしているのである。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
その坂を
下
(
お
)
りかかる片側に、坂なりに
落込
(
おちこ
)
んだ
空溝
(
からみぞ
)
の広いのがあって、道には
破朽
(
やぶれく
)
ちた
柵
(
さく
)
が
結
(
ゆ
)
ってある。
二、三羽――十二、三羽
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
民子
(
たみこ
)
をのせて
出
(
で
)
た
雪車
(
そり
)
は、
路
(
みち
)
を
辷
(
すべ
)
つて、十三
谷
(
や
)
といふ
難所
(
なんしよ
)
を、
大切
(
たいせつ
)
な
客
(
きやく
)
ばかりを
千尋
(
ちひろ
)
の
谷底
(
たにそこ
)
へ
振
(
ふ
)
り
落
(
おと
)
した、
雪
(
ゆき
)
ゆゑ
怪我
(
けが
)
はなかつたが、
落込
(
おちこ
)
んだのは
炭燒
(
すみやき
)
の
小屋
(
こや
)
の
中
(
なか
)
。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……去年の大地震で、海の底が
一体
(
いったい
)
に三尺がとこ上りましての、家々の
土地面
(
つちじめん
)
が三尺たたら踏んで
落込
(
おちこ
)
みましたもの、の。いま、さいて来た汐も、あれ、御覧じゃい。
甲乙
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
落
常用漢字
小3
部首:⾋
12画
込
常用漢字
中学
部首:⾡
5画
“落”で始まる語句
落
落胆
落着
落魄
落葉松
落人
落葉
落籍
落付
落語家